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新しい家族と、コロナ禍ニューヨークでの妊娠

この冬、新しい家族を迎える予定です。

素晴らしい家族、友人、ご近所さんのコミュニティの中に産まれてくる予定の我が子は幸せ者です。ニューヨーク村の新しいメンバー、どうぞ温かく迎えていただければ幸いです 。

まだまだ危機的な状況が続いていますので、通院はバーチャル検診などを駆使しながら、付き添いの者はギリギリまで待合室の外で待機するなど、普段とは勝手が違うことも多いです。妊娠管理アプリが無邪気に勧めてくれるマタ旅(*1) やベビーシャワーは、今のわたしには非現実的すぎてパラレルワールドの話に感じられる。。。この過酷な時期に、適切なケアを受けさせてくれる医療関係者の方々には本当に頭が下がります。 

正直、人間をたった一人つくり出すだけでもこんなに大変なのに、自分が住む街だけで多い時には1日に800人近くの人が亡くなり続けた事実を、未だにどう受け止めたらよいのかわかりません。誰かに感染させないよう、自分が感染しないように、引き続き気をつけながら過ごしていきたいです。

妊娠中は「赤ちゃん=異物」とみなさないように、身体の免疫が下がる仕組みになっているそうです。よって、コロナ禍において私たちは、いわゆるハイリスクグループ。万が一感染したら重症化しやすく、治療薬と期待されている薬も使えない恐れがあります。ただ、新型ウイルスが妊娠中の女性や胎児に及ぼす影響は、現時点ではわかっていないことが多いそうです。

できることは少ないですが、参考までに私が被験者として参加している、または適任でなかったので登録だけした研究を、いくつかご紹介します。もしご興味のある方がいらしたら、詳細をチェックしてみてください。特に、妊娠初期の研究はまだまだ足りていないそうです。他にも、各地でいろいろな研究がなされているかと思います。

UCSF ASPIRE Study
• 妊娠10週未満の女性が対象。

MotherToBaby Pregnancy Studies (coordinating center at UCSD) 
• 現在の妊娠、または最近の妊娠において、COVID-19と診断された、またはその感染者と接触した女性が対象。

Woman's Hospital Research Center "Pregnant during COVID-19" Study
• 世界中で妊娠中の全ての女性が対象。

(他に、健診で通院している産科から紹介してもらった研究にも参加しています。他の病院もやっているかもしれないので、ご興味がある方は担当医に聞いてみるとよいかもしれません。)

ここ数年で、命が宿ること、妊娠が継続することが、決して当たり前ではないことを身をもって学びました。何も心配せずに出産までたどり着ける人々がたくさんいる一方で、どれほどの数の人たちが、何らかの辛い体験をして涙を流しているのかを知りました。

子を望むすべての人の努力がどんな形であれ報われますようにと、現在妊娠中の方々が、健康かつ少しでも不安やストレスが少ない中で無事に出産までたどり着けますようにと、心から祈っています。

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(↑少しずつエネルギーを取り戻してきたニューヨーク、先月末に屋内飲食も可能になりました。屋外飲食も継続中で、週末は歩行者天国があちこちに出現、ちょっとした文化祭状態です。)

P.S. 3月17日、ASRM (アメリカ生殖医学会)が感染対策のために出した決定によって、アメリカ中のクリニックが高度生殖医療をはじめとする様々な不妊治療を中断・延期する方針を発表しました。私たちはこの時ちょうど市内の病院で体外受精を行う予定でしたが、他の不妊症、不育症 (*2) の治療中だった患者さんたち同様、中断を決めました。その後に妊娠し、継続していることで治療の再開はしていませんが、ニューヨーク市内で受けた不妊治療について、調べていて良かったこと、逆に知らなくて後悔したこと、学んだことなど、また別の投稿でまとめたいと思っています。

(*1) 妊娠中にする旅行を、英語ではベビームーンという。ハネムーンの親戚でしょうか。
(*2) 何らかの理由で子宮内で胎児が育たず、流産を繰り返す病気


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