おばあちゃん

私のおばあちゃんは去年亡くなりました
とても優しいおばあちゃんでした
子供のころ毎年夏休みに
おばあちゃんの家に泊まりました
電車やバスに乗せてくれ
映画やプラネタリウムに連れて行ってくれました
寝る前お腹が痛くなる事が多かった私は
おばあちゃんにお腹を摩ってもらっていました
おばあちゃんの手は温かく優しい
「南無妙法蓮華経」と言いながら
治れ治れと思いを込めて摩ってくれました

私が大人になると
おばあちゃんは認知症になり施設に入りました
初めは母親と一緒にお見舞いに行っていました
おばあちゃんは私の身体を心配して
手紙をくれました
私は手紙を読みましたが返事はしませんでした
社会人になったばかりの私は
自分のことが最優先で
お見舞いに行こう、と母に誘われても
特に理由もないのに断っていました

数年ぶりにおばあちゃんに会いました
私の名前を忘れていました
会話もまともにできなくなっていました

しばらくして
おばあちゃんは自分で起き上がることも
できなくなり寝たきりになりました

私はまだ自分に精一杯で
母も私をお見舞いに誘わなくなりました

ある日、
おばあちゃんがそろそろ危ないかもと
母から告げられ
私は慌ててお見舞いに行きました

コロナ禍でありガラス越しの面会でした
看護師さんがおばあちゃんの身体を傾けて
私に顔を見せてくれました
「お孫さん来てくれたよ、よかったね」と祖母に
「目みてるから、わかってるんだろうね」と看護師さんが私に言いました
私はホントにわかってるの？と疑問に感じながらも
ガラス越しに「ばあちゃん」と何度も呼びました

2日後、おばあちゃんは天国に行きました

私は自分を最低だと思いました
なんでおばあちゃんが話せるうちに
話さなかったんたろう
手紙の返事をしなかったんだろ
会いに行かなかったんだろ、、、

おばあちゃんは誰にでも優しい人でした
昔、旦那さんが何処かに行ってしまい
たった1人で子供3人育てた強い人でした
仕事を掛け持ちする働き者でした
心配性でもありました

こうして振り返ると
私の性格はおばあちゃんに似ているかもと思います
以前、知り合いがおばあちゃんを見て
私にそっくりだと言いました
今まで自分は父親似だと思っていましたが
最後におばあちゃんの寝顔を見た時
そっくりだ、、、と思いました

私もおばあちゃんみたいに
強くて優しい人になれるでしょうか
挫けて泣きそうになる事が多いけど

ばあちゃん

会いたいな