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学級担任制と学年担当制

計4校勤めた、公立の中学校の先生を辞めて、2022年4月から、
通信制の大学に通っている かんみ です。

数日前に、隣の県で公立の中学校の先生をしている仲間が、

#脱担任制  」 とSNSに投稿していたので、

今日はわたしなりの考えなどを書いていこうと思います。


・学級担任制 メリットとデメリット

【メリット】

  1. :児童・生徒との関係性が深くなる

  2. :個々の生活と学習の関連づけができるため指導がしやすい

  3. :同じ人が関わるほうがより安心して生活できる(小学生は特に )


【デメリット】

  1. :相性が悪いとお互いツラい(「担任ガチャ」なんて言われる)

  2. :学級王国に陥りやすい

  3. :事務的な仕事量が半端なく増える  もっといっぱいありますが・・・


この『 学級担任制 』は、
ほとんどの小中学校・高等学校でとられているシステムだが、

必ずしもとらなきゃいけないのかというと、実は、そうではないのです。

ただ、昔からの流れのままなのか、

子どもたちの実態・先生たちの働き方改革によって、状況は変化しているのに、未だにこのシステムを続けている学校が多いのが現状です。


< わたしの経験  >

学級担任制しか知らなかったときは、受けもった生徒たちを、

どのクラスよりも良くしたい!楽しいクラスにしたい!
賞状がいっぱいのクラスにしたい!!

自分のクラス以外は、「  」みたいな雰囲気だったように思います。

テストの平均点を他クラスと比べたり、競い合ったり・・・。

仲が悪いわけじゃないけど、担任同士でバチバチだったりwww

あとは、生徒も保護者も、わたしも一人のヒトですから、
合う合わないがどうしてもあるわけで・・・。

担任だから、仕方なしに相談してる雰囲気を感じたり、
こちらも相性が良くないんだよなと思いながら、対応してしまったり。

ただ、生徒との関係は本当に深くなってたと思います。

今も、何かあれば連絡してくれる卒業生もいます。
そういう子は、やっぱり担任してた子です。

だがしかしっ!?

これ、みんなでやれば負担減るよね?の担任業務のあまりの多さよ😭

嫌気がさしてたときに、教えてもらった

『 学年担当制 』


・学年担当制 メリットとデメリット

【メリット】

  1. :生徒に最適な対応ができる

  2. :先生も生徒も保護者も当事者意識が持てる

  3. :先生たちのコミュニケーションが良くなる

  4. :異変を早期発見できる

  5. :若手の先生の育成につながる

【デメリット】

  1. :このシステムが持続可能なものなのか(校長が替われば元に戻すのか)

  2. :慣れるまで多少の時間は必要


最近、少しづつ増えてきている「 学年担当制 」

このシステムが広がるきっかけとなったのが、当時東京都麹町中学校の校長だった工藤 勇一先生(現:横浜創英中高等学校校長)

学級担任制の廃止のほかにも、宿題の廃止、定期テストの廃止など、
さまざまな学校改革を行なってたことで取材を受けていました。

わたしも、先生の本を読みました。

全部は読めてないですが、リーダー育成や保護者としてできることなど
さまざまな本を出されています。

最初に読んだ工藤先生の書籍

< 麹町中学校 >

麹町中学校の全員担任制(学年担任制)は、例えば3年生では8人の先生が学年全体を見る仕組みです。

「学級活動(ホームルーム)」や「道徳」の授業は、2人体制で各クラスへ出向いているそうです。

生徒や保護者が学校に相談ごとがある場合は、学年担当の誰に相談してもかまいません。校長先生に直接でもOK!

三者面談では、保護者と生徒が先生を指名できるようになっています。

いくつかメリットの説明をすると、

1.:子どもたちに最適な対応ができる
チーム医療のように複数の先生で複数のクラスを担任することにより、子どもたちに最適な対応ができるようになります。

例えばいじめ問題なども、最初にまずい対応をしてしまうと、いじめが悪化したり、被害者の子が追い詰められたりといったことがあります。

うまく対応できない先生が一人で抱え込むのではなく、複数の先生で相談して、うまく対応できる先生が対応する、あるいは助言するなどすれば解決に向かうケースも増えると思います。

3.:先生たちのコミュニケーションが良くなる
複数の先生たちで複数のクラスを担任するために、学年ごとに週に1回会議を行い、日常でもコミュニケーションを取り合いながら情報共有を図っているそうです。

日常的なコミュニケーションが増えることは、ほんと大切だと思ってます。

4.:異変を早期発見できる

固定の担任がいないと、子供たちに目が行き届かないのでは?
問題を抱える子に細やかなフォローができないのでは?

問題を抱えている子については学年担当の先生たちで密に情報共有し、
複数の先生の目があるため異変の早期発見はむしろしやすくなっているのだそうです。

こういった点から考えると、学年担当制するメリットは多いようです。


工藤先生だったから、麹町中学校だったからではなく、

公立の中学校であっても、生徒のことを一番に考えるなら改革はできると思っています。

全国に少しづつ、学級担任制を廃止にしている学校は増えています。
わたしの以前の職場も、学年担当制に切り替えました。

先生たちの熱意と 管理職である校長先生の理解と 保護者との対話で何とでもなる。

現在の形の学校は、疲弊しつつあります。

先生や生徒・保護者にとって、
学校が良き教育の現場となるように願うばかりです。



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