見出し画像

「つまらないを面白く」場づくり、ワークショップに可能性を感じたキッカケとこれから

「あー、楽しかった!!!」そう思えた日。

どんなシーンでどんな感情になっていたか、自分と周りはどんな表情だったか。鮮明に思い出せる記憶って、なかなか無い。

プロポーズを受けた日とか、人生の節目はもちろん覚えているとして。私の中でハッキリと思い出せる記憶の中には、「学びの風景」 がいくつか含まれている。

「子どもみたいに没頭していたあの時間、すごく楽しかった…幸せだな」という感じ。

そして私にとっては、『PLAYFUL LEARNING』(プレイフルラーニング)の著者である上田信行先生のワークショップ体験と「プレイフル」という概念が強く影響している。

このnoteでは、私とワークショップ、「プレイフル」との出会いの原体験と2024年2月~5月に参加した「PLAYFUL LEADERS」での体験を書こうと思う。

PLAYFUL LEADERS最終日の写真

「プレイフル」という概念との出会い

人生で初めてワークショップを受けたのはいつか?

それは記憶がないのだけど、「ワークショップ=参加型、対話的な学びの場…いいな!」と明確に興奮した日のは、大学生のとき。

大学の図書館で『PLAYFUL LEARNING』という上田信行先生の本を手にとった。

大学生のころの私は、英米学科で英語教育を学んでいた。でも、文法を教えたいわけじゃない。学びって楽しい!を伝えたい…そんなことを思って色んな教育法の本を探していたときだった。

上田先生がセサミストリートの制作現場に触れて「学びって楽しくていいんだ!」とひらめいた体験談を読んだとき、自分と重なる部分を感じた。

私は小学4年生からECCジュニアで英語を習っていた。
歌やゲーム、体を動かしながら英語に触れ、夢中になって英語を吸収した。一方で、中学での英語の授業では机に向かってばかり。周りに英語が苦手な友達が増えて悲しかった。

同じ内容でも「どうやってその題材を扱うか?」という工夫で、こうも体験が違うのか…と悔しかった。振り返ると、中学生にして「学習環境デザイン」の本質に問いを持ち始めていたと思う。

「つまらないを面白くしたい」そんなふうに教育の可能性を探っていた大学生の自分は上田先生の『PLAYFUL LEARNING』を読んで

「そうか、私が教育に求めていたのは "プレイフル"という考えだったんだ!」と腹落ちした。

本気で物事に取り組んでいる時のワクワク・ドキドキする心の状態=PLAYFUL

『PLAYFUL LEARNING』

受け身とか、「やらされ」じゃない。本気で取り組んで、時間を忘れて没頭する、子どもの遊び心のような純粋な姿勢から学びは生まれる。そしてそれは、ツールや環境次第で作れるものだということ。

プレイフルっていいな。興奮した私は上田先生をFacebookで検索し、連絡した。(なんのツテもないのによく思い切ったな私。THE若気の至り、 すごい)

2016年、上田先生のワークショップに参加

上田先生のご厚意で、奈良県の吉野にあるネオミュージアムで開催される上田先生&先生のゼミ生プレゼンツのワークショップPOF( Party of the Future)に参加できることになった。

現在2024年で、当時2016…。もう8年前のことになるけど、とにかく色々と衝撃的で、ただただ楽しかったという鮮明な記憶がある。

ネオミュージアムの中は、吹き抜けの構造
ピアノのそばでマイクを持っているのが上田先生
Party of the Future!毎年ネオミュージアムで開催。このときは一泊二日。
初めましての人たちをいくつかのグループに分け、
次の日に他グループの人たちを楽しませる企画を1日目に考え準備する。
みんなで用意したカフェスペース。
レゴのこんな使い方、知らなかった!
年齢も職業もバラバラの参加者。知らない人同士だけど、
一緒になにかをつくる過程でスッと仲間になれた。
凍ったフルーツに三ツ矢サイダーを入れるだけで、楽しい気分になれるドリンクの完成。
知らない人と盛り上がれたのも、このサイダーのおかげだったのかも…。些細な仕掛けに感動。

みんなで、みんなの居場所をつくる。
作って、語って、振り返るというワークショップのプロセス。
受け身ではなく主体的、それを超えた先のドキドキワクワ、没頭と熱狂…。

誰かに指示されるわけではなく、各自が考え、本気になり、得意を活かす。
知らない人と繋がる、違いを楽しむ…。

参加型・双方向のワークショップっていいなと心から可能性を感じた。

私がこう感じられたのは、裏側にある「場づくり」への仕掛けがふんだんにされていたからこそだと今は思うのだけど、2016年の私はまだ場を"つくる側"になっておらず「いいな!」止まりだった。

2022年、場づくりをする実践者になって気づいたこと

2016年にPOFに参加した私。

しかし結局それからミャンマーへ行き貧困問題に対する自分の無力さを感じたことで「ソーシャルビジネス」「マーケティング」の分野へと進み、2019年に社会人になってから数年間、ワークショップや教育という分野と私は離れていた。

転機は、2022年のTAMへの転職。

HR(採用広報、社内のキャリア相談役)として社内外で交流の場を作るため、ワークショップを主催するようになる。

マーケティングへの興味はまだあるし、新卒入社したデジタルマーケティングの企業での経験は決して無駄じゃなかったと思う。でも、職種を変えたことにより、自分の元から好きな分野に帰ってきたような感覚で、未経験ながらに社内研修やイベントづくりを楽しんでいた。

ただ何回か主催するうちに、「ワークショップや場づくりって自己流でやってるけど…。う~ん、どう学べばいいんだ?」という疑問が沸いた。書籍はある程度あるし、青学のWSDのような講座もある。

「でも、日常的に気軽に誰かに相談できたら、もっと良いワークショップが作れるのかな?仲間が欲しいな…」なんて、ふつふつ思い始めた。

そんなとき、ワークショップ・場づくりの実践者であるもっくんのFacebookの投稿が目に入る。奇跡的な偶然で、2016年のPOFで繋がっていたうちの1人…。

もっくんが主催するイベントに参加し、久しぶりの再会を果たした。

久しぶりの再会は年始ワークショップ

2024年、「PLAYFUL LEADERS」に参加

場づくりの実践者であるもっくんを心の中で「師匠」と呼び始め、不定期で会うようになって何回目かのとき、もっくんが目を輝かせて言ってくれた。

「まほさん…ちょうど、場づくりやプレイフルの実践をするコミュニティを作ろうと思っていてね!!」

とっても嬉しくて「おおお、めっちゃいいですね!私、絶対に申し込みます!」と即答した。

そして始まった、2月からの「PLAYFUL LEADERS」第0期。

2週に一度の頻度で集まる全7回の対面のワークと、オンライン上でのグループワーク。

車座でチェックイン
今の気持ちを書き込むキューブも、ツールの一つ
チームでコラージュワーク
つくって、語って、振り返る。

14人の年齢も職業もバラバラの大人が、「プレイフルってなんだ?」「自分の普段の職場や生活に、どうしたらワークショップ的な仕掛けを取り入れられるか?」などを語ったし、理論だけじゃなくて実験的に新しいワークを作ってみることもした。

主宰の、てっちゃん(左)&もっくん(右)。
ファシリテーターだけど2人も入り込んで楽しんでいる姿が本当に好き

そして5月12日、3か月の最終日は上田先生による対面ワークショップ。もっくん&てっちゃんの粋なサプライズに全員びっくり!

前列の左から2番目が上田先生

「PLAYFUL LEADERS」での学びを経て

3か月のプログラムが終わった後もコミュニティで読書会をしたり、「学びを活かして実践してみたよ!」という報告をするなど、ゆるく仲間と繋がっている。

Discordで「やってみたよ」の掲示板に私も投稿
学んだことを職場でやってみたみたときの写真
扱う題材は同じでも手法を変えただけで満足度アップ!
ワークショップデザインの手ごたえを感じた

結局3か月でなにを学んだのか?というと、コンセプト設計やツールの使い方、1人ではなく皆で物事を決めるときのスタンス、ファシリテーターとしての心意気…などなど、濃すぎて多すぎて列挙しきれないほど。

でもそんな中で強く心に残ったのは

「いいなと思ったものは、100回繰り返し実践したら良いよ!」という、最終日の上田先生の些細なひと言。

ワークショップの神様である上田先生だって、最初から素晴らしい場が作れたわけではないのかな、やっぱり何事も努力なのかなと思った。

それと同時に、「100回ぜんぶ同じことなんてない、絶対に毎回アレンジをしているはずで、それこそまず場をつくる側が場づくり自体にワクワクドキドキ、遊び心を持っていないとできないよな」と思った。

まだまだ、プレイフルにやれることがたくさんある、そして今の私にはそれを面白がれる仲間がいる。

なんて無敵なんだ、幸せなんだ。

DAY6のワークで作ったシート。
仲間につけてもらった自分のキャッチコピー、とても気に入っている

わたしのこれから

PLAYFUL LEADERSでは毎回の対面ワークの最後に「学びの収穫カード」を書いていた。

そしてプログラム最終日、自分の最も大切にしたい気づきを1つ選んで、裏に上田先生のサインを書いてもらう時間があった。部屋に飾っている、大事な宝物。

私はこのPLAYFUL LEADERSで、ワークショップのいろはを学んだのだけど、それ以上に主宰のもっくん&てっちゃん、受講生の仲間から沢山のサプライズギフトをもらった。

「学びの収穫カード」のような物質的なギフトもあるけど、みんなからの率直な意見だったりコメントだったり、目に見えないけど大事にしたい「ギフト」も沢山もらった。

「どうしたら、もっと良い時間になるか?」「どうしたら、参加者の熱量をみんなで上げられるか?」というワークショップデザイナーの発想・工夫は、結局は目の前の人への想像力、サプライズ、おもてなし精神にあると学んだ。

それは受け取ると本当に嬉しいことだし、自分もやっていきたい。

そうして出来上がった場で、新しい人と人との繋がりや「学びってつまらないと思ってたけど、やり方次第ですごく楽しいね!」なんていう気づき、鮮明に思い出せるような記憶を生める人になれたらいいな。

そんな自分のこれからに、ワクワクドキドキしている。


プレイフルリーダーズ(PLAYFUL LEADERS)が少しでも気になった方はこちらへ

熱狂を共につくることを探求するコミュニティ。

全7回の対面のワークと、オンライン上でのグループワークを通じて、参加者、そして自分自身が熱狂しPLAYFULな場にしていく、そんな場を作るための理論と実践の機会を学ぶプログラム。

次回2024年9月から始まるプログラムの受講生を募集中です。

わたしも0期生としてコミュニティに関わり続けたいと思っています!

最後まで読んでいただきありがとうございました。では、また。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?