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双極性障害の方に特化したサービスをつくるには 〜はじめの一歩〜

〜35歳(2018年4月27日)〜

私の所属する会社では数ヶ月に1度、全社員があつまって会議を行います。
今回、会社の代表から急遽「松浦さんが個人でやっている双極の取り組みを発表してみては?」と提案を受け、スキマ時間を見つけて発表資料を作成。

今回の社内発表を期に、私の新しい「自分らしい働き方」のチャレンジがはじまる予感があり、
発表資料公開noteを「双極性障害の勤めびと。たどり着いた自分らしい働き方」の第2章の第1回として、今後も不定期に更新をしていきます。

(ここに載せるだけでもスライド15枚。スキマ時間で作ったとはいえ、好きなことをまとめると、勝手にボリュームが増えますね 汗)

そもそものキッカケ。私が双極性障害について個人で活動しようと思ったのは、会社の代表である伊藤さんとの2人で食事に行った時。

私は2016年末まで2年間新規事業を目指したプロジェクトを担当。「収益化が見込めない」という結論に達し、プロジェクトは終了。
その後、大うつ期が来て身の危険を感じ、5年ぶりにメンタルクリニック受診再開。その後も子供の保育園入園に合わせて定時帰宅をする中で、前のように業務時間外で新しい取り組みをする余裕もなく、退職をするかどうかまで追い詰められていました。

そんな時、代表の伊藤さんから

「双極性障害(躁うつ病)の当事者としての松浦さんを、もっと発信したらいいんじゃない?失敗だと考えてる経験も全て価値になるよ。」

※ちなみに、私の双極性障害の過去14年間の物語はnoteのマガジン「双極性障害の勤めびと。たどり着いた自分らしい働き方」にまとめています。もしよければご覧下さい。

その言葉を受け、自分の胸の内に秘めていたやりたいことを、会社から後押ししてもらえたと思え、業務時間外でやれることをやってみようと決意しました。

まずはじめにやったことは3つでした。

1.顔出し実名でTwitter運用

うつ病に関わるニュースを発信するだけで運用していたTwitterアカウントを切り替え、実名で運用をリスタート。アイコンも顔を出す形として、フォロワーの人に少しでも信用してもらえたらと思い、実施しました。

2.14年の双極個人史をまとめたブログ開始

双極性障害の勤めびと。たどり着いた自分らしい働き方
私がnoteをはじめるキッカケとなったのはジェットコースターのような私の双極性障害と仕事に関する本当のところを公開して、少しでも双極の実際を伝えられればと思い、実施しました。

3.双極の対談イベント登壇

今もコラム連載をさせていただいている、こころの相談メディア「リミー」さん主催のメンタルヘルスに関する対談イベントに、登壇者としてよんで頂きました。

最初は思いつきで始めた双極性障害に関する取り組み。

でも、やっていくなかで、私の仕事と結びついて行きました。

現在、私は「うつ・双極性障害など精神疾患の方で離職・休職している方の社会復帰を支援」を仕事としています。

(今の仕事、事業を双極性障害の方に特化すると、提供するプログラムや支援、また働き方の提案も変わってくるのではないか?)

その仮説を検証、証明したいと思いはじめました。

でも、事業は「やりたいです」といって始められるものではありません。その具体的なニーズであったり、そもそも使いたいと思う対象の方がいるのかも分からない。

であるなら、私自身を広告塔として双極性障害×はたらくをテーマに発信をしたり、場を作ることで可能性を探っていこうと思いました。

私の所属する会社「リヴァ

その企業ビジョンは「自分らしく生きるためのインフラをつくる」

メイン事業としている「うつ・双極性障害など精神疾患の方で離職・休職している方の社会復帰を支援」も、ただ会社に戻ればいいというスタンスではなく、利用者の方一人ひとりの自分らしいを共に探していくスタンスで関わっています。

私はこのビジョンと自分のやりたいことを照らし合わせた時、

「双極性障害の方が自分らしく生きるためのインフラをつくる」

を本気で取り組んでいきたいと思いました。
それは同時に、私個人の活動が、会社の目指す方向と合致していることを意味します。

現在の活動、1つ目はブログ。

先程から何度か出てきている、私の双極性障害の14年間の個人史を主にまとめたnoteは、16,484PV(18/4/27時点)。

また、日によって変動はしますが、「双極性障害 働き方」で検索すると1位,2位に私のnoteが表示されるまで、の所までになってきています。

2017年12月に顔出し実名に変更した時点ではフォロワーさんは2,300名でした。

そこから約5ヶ月で、フォロワーさんは3,932名(18/4/27時点)
日々、リアクションをいただけて本当にありがたい存在です。

対談イベントをさせていただいたリミーさん。
私から提案をさせていただき、「双極性障害×仕事」をテーマとした月2回のコラム連載を4月からスタートさせて頂きました。

「なんか生きづらい」ひとの「なかなか知らない」リアルを切り取ったWEBマガジン プラス・ハンディキャップさん。
リヴァの広報としてお話をさせていただく中で、私個人の当事者としての切り口を面白がっていただき、掲載記事は私の双極性障害の付き合い方が主な記事構成になりそうです。ゴールデンウィーク明けに掲載予定。

自社のメディアであるリヴァマガ
今まで松浦個人では関わってませんでしたが、自社のメディアだからこそできる企画があるのではと思い、また会社側からもオファーをもらったので、5月から月1回で記事投稿予定です。

双極性障害×はたらく について、リアルな場でゆるりと対話するという企画の「双極トーク」。

今まで2回実施し、新規で合計15名の方に参加いただいています。ほぼ全てTwitterのみの告知で集まって頂きました。

5月以降も月1回で実施を予定しており、当初10名枠としていましたが、キャンセル率の低さと、8名が最適人数なのではないかと個人的に感じているため、新規の方は8名。また、1度参加している方であれば2グループでも実施可能だろうと判断し14名、という体制で当面実施をしていきます。

これは、Twitterでリアル双極トーク実施を告知する中で聞いた声から思いついたもの。

「東京は遠くて行けない」
「情報は東京に集中している。地方には情報が来ない」

私自身、島根県生まれで地方の辛さを味わった身としては、どうにか関東以外で双極トークを実施できる方法はないかなと思いました。

今はWeb技術も発達し、ZoomというWeb会議システムを使えば、オンラインで双極トークの実現が可能そうだとわかってきたため、6月にテスト的にオンラインでの対面企画を行っていきます。

双極トークというハッシュタグをTwitter上で使い、このタグをたどると「双極性障害×はたらく」に関する情報に触られるようにしてみたら面白いのではないか。

そんな思いつきで行っています。多くの方がこのタグを活用し、情報を発信していただいています。

シブヤ大学という、教室はシブヤの街全体で、受講者が先生にもなれるという取り組みがあります。

過去、私の知り合いの方が精神疾患に関する授業をシブヤ大学でやっているのを見つけ、ダメ元で双極性障害に関する授業を提案したところスタッフの方に興味をもっていただけました。
まだ企画段階ではありますが、シブヤ大学で授業をできる日が来るかも?

双極性障害の方に特化したセンターを作るということは、提供するプログラムも検討が必要。

実際、今の現場でも双極性障害の方にもっと出来ることがあるのではと個人的に思っていたので、同僚と共にプログラム構成などを考え会社に提案。
無事、承認されたため、6月から現利用者の方で双極性障害の方に向けてプログラムをテスト実施予定です。

精神障害者の社会参加や自立に向けて一生懸命に取り組む個人やグループの活動を支援する「精神障害者自立支援活動賞(通称:リリー賞)

昨年、12月、これから活動をはじめるぞ、という中で見つけてエントリーし、あえなく落選。

それは当たり前の話で、ちゃんと当事者活動に長年取り組み、実績を積み上げた方が受賞するものなので、私もこの活動を続け、いつか選ばれたらいいなという気持ちで来年もエントリーしてみたいと思います。

私は今の会社に救われました。

元々双極性障害の対処も何もしていなかった頃、今の会社のサービスを紹介され利用。人生ではじめて双極性障害の対処をして「病気とうまく付き合って働けるかも知れない」と希望を見いだせた。

元利用者という立場で職員となり、2年以上働いた事ない私が今7年目の勤務を、休職を一回もすることなく行えている。

一人の社会人として生活でき、家庭も持つことが出来ている。

会社への恩返しという気持ちと、私の経験を最大限に活かせるもの、そして会社の目指すビジョンに真に共感しているので、

「双極性障害の方が自分らしく生きるためのインフラをつくる」

これを今後のライフワークのビジョンとして、取り組んでいきます。



最後までご覧いただき、ありがとうございます。