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洋上風力、青森・山形でも。国内の風力発電が進んでいない事情とは


洋上風力、青森・山形でも 日経新聞

政府は洋上風力発電を実施する海域として新たに青森・山形の両県沖を追加する。年内にも運営事業者を決める公募を始める。発電能力は両海域で計100万キロワット規模に上り、原子力発電所1基分に相当する。再生可能エネルギーの導入拡大を急ぐ。

日本の再生エネ比率は現在2割ほどに増えたものの、導入は出力が変動しやすい太陽光に偏っている。電力の安定供給の観点で風力を含めた多様化が課題となっていた。

洋上風力のメリット・デメリット

洋上風力発電には、発電に適した風況で、大型の風車の設置もでき、騒音や景観問題が発生しにくいなど、陸上風力発電で起きる多くの問題を解決できるメリットがある。 一方で、陸上よりも多くのコストがかかる点はデメリットである。

日本で風力発電が進まない要因

再生エネの中心は世界では風力発電だが、日本では太陽光発電が主流になっている。
なぜ導入数が増えていかないのか。
その原因は「設備コストの高さ」「稼働実績の乏しさ」「売電シュミレーションの信憑性の低さ」「発電に適した土地の取得」等があげられる。

風力発電が普及しているヨーロッパでは、偏西風が安定的な発電量をもたらすが、日本では安定的な風は海沿いの一部でしか吹かないとされている。風力発電に適した土地が少ないというのが一つ目の要因だ。

二つ目の要因としては、日本では台風が頻発するという点である。台風ほどの強い風が吹く時には、安全の為に風力発電は停止させるのが一般的。台風が頻発するのは、風力発電にとっては好ましくない事と言える。

三つ目は、落雷の危険性だ。台風に伴い日本では落雷被害が多い。仮に風力発電に落雷した場合、ブレードと言われる羽部分の交換は免れない。

騒音や生息動物に影響が出やすいと言われる風力発電では、審査に4年以上かかることも多く、もし行政から追加調査を求められれば、さらに完成は見送られる。調査費の増大や買取価格の引き下げなど、採算見通しが立てづらいのが日本の風力発電拡大を阻害しているのかもしれない。

まとめ

洋上風力発電が国内でも普及の見通しが立ってきたが、その国・土地の特性を活かした再生可能エネルギーの選択が必要だ。日本は太陽光発電が適していると言われるが、先日のニュースで災害リスクの高い地域へのパネル設置や頻発した無許可開発、地方自治体の慢性的な人手不足による監視体制の脆弱化が話題にあった。
再生エネの発展は必要不可欠である。しかし、設置を急いだ結果、環境破壊になり管理もできないのであれば元も子もない。
設置前に、自然災害を想定した設置案費用対効果管理体制の構築が持続可能な開発なのではないだろうか。政府・自治体の対応が求められる。



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