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結婚なんてするもんか

「自立した大人になる」

これは10代の頃から持ち続けていた自分の目標。私が起こすあらゆる行動の軸となり、私の芯の部分には常にこの思いがあった。

結婚なんてするつもりはない。子供も好きじゃないし、産む気もさらさらない。経済的にも精神的にも、誰かに依存した生活を送るのが嫌だった。誰にも頼らず、とにかく自力で立っていられる女になりたかったのだ。

そんな自分の軸がブレたのを感じたのは22歳のときだった。母がクモ膜下出血で倒れた。

母は術後も1ヶ月以上目を覚まさず、複数回の手術の末に要介護4の認定を受けた。目を覚ましてからも1年近く入院し、退院後もリハビリは続いた。
単身赴任していた父はリモートワークの頻度を増やし、単身赴任先と自宅と病院を頻繁に行き来する生活に。

過疎化が進む田舎にある私の実家は、母が入院した総合病院から離れた場所にある。目を覚さなかった間は毎日病院に通っていたので、特にエネルギーを消耗したはずだ。

私も数週間実家に帰って、近くでその様子を見ていて感じた。

「結婚は、タイミングがあればしたほうがいいのかも」

もし倒れたのが自分だったら。
配偶者もいない、子供もいない。そんな状況で要介護認定され仕事にも行けなくなって、私はそれでもリハビリ頑張ろうとか前向きなこと言っていられる?何をモチベーションに日々を過ごすんだろう。

何より、目を覚まさない母の病室で毎日手を握る父の姿。自分が倒れたとき、こんな風に祈ってくれる人がいたらどんなに嬉しいか。

もし今旦那が倒れたら私もあの時の父のように毎日病院に通って手を握る。毎日話しかけて祈る。

結婚って悪くないな。
些細な日常を共有するのはもちろん、「気を付けてね」「大丈夫かな」って心配して気にかける相手がいる生活も悪くない。

「支え合って暮らす」のと「相手に依存した生活を送る」のは全く別物で、「結婚」と「自立」は共存できると思えたし。

今の私の目標は「常に自立し続ける」。

そして今日は付き合って6年目の記念日。
必ずしも結婚=幸せではないけれど、少なくとも私にとっては幸せ。
7年目も良き戦友として親として夫婦として恋人として、楽しく過ごしたいな。

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