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iPad用キーボード選び

1.検討のきっかけ

この文章は、iPad ”にも” 対応するBluetoothキーボードを使ってiPadで書いているのだが、ちゃんとした独立型キーボードは安いものでもキーの大きさや広さ、打ちやすさがそこそこ優れている反面、ラップトップPCのように膝上に置いて文章を打つということができない。

文章は快適に打ちたいが、いつでもさっと起動して使えるというタブレットの利点を失いたくないので、違ったキーボードを探すことにしたい。

最初はそれを解決するためにchromebookを探していたのだが、欲しいと思えるスペックで探すと4万円くらいはかかってしまうことが分かった(過去記事参照)。
https://note.com/mai99376254/n/na3c500858ece

既にiPad(無印、第七世代)を持っており、問題なく使えていることを考えると、新たに4万円のデバイスを買うというのはどうも贅沢すぎるように感じる。iPadから環境を移行するのも手間だし。値段次第だが、キーボードを変えることで快適に文字が打てる環境が構築できるのであれば、まずそちらで試したい、と考えた次第。

参考にさせていただいたのはこのサイトなど。
https://my-best.com/1379
ちなみに、こう↑いうサイトがあればこのnoteは不要ではないかという気もするが、このようなサイトは広く情報を集めるにはとても有用である一方、なにか特定の商品を推すわけではないので、「みんながどういう観点で選んでいるのか」を知りたいときには少々情報不足に感じた。なのでこうやって誰かの役に立つかもしれないと思い書いているところ。

2.どんな製品があるか

タブレットで使うキーボードはいろいろな種類があるが、ここでは私の選び方の考えに基づいて勝手に分類してみる。

(1) 独立タイプ

 現在使用しているタイプで、要は単なるBluetooth接続の無線キーボード。タブレット向きとされる製品の特長としては、私見だが、小型で軽量化されていたり、折りたたみ型だったりして、持ち歩きしやすいような工夫が行われている製品が多い印象がある。iPadとキーボードの位置を自由に変えられるので、広い机の上では快適に打てると思われる。

 他方で、家の中で使うことを想定すると、いちいちiPadとキーボードの2つを持ち歩くのはうっとうしい気がするし、そのわりに小型のものはキータッチに難がある印象がある。といってキータッチのよい製品を選ぶと巨大になり、持ち歩きも難しいがひざ上で使えなくなってしまう。ひざ上想定をすると、キーボードとiPad本体が固定されていないので、キーを打つときに画面がぐらぐらして打ちにくいのでは、と思う(試してはいません)。

 ひざ上で使うことを想定しなければ有力な選択肢ではあると思う。今回は検討しない。

(2) スタンドタイプ

 タブレットカバーと一体になっているキーボードであって、画面側(iPad側)を立てて使う際、背面にスタンドを立てたり、カバー部分が折れ曲がってスタンドになる(「ん」みたいな形になる)ことで画面側が立つタイプ。iPad無印用のApple純正Smart Keyboardもこのタイプ。

 カバーや折れ曲がる部分に強度が必要ないので、軽量のものが多いようである。また独立タイプと違いキーボードとiPadがカバーにそれぞれ固定されているので、キーを打つ際にグラグラいしにくいのではないかと思われる(キーボードやiPadを取り外しできる製品もある)。
 スマホカバーのように粘着テープでiPadを保持する製品まであるが、さすがにそれはiPadを傷つけそうだし、固定感も疑問なので考慮外。

 なおこの形式は、画面角度がスタンドやカバー形状によって固定で、見る角度に合わせて画面角度を変えられないのがネック。また、スタンド形状によっては全くひざ上では使えない(キーボード幅の中央の一部分にだけスタンドが立つ製品など)。更に、スタンドを立てる場所が必要なので、接地面が背面側に長くなるということもあり、ひざ上で使うとなると画面をかなり手前側に置くことになる。脚が長くない私にとってこれは厳しい。

 私は外では作業しないので軽量は最優先事項ではないし、ひざ上使用を前提に考えたいので、今回はこちらも検討しない。

(3) 自立タイプ

 タブレットカバーと一体のタイプであって、ラップトップPCのように画面を後ろ側に傾けてもスタンドなしに自立するタイプ。ヒンジ部に強度が求められ、かつキーボード面に相応の重量がないと自立できないと思われるので、おそらく最も重量面では不利か。一方で、画面角度を自由に変えられる製品もあり、接地面もキーボード面だけになるので、ひざ上ではラップトップPCと全く同じように使えると思われる。

 自宅内使用、ひざ上使用という前提ではこのタイプが一番私の用途に合致しているものと思われる。

以下では個別の機能を検討していく。

3.接続方式

 一番多いのがBluetooth方式で、ほかにApple純正smart keyboardで採用されているSmart Connector、あとはUSB/lightningケーブルで直接接続する有線方式がある。Bluetoothはキーボードの起動のたびにiPadに認識させるため?の若干のタイムラグがあるが、Smart Connectorの場合は触った瞬間に入力開始可能となり遅延がほぼないとのこと。おそらく有線方式の場合も同様と思う(しっかり比較したことはないが、家電量販店の展示品でsmart keyboardを試した際には遅延は全く感じられなかった)。

 また、Bluetoothは別途キーボード自体の充電が必要だが、ほかはiPad本体からの給電で稼働するので、便利かつバッテリーの分軽量になっているのではないかと思われる。

 Smart Connector対応製品は非純正品も出ているが、物理的なコネクタでなくiPad側面の金属端子に接触させる形になるので、形の悪い製品だと接触不良になる場合がある、との事例がAmazonレビューでも見られる。その観点からすると有線方式は信頼性も高いようにも思われるが、コネクタ部分が出っ張るので、タブレットとしての取り回しが悪くなってしまう(ザクのパイプみたいな感じ)。

 有線はともかくSmart Connector対応製品は高価なものが多いように思われるので、取り回しも重視し、基本的にはBluetooth方式の製品を探すことにする。高くてもいいなら純正を買えばいいと思うので。

4.キー配列

 キー配列には大きく分けて、JIS配列とUS配列があるようである。iPadというかiPadOSはデフォルトではUS配列のキーボードとして入力を認識するようで、キーボード側で特にiPad入力に対応する機能がない場合、キーの表記と入力される文字がずれる場合がある。ちなみに今使っている独立タイプのキーボードはiPad入力に切り替える機能がついており、この機能を使うと表記と一致したキー入力になる。

 仕事で使っているPCやデスクトップPCのキーボードはJIS配列なので、JIS配列のほうが打ちやすいのではないかという気もするが、US配列しか用意されていないキーボードも多いようである。
 調べた限りでは、かな入力を使わない方であればUS配列でも慣れの問題の範疇で使用できるとの意見がいくつか見られた。またiPadOSには前述の入力認識の問題があるので、US配列のものを基本的に探していきたい。

 参考にさせていただいたサイト様
https://ushigyu.net/2012/06/27/difference_between_jis_and_us_keyboard/
https://mupon.net/japanese-jis-keyboard/#USJIS
https://blog.tsukumo.co.jp/gaming/2015/04/post_16.html
https://yossense.com/ipad-keyboard-before-purchase/

 USかJISかという観点とは別に、製品ごとにオリジナルのキーを配置したり、キーの大きさを変えていることはままある。
 たとえば日本語のタイピングでは頻繁に使用するEnterキーは、US配列では小さいことが多いようであるが、Enterキーを大きくしている製品もある。またJIS配列でいうところの「半角/全角」キーがUS配列にはないが、これを独自に設けている製品もある。

 こういったキー配列の詳細や、独自の使いにくそうな変なキーがないかという点も製品選びの際には見ていきたいところ。

5.ヒンジ形状

 自立タイプのキーボードカバーでは、ヒンジ部の形状にいくつかのバリエーションがある。形状の違いを文章で言うのはちょっと難しいので、機能(どう可動するのか)で説明したい。

(1) キーボードに対してタテ方向(iPadから見てヨコ方向)の開き角度

 スタンドタイプでは一般的に一意の角度にしか保持できない、というのとの比較で、自立タイプでは一定の範囲内なら自由に開き角度を変えられる(その角度で開いたまま自立させられる)ものが多い。

 2in1タブレットPCのように、iPad側の背面をぐるりと回してキーボード側の背面にくっつけられる製品もあり、「360度回転可能」などと説明されている。一定以上の角度で開いた際にはキーボード入力が無効になる機能(これがないと手持ちした時にキーをご入力してしまう)や、330度くらい開いて保持させて画面だけを近くで見ることができる機能(テントモードなどと呼ばれる)がある製品もある。

 当然、この角度の自由度が高いほどいろいろなシーンで使いやすくなると思われる。逆に自由度があまりない(135度でしか固定できない、など)となるとスタンドタイプとあまり変わらない製品と言える。

参考:ラップトップPCの製品だが、動かし方の参考として
https://jp.ext.hp.com/campaign/personal/notebooks/2in1/

(2) キーボードに対してヨコ方向(iPadから見てタテ方向)の回転角度

 戦車の砲塔部分を回転させるように、画面側(iPad側)がヨコに回転する機能がある製品もある。何がいいかというと、360度開いたタブレットモードで使う際に、裏側にキーボードが来ないので持った時にキーを触らなくてよい点がまず挙げられる。キー操作が無効になっている場合でもキーを押してしまうのはなんとなく嫌な感じがする。

 ほかにも、300度くらい開いて画面側を前に出すように使う際(前述のHPの製品紹介サイトで「スタンドモード」と呼ばれている状態)に、キーボード面が下側に来ないので、汚れや傷つきにくくなるのでは、という気もする。

 ただ、製品デザインによると思うが、可動部が多くなることと、画面側を支えるヒンジがこの機能を設けることで小さくなるように思われ、耐久性に不安を感じる。特に安物を買おうと思っているのでこの点は悩ましい。

参考製品
https://www.ebay.com/itm/372786824675

(3) 分離可否

 デタッチャブルタイプと呼ばれるラップトップPCのように、キーボード側と画面側とが分離できるタイプがある。または、iPadだけ容易に取り外せるタイプの製品もある。

 キックスタンドのない製品だと分離した際には自立できず、手持ちでないと使えないという点がネックではある。横回転ができない製品だと手持ちする際にはキーボード面を触ってしまうことが気になるが、分離できるのであればその点の心配はない。

 横回転ができない製品の場合には分離機能の有無も優位なポイントとして見ることができると思う。

6.ポインティングデバイス

 タッチパッドが設置されている製品もいくつかある。そもそもiPadを使うにあたりポインティングデバイスが必要かという疑問はある(純正品にもない)が、一応使い出はあるとは思える。もっとも、私はラップトップPCを使う際にもマウスしか使わないし、使う機会のない機能のためにキーボード面が狭くなって良いのかという疑問がある。

 デスクトップPC用の大きなキーボードであれば、タッチパッド部分の左右がパームレストにもなるという利点はあるが、キーボードカバーの薄いキーボード面では大してパームレストの効果も望めないように思われる。それよりか、タッチパッドがないことでキーボード部分の自由度がある方が良いのではないかと思われる。まああっても無効にしておけば良いのだけれども。

 また、Lenovo ThinkPadで有名なポインティングスティックを備えた製品もあるようだが、選択肢が少ない上に高価なものしか見つけられなかった。ポインティングスティックは好みなのだが残念ながら考慮できない。

 ということで、ポインティングデバイスの有無はあまり気にしないことにする。

7.その他の比較ポイント

 Apple pencilなどを保持しておくためのペンホルダーがついている製品もあるが、私はペンを使わないのでこれはあってもなくても良い。ペンをはめこむ枠がある製品だとペンがないことでちょっと間抜けな見た目になってしまうが。

 またキーボードバックライトを備えた製品もあるが、基本的にブラインドタッチだし、そこまで暗がりでキーを打つこともないと思うので、この機能もなくても私は困らない。

8.実際の商品選び

 ここから実際の商品を見て検討していきたい。といっても、基準がないと比較しにくいので、純正のSmart Keyboardをまずベンチマークとして検討したい。

Apple iPad(第8世代)用Smart Keyboard - 日本語
https://www.apple.com/jp/shop/product/MX3L2J/A/ipad%E7%AC%AC8%E4%B8%96%E4%BB%A3%E7%94%A8smart-keyboard-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E

 公式サイトで18800円。タッチバッドのないコンパクトな設計のカバー付きキーボードで、薄型軽量、接続がSmart Connectorのため、使用時に特段必要な操作がないこと、別途充電が不要なこと(iPad本体から給電?)がウリか。でもちょっと高額すぎるのでこれを買うくらいならChromebookを買いたい。キーボードで中古もどうかと思うし。

以下、まずは保証の問題もあるので、国内大手家電量販店のECサイトで購入可能なモデルから検討していく。

サンワサプライ SANWA SUPPLY SKB-BTIPAD1BK
https://www.yodobashi.com/product/100000001005511436/

 縦回転のみ、画面分離可能、タッチパッドなしのモデル。タッチパッド付きのモデルもあるが少々高いのと連続稼働時間が短い。充電はUSB-Bでちょっと残念。重量は約600グラムで、この手の製品ではやや軽量と思われる。
メーカーサイトに商品ページがあり詳細がある程度わかるところが安心感ある。

 肝心の開き角度についての説明がなく、問い合わせたところ、無段階で調節可能で、任意の角度で固定できるとの回答があった。回答は素早く好感が持てる。ただヨドバシで約6000と少々高め。

10.2インチ iPad(第8/7世代)用 Bluetoothキーボード(日本語版) Brydge 10.2 スペースグレイ BRY80022JP
https://www.biccamera.com/bc/item/8950670/

 こちらもメーカーサイトのある製品(英語のみ)。縦回転のみ180度まで開き可能、分離可能、タッチパッドなし。上のサンワサプライの製品に比べてキーボードのキー部分が縦に広く取られている。バックライトあり。公称で520グラムとのことで軽め。充電はusb-b。

 実はiPad側はクリップで保持するだけなので、iPad本体を保護してはいない上、クリップ部分でiPadを傷つけそうな気もするが、どうだろうか。

 値段はビックカメラでは高いが、Amazonでは数千円台で売っていることもあるようである(これを書いているタイミングでは在庫切れとなっていた)。

 家電量販店ECサイトでは上記2機種以外には有力な自立タイプのキーボードケースは見つからなかった。以下ではAmazon掲載製品を見ていく。

 前書きとして、これはAmazonの問題と思われるが、商品内容と異なる商品のレビューが記載されていることが非常に多い。商品画像が不足している場合にレビュー写真で確かめたいことも少なくないのでこれは困る。見る限り、過去製品のページに新製品を上書きして掲載しているような感じに見える(同じ分析をされている方の下記のサイトも参照)。
https://blog.cbnanashi.net/2019/07/10220
 ここでは多くは論じないが注意しておく。レビューは「新しい順」で並べると現在製品に近いレビューが見られるかもしれない。

タテ360度、ヨコ180度回転可能なモデル

HOTLIFE YLW-1 (B0837V7XKK)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0837V7XKK
 公称 1.02kgということでかなり重い。セールで安い。バックライト付き。タッチパッドなし。とても安いし、ヒンジが一箇所しかなく小さいので耐久性に不安を感じる。

HONOR JAPAN COO モデル名情報なし (B087X5WLC4)
https://www.amazon.co.jp/dp/B087X5WLC4
 こちらも公称 1.02kgとかなり重い。というか見る限り上のHOTLIFEの製品と同じに見える・・・ヒンジが固い、iPadの取り外しがかなり厳しいとのレビューあり。

Unionfly Omnitype キーボードケース (B0888HF7QB)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0888HF7QB
 重量は上の製品と同じ1.02kg、バックライトあり。キーが丸形なのと、タッチパッドがついているところが主な違い。画面側のフレームは二重になっており、iPad+保護ケースの形で取り外すことができるようだ。耐久試験済みとの説明もある。ただタッチパッドはいらないし、どこまで信用できるかわからない(別に中国製品だからということでなく、実物で確かめられないから、ということ)ので、こういった説明に差額3000円弱の価値を感じられるかどうか・・・丸形のキーもあまり好みではない。

morecco ZZWK-10.2 (B0888MQ9JF)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0888MQ9JF
 見た感じ最初のAmazon製品2つと同じ製品のようにも見えるが、公称798グラムとちょっと軽め(それでも重いが)とのこと。本当だとすれば、軽いというのはなんとなくよさそうな気もするが、それだけ自立しにくくなるような気もする。

ヨコ回転なしのモデル

Earto モデル名情報なし (B08WK49RD7)
https://www.amazon.co.jp/dp/B08WK49RD7
 タテ回転135度まで、ヨコ回転なし。公称500グラムなので前述のAmazon製品に比べてかなり軽量。更に安い。しかし完全にクラムシェル型ラップトップPCと同じようにしか使えない。機能が少ないというのは信頼性が高そうといえるかもしれないが。

PEAQX MahsaLink F102B (B08GM5SZ8N)
https://www.amazon.co.jp/dp/B08GM5SZ8N
 Amazonにはレビューがない製品だったが、だからといって信用できないかというとそうとも言い切れないわけで・・・前述のレビュー使いまわし問題もあることだし。
 同じ型番の製品が楽天、Wowmaでも販売されており、そこでは充電端子がmicro USBと記載があるが、AmazonだとUSB-Cと書いており、写真でもType-Cに見える。公称約500グラム、バックライトありだが上述のEarto製品より1000円程度高い。

GreenLaw GL245-235 (B0823MHSH9)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0823MHSH9/?th=1
 開き角度が135度とされている製品で、バックライトあり。上2つと比較すると画面側を取り外せる点がポイント。分離機能は前述のとおり、ヨコ回転ができない製品においては優位なポイントになると思う。ただ少々高価。
 この製品は使っておられる方のnoteを見つけたのでリンクさせていただく。
https://note.com/rydeen/n/n7a8af9d38ac6

以上、記事作成時点での検討内容を記載した。
実際に買ったものは、到着後にレビューとしてまた投稿したい。