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忘れないように

3月31日。

2年前の学生最後の日、
1年前の社会人1年目の終わり、
大人になってから、
今日という日を大切にしている。

家族

母の誕生日、関東にいる妹と母とホテルステイをすることになっていた。

何かサプライズをしようと決めて、
思い返してみると、
親の誕生日を祝った記憶は、
小学校くらいで止まっていて、
時の流れの早さに唖然とした。

母はドライなところがあって、
何をしたら喜んでくれるか難しかったけど、
いい誕生日になっていたら良いなと思う。

これから先もこうやって、
家族の繋がりは大事にしていきたいけど、
悩みの種がひとつ増えてしまった。

実家にいた父が東北に転勤になって、
飼っている愛犬も一緒に行くことになった。

この部分だけ切り取れば、
大した出来事ではないのかもしれない。

でも私の家族には色んな問題があって、
この出来事も誰かを苦しめる要因になっている。

母と祖母は、祖父が亡くなってから仲が悪くなったようで、些細なことでも大喧嘩をしていた。

リビングで喧嘩が始まると、
怖くて何が何だか分からなくて、
2階の自分の部屋に妹と逃げ込むのがいつもの流れだった。

中学に入って、自分の頭で色々と考えられるようになってからは、2人の喧嘩を聞いて、おかしいと思うところは指摘するようにした。

でも、その立ち回りをしてしまったせいで、
私は今でも2人の仲介役になってしまった。

最近では実家で持っている田んぼの権利を手放すかどうかという、あまりにも私には理解が難しい話を祖母から受け、それを母に伝達して、その返答を祖母にまた伝えることもあった。

「直接やってよ」
その一言に尽きることがたくさん起こるのが、
私の家族だ。

父の転勤話も私は割と最近になって聞いたが、
実家に残される祖母からすると、
そう会話は多くないとはいえ、
一緒に住んでいた人が遠くに行ってしまうのはとても寂しいことで。

休みをとって1週間帰省をして、
私が東京に戻った2日後に父は出発した。

その日の夕方、祖母から着信が入った。
泣きながら「みんな行ってしまった」と言ったその声に、何でこんなにも私の家族には嫌なことばかり起きるのかと頭を抱えた。

私はやりたいようにやらせてもらって、
中学から私立の学校に通って、
大学時代は高い家賃を払ってもらって、
良い生活を送っていたけど、
その「選択」のせいで、
家族がバラバラになったのか?
なんてよく分からないことを考えてしまった。

私が生まれる5年以上前に亡くなった祖父が、
もし今も元気でいてくれたら、
祖母は色んなことに悩まずに済んだのかな?

家族全員が幸せだという家族が、
この世にどれだけあるか分からないけど、
その一部になってみたかった。

3月22日、
妹が受けた国家試験の合格発表があった。

前の日から不安そうで口数も減っていたけど、
無事に合格して、みんな喜んで、
その瞬間は家族が繋がった感覚があった。

離れ離れだけど、
バラバラじゃないのかもしれない。

いつかまた、
みんなで笑える日が来たら幸せだな。

仕事

新卒で入った会社を辞めた。

たったの2年だったけど、貴重で濃い2年だった。

2年前、学生最後の日、
「社会」が怖くて、不安でいっぱいだった。

でも幸運なことに、
温かくて面白い人たちに囲まれ、
たくさん悩んだ2年だったけど、
最後は笑って去ることができた。

人生は何が起こるか分からない。

出張で島に行って順番にお風呂に入ったり、
友だちの父親と名刺交換をしたり、、

人生は何が起きても自分次第だと思う。

希望の部署には配属されなかったけど、
想像していなかった仕事を任されたけど、
今となっては全て必要なものだったと思うから。

嫌だったことも、面白かったことも、
嬉しかった時しんどかった時の気持ちも、
全部忘れないようにしよう。

でも、私がそれよりも忘れたくないのは、
「もっとできたはず」
という気持ちが残ってしまったこと。

最終週、何かできることはないか考えながら、
私はここに何か残せたのだろうか、と思った。

貴重な経験と、温かい言葉をもらってばかりで、
目の前のことをこなすだけだった自分がちっぽけに見えた。

全部を完璧にはできないと思うけど、
これから先は「+α」を起こせる人になりたい。

この2年で出会った全ての人への感謝と、
知った自分の強さと弱さを忘れず、
次の場所でも、
変わらず私らしく真面目にやっていこう。

将来

3月は家族と仕事の、
これからのことをたくさん考えた。

考え過ぎて、
社会人1年目の6月以来の知恵熱が出た。

学生の頃と比べて社会人になってから、
何かを変えようとすると周りにも影響が出るようになったし、「選択」に大きな責任が伴うようになったように思う。

転職することを決めてからの3ヶ月間、
私にとって最後の瞬間がたくさんあった。

何度も行った場所、お世話になった人たち、
これが最後になると口にできないモヤモヤを抱えながら、心の中で「ありがとう」を伝える。

いつも同じことでも、
最後になると全てが輝いて見えて、
ここを離れる「選択」は、
本当に正しいのか何度も考えた。

でも、自分の将来のために、
そして温かく背中を押してくれた人たちのためにも、この「選択」に自信を持ちたい。

最後の送別会が終わって、駅に向かう。
笑って終われて良かったなあと思いながら、
いつもの道がとても綺麗に見えて、
電車の時間まで散歩をした。

一気に色んなことがフラッシュバックして、
目に涙が溜まった。

やるぞと意気込む日に聞いていた歌を聴きながら
風景を見渡して、「よし頑張ろう」と思った。

4月、気持ちを新たに、
精一杯生きよう。


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