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双極性障害の勤めびと。たどり着いた自分らしい働き方 最終回(35歳:双極性障害の当事者として実名顔出しする覚悟)

〜35歳(2017年11月29日)〜

伊藤さん(所属企業の代表)から、松浦個人の体験を発信していくアイディアをもらった帰り道。

少しずつ、確実に沸き起こってくる感覚がありました。

それは新規事業「リライフ」を立ち上げた時のような感覚。

そして、その時以上に地に足のついた今後の見通しでした。

(まずは、眠らせていたTwitterを再開させよう)

リヴァの知名度を上げるためと、うつ病などの情報収集用のTwitterアカウント「双極ぴあさぽーたー(現 松浦秀俊@双極ライフ)」を立ち上げたのは2011年。

”基本的にうつ病関連のニュースをつぶやくだけ。他のユーザーと関わらない”をルールとしていました。

(関わりだすとキリないし、あくまで企業の松浦として運用しているもの)

そう、割り切っていたからです。

ただ、このアカウントも私の気まぐれで運用していたので、2017年に入ってからは休眠状態。

それでも、うつ関連に関心がある2,300人近いフォロワーの方々はいるアカウントでした。

(このアカウント、急に運用者が名前と顔出しでツイートしだしたら、どうなるのかな?)

私のサプライズ好きの血が騒ぎ、数日後には「実名・顔出し」を実行しました。

正直、5年ぶりのTwitter本格運用は怖さもありました。

(最近の色々なtwitter炎上事件をみるに、私が顔出しして何かあれば家族にも被害が及ぶかも)

ただ、そんな考えもすぐに杞憂だと分かります。

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Twitterの世界には、各々の興味・関心によってつながれる、心地よい空間が出来あがっていました。

双極性障害に特化した発信をする私に対し、Twitter上の当事者の方々が関心を示し、「いいね」機能により、私のツイートに対する反応が可視化され、それが日に日に、着実に増えていくことが実感できました。

いつしか、Twitterは私にとって欠かせない居場所になっていました。

〜35歳(2018年2月)〜

2018年2月3日、私は浅草の東京都立産業貿易センターにいました。

それは、国家資格である精神保健福祉士の受験会場。

2016年から通信講座で勉強していた精神保健福祉士でしたが、無事、専門学校は卒業でき、国試を受ける段階まで漕ぎ着けていました。

直前まで、大学受験の頃のような、試験に落ちる悪夢を見て目覚めるほど自分を追い詰めての勉強。

試験前の緊張、また試験後には無事終えたことを、私の居場所であるTwitterでつぶやくと、沢山の激励をいただけました。本当にありがたかった。

補足としまして、3月15日、無事に精神保健福祉士合格の発表がありました(登録申請が完了する5月までは正式には資格者としては名乗れませんが)。ご報告まで。

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また、試験終了後には、対談イベントにも登壇しました。

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心の相談メディアReme(リミー)さん主催のイベント。もとはこのサイトで、私が当事者インタビューを受けたのがきっかけでした。

同じくRemeのインタビューを受けていたますぶちさんと私の二人で「メンタルヘルス×働き方」をテーマに実施。

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※当日の対談の模様を記録したTwitterをまとめたものがコチラ

この集客に私個人のTwitterも活用したのですが、募集開始3日で35名の申込みがあり、とても驚きました。

ますぶちさんの集客のおかげでもありますが、私の話をTwitter上だけでなく、リアルでも聞きたいと思ってくれる方がいることに衝撃を覚えました。

〜35歳(2018年3月30日)〜

今、このnoteの公開作業をしています。

最終回の公開は、「※世界双極性障害デー」にあわせてみました。

※3月30日を世界双極性障害デー(World Bipolar Day)とすることが、2014年、国際双極性障害財団(IBPF)、国際双極性障害学会(ISBP)、およびアジア双極性障害ネットワーク(ANBP)により定められました。
3月30日は、ヴァン・ゴッホの誕生日であり、ゴッホがこの病気を患っていたという説もあるために、この日が選ばれました。
これを受けて2015年から、日本うつ病学会でも、この日の前後に、双極性障害の理解を増進するための活動を行っています。
(日本うつ病学会 双極性障害委員会)

思い返せば、第1回を書いたのが2017年12月22日。

14回予定でスタートしましたが、創作意欲が盛り上がり、気付けば4回も延長になりました。 

note更新の3ヶ月の間にも「軽躁→軽いうつ→軽躁」と、双極の波と付き合いながらの日々でした。
(症状のサインは、更新ペースと文字量に、明らかに現れてはしまっています 汗)

第1回から全て読んでくださった方も、この18回がはじめましての方も、読んで頂いた全ての方に感謝をお伝えしたいです。


ありがとうございました。


私にとってこのnoteは、「双極性障害との付き合い方」の振返りになり、また私のリソース(資産)となる記録になりました。

ちなみに、この連載の第1回と第18回のnoteトップ画像になっているいびつな曲線。

お気づきの方もいるかもですが、私が発症してから2017年までの気分の上がり下がりを手書きしたものになります。

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これも、noteを書くことでカタチになった、一つのリソースです。

この回を含め、「双極性障害の勤めびと。たどり着いた自分らしい働き方 第1~18回」の文字数は合計「47,019」(原稿用紙で約117枚分)※2018年公開時点。

気づいたら、こんな超大作が出来ていました。

ここまで書ききれたのも、TwitterやFacebookをはじめとする、多くの方からのリアクションがあったからです。


本当に、ありがとうございました。


私にとっての双極性障害は、自分の一部であり、長所であり、短所であり。

また、私がこの世に生を受けた意味の一つと思っています。

たどり着いた今の働き方が、ゴールだとは思っていません。

これからも追い求め続けるものが、「自分らしい働き方・生き方」だと思っています。

1年後の2019年。

また、更新された「自分らしい働き方」を、第19回としてアップできたら楽しいなと、そんなことを思っています。

それでは、その時まで。


おわり


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あとがき  〜これからのこと〜


このnoteを書き始めてから、今まで生きてきて、これ程までに「双極性障害」と向き合ったことはありませんでした。

色んな情報に触れ、色んな人と交流して。。

そんな中、ある構想が私の頭に浮かんできました。

それは

[1]「双極性障害×働く」に特化したグループ形成
[2] 双極性障害の再発予防プログラム提供
[3] 双極性障害の特性にあった働き方支援

です。

私のいる会社、リヴァのサービスである「うつ・双極性障害などの方の社会復帰支援」の対象を、更に「双極性障害の方」に特化する必要性、また、実際に特化プログラムを実施する事で新しい何かが見えてくるのではないかと、考えるようになりました。

構想それぞれの背景をお伝えすると、

[1']双極特有の悩みは当事者同士が一番分かり合える

うつの方と双極の方の会話で、うつの方がイメージつかない代表的なのが「躁・軽躁の時にセーブする理由が分からない。元気な状態をなぜ抑えるのか?」というもの。

躁・軽躁に関わる点は、双極性障害の当事者同士こそ共感し合え、深く話し合えるのではないかと、私自身の体験からも感じています。


[2']双極の方に特化した再発予防プログラムの必要性

現在、リヴァで提供している再発予防プログラムの大半はうつ病の方を主の対象としています。それゆえ、双極で特徴的な「躁・軽躁」への対処についてはカバーしきれないか、ホームワークで対応しているのが現状です。

「双極の方だけ受講」が前提となれば、それに合わて既存プログラムを改良でき、提供することが可能になります。


[3']双極と付き合いながら自分らしく働ける可能性の追求

双極性障害は、同じ企業で働き続けるのがとても難しい病気だと、私自身感じています。自分自身の気分をフラットな状態に抑え、会社の求める枠の中で仕事をする。

「それは、双極の方の本来のチカラを制限しているのではないか?」

その仮説を検証したい想いがあります。もちろん、企業での正社員も選択肢ではなりますが、フリーランスやダブルワークや在宅勤務。

また仕事内容も、双極性障害のそれぞれの方にあった選択肢を提供するお手伝いができると、働き方の可能性が広がるのではないかと考えました。


この構想実現のため一歩一歩、でも無理はせず、また人に頼りながら進めていきたいと思います。

過去、私が独立や新規事業にチャレンジして失敗したのは、人に頼らず抱え込んでしまったから。

今回は、「私は気分の波があり、もしかすると働けなくなる時期もある」と、メンバーに理解してもらった上で、準備をすすめることを考えています。

そして取り掛かる時のテーマは「小さく、実験的に、柔軟に。」

今のリヴァの仕組みの中でテスト的にプログラムを実施したり、また私の個人活動で取り組んでる、双極性障害×働くをテーマにした対話企画「双極トーク」を通じて、今後のヒントをみつけていきたいと思います。

「双極構想」の進捗があれば、Twitterで発信していく予定です。
もしよければフォローいただけると嬉しいです。→ @bipolar_peer

●双極性障害の方、またはその疑いのある方で、「働く」について検討できる体調の方へご案内

「双極性障害×働き方」をテーマした対話の場「双極トーク」を開催中。
2018年4月以降、月1回土曜日(年末年始除く)に開催予定です。
イベントのご案内はこちら。

以上、あとがきでした。


最後までご覧いただき、ありがとうございます。