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受動的に自己を開く12

11/20
12時半基町着。

今日は、コアの前で作業しようと思っている。明日は15時までで展示が終わり搬出が始まってしまうため、1日作業や対話ができるのは今日までだからだ。それに、ライターをくれた中国の方や、お手伝いしてくれていた方々など、何人かにお礼に焼き物を差し上げたいと思っているから、自分でもいくつか器をつくっておきたいというのもある。

会場の外に置いてある机を作業台にして、ショッピングセンターの通路で陶芸をやろうと思う。そういえば、ここに来て最初はどこで作業して良いのか分からなかったため、使用許可などについて心配していたのだが、なんの確認もなしに作業を始めてしまったな。フライヤー置き場になっている机の上を片付けて養生し、作業場をつくった。今日は、作業着も持ってきたから、何かつくってるのかしら?という雰囲気は出るかも。

今やっている陶芸は、玉づくりという方法でやっている。団子状にまるめ真ん中を親指で潰し、それから少しずつ広げていく。形にこだわらなければ、数分でできてしまう。半乾きにしてから、カッターや尖った棒などで、形を整えたり、高台をつけたり、柄を書いたりもしている。半乾きになってから加工するところがけっこう面白いのだが、半乾きになるまでには数時間はかかるので、参加者の中でこの工程をした人はまだいない。明日また来るよと言ってくれたおばちゃんは、その作業をしたいみたいで来てくれるそうだ。うれしい。

作家のTさんが展示に来られ、お好み焼き屋のおでんを差し入れしてくれた。受付をしてくれているIさんと一緒に頂く。たいへん美味しい。前にお好み焼き屋に行ったときに気になっていたおでんだ。お好み焼きを焼く鉄板の上に銀色の鍋が置かれていて、そこでおでんをつくっている。いったいどれだけ煮込まれているんだろうかという色をしていた。しみしみのおでん。おでんを食べていると、いつものカフェのママがコーヒーを差し入れしてくれた。なんだか今日は差し入れをたくさんもらっている!

小学生一年生くらいに見える男の子と女の子が遠くで見ていたから、手を振ってみたら、手を振り返してくれた。「やってみる?」と聞くと、「やってみる」と言って走って近寄って来る。カマキリを捕まえてきたらしく、網と虫かごを持っていた。「これ何?」「土粘土だよ」「土みたい」「土じゃもん」というやり取りがあった後、玉づくりの手順で一緒につくっていく。焼き物のサンプルを見せると、「え?こうなるん?」「火で固まるってこと?」「ガラスみたいになるの?」と驚いた様子。なんだか、期待通りの反応で楽しい。作業しながら、カマキリはどこで採ったのか聞いてみる。「猫村の上!」「え?猫村って上にあるじゃん(猫村はショッピングセンターの2階部分にある)。猫村の上ってどこ?」「猫村の向こう!」僕はどこのことだか全然分からなかったが、猫村のことは気になっていたのでもう少し聞いてみた。「猫がたくさんいるから猫村なんでしょ?猫はどこにいるの?」「でも今はおらん。何匹かはおるよ。」猫がたくさんいたら良いなと思っていたから、少し僕は残念な気持ちに。帰り際に、男の子のほうが「土粘土ってすごいねえ」と可愛らしく言っていた。何やら深い感じのコメントを残し、カマキリと一緒に帰っていった。

展示を閉めた後、少しだけいつもの商店による。土曜だけのバーを17時からやると聞いていたので来てみたが、今日は19時からとのこと。残念。どうやらスポーツバーのようなことをやりたいらしく、店主はプロジェクターでサッカー中継を流していた。「今日はサンフレッチェが1対0で負けたんよ。今終わったんよ。」と残念そうにしている。店を出て店主の方を振り返ってみると、今日は二胡を一人で練習していたようだ。サッカー中継を見ながら音を出していた。

Oさんと合流。基町で夕ご飯を食べる。
帰宅。

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