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しゅうかつロック、ボクにも言わせて 「第89回 ロック対談_だぶる模話模話模話〈サケトレインロック㉕〉~〈衝撃を受けた洋楽曲(邦楽曲含む)編9 セックスピストルズのプリティベイカント、クラッシュ初来日nhkテレビ、AC/DCのリフラフほか〉~」

模話1「衝撃も多くなるとマヒしてくる感じはあるよね」

模話2「麻薬中毒者は最初の体験を求めても、結局その快楽を体験できないから…ますます深みにはまるという話をきいたことがあるよ」

模話1「よくわかるね。理解できるよ」

模話2「貧弱な高校生時代のライブ体験だったけど…レコード体験での衝撃はなに? アルバムとか…楽曲でもいいけどさ」

模話1「中3だったか、高1だったかな? セックスピストルズのプリティベイカントを偶然録音できたのよ…FMで」

模話2「グレンマトロックが深くかかわってる曲だっけ? ほかの派手な楽曲でなくなんでプリティベイカントなの?」

模話1「録音できなかったのよね(笑)。他の曲は…でもね、衝撃受けたのよ」

模話2「どういうとこに?」

模話1「まずさあ…ギターうまいんじゃないかな?って思ったのよ」

模話2「スティーブジョーンズってギターソロなんか弾かねえ弾けねえみたいにインタビューで言ってたよね」

模話1「当時のボクはヘビメタ好きでテクニック重視であったゆえに…スティーブジョーンズはギターがかなりうまいっていう直感あり(笑)」

模話2「実際武道館で見たときも、スティーブジョーンズはうまかったよねえ」

模話1「グレンマトロックもうまいし…ドラムもうまいし、ボーカルもうまいよね。うまいのに下手だって決めつけられてる感じがしたよね…しかも、プリティベイカントの独創的なイントロにバンドサウンドとしてのまとまり、勢い、音のかたまりで押し寄せてくるここちよさに…あのボーカルだよ。様式美を感じたもん」

模話2「パンクの体験はなかったんでしょ?」

模話1「思想みたいなものとしてのパンク体験は追体験って感じ。大学に入ってスターリンとかを聴くようになってさ…パンクを聴き返すみたいな」

模話2「やっぱり、屋台で食べたかったときに食べられなかったリンゴ飴を大人になって買う的な感じだね(笑)」

模話1「そんなんばっかりやで(笑)」

模話2「高校時代にパンクは聴かなかったの?」

模話1「nhkでさあ、クラッシュの中野サンプラザの公演とかやったよね…あれは結構、後々にクラッシュを聴くようになったきっかけではあったかも。あと、カンボジア難民救済コンサート? ポールマッカートニーとかWhoとかロバートプラントとボンゾがルシールやるやつね…そんときに、ミックジョーンズがロックパイルとかと一緒にでてきたんだっけなあ? よく覚えてないけど…ミックジョーンズ目立っててさ…クラッシュってかっこよかったんだよね」

模話2「留年してきた先輩は中野サンプラザに見に行ったとか言ってなかった?」

模話1「なんか…大真面目で来日公演のこと真剣に考えてるみたいで…大人の事情に入っていけない子どもみたいな感じで、先輩の話をきいてた気がする(笑)」

模話2「さまざまな衝撃の中で…やはりAC/DCっのは重要だったんだよねえ?」

模話1「そうだね。AC/DCってのは、ヘビメタ中毒から解放してくれた後にロックの扉を開いてくれた存在なんだよね。しかも、武道館のライブをみて、北東スタンドからアリーナが見えたんだけど…ヘッドバンキングみんなやってて…なんかつまんなくなっちゃってさあ、予定調和みたいな話を嫌ってた渋谷陽一さんの影響もあったかもだけど…別にAC/DC聴いててもみんな一緒にヘッドバンキングやんなくたっていいじゃんかって(笑)。なんかしらけちゃったんだよね。あとさ、AC/DCって、ライブの曲の間が妙に長くてさ…それで我に返ったってのかね…北東スタンドから見たハードロックバンドの退屈さみたいなものを感じて…そこから、好きなように聴くように変わった気がするよ」

模話2「意外とアンガスはチューニングとか気になってた人なのかな? いつもステージ中にSG交換してたの見た記憶あるし…わかんないけどね…AC/DCは聴かなくなったってこと?」

模話1「いや、ブライアンジョンソンの2枚とボンスコット時代は愛聴してた(笑)。特に地獄のハイウェイは定期的に聴かないといけないくらい好きだったよ(笑)」

模話2「カートコバーンがバックインブラックをひとつも傷がないアルバムといっていたそうだね」

模話1「マルコムにいさんも好きなんだけど…やっぱりアンガスは先生っていうレベルだし…ロック界のギター教師なんだよね。あんなに教科書通りにリフを弾き、かつ気が利いた音を出せるし、バッキングのギターの音の出し方のすばらしさは比べるバンドがないくらいだと思うよ」

模話2「Whoかなんかで、埼玉アリーナかな? どこか忘れたけど…AC/DCがかかって…バックインブラックかな? 会場がみんなそれを聞き入ってるのがわかってさ…最後に曲が終わると歓声が上がったんだよね。たぶん、Whoを待ってる期待の歓声だけじゃなくて…AC/DCのギターの音聴き終わって歓声が上がったように思ったんだよね。ボクがそう思ったから(笑)」

模話1「大きなステレオで大音量でアンガス兄弟のギターが鳴ってるのを聴くのはたいへん心地よいものでございましょう。それは新宿JAMのレコード大音量で聴いたキッズアーオールライトに匹敵するでしょうね(笑)」

模話2「AC/DCでショックを受けた曲は?」

模話1「ギター殺人事件のリフラフが刺さりました」

模話2「ライブでそれまでのもろもろが洗い流されたように、リセットされたんでしょうか?」

模話1「まあ、そんな感じかね。洗い流された後に、いままで聴かなかった音楽が目の前に現れだしたってことね」

模話2「その最初のアーティストって誰なの?」

模話1「別に、特に覚えてないかな? しいて言えば…クラッシュにローリングストーンズ、ロキシーミュージックとか…再びレッドツェッペリンとかセックスピストルズとパブリックイメージリミテッドとかかね?」

模話2「上京後に開国した感じだねえ(笑)」

模話1「そうだね。黒船がアンガスヤングのエフェクター使ってないナチュラルオーバードライブのSGの音といえるかもしれない(笑)。忌野清志郎さんのいう『キースのきったないテレキャスターやストラトキャスターの音が本当のギターの音』というヤングギターのローリングストーンズ全米ツアーのレポートの文にあったことがわかるようになるきっかけがアンガス兄弟のギターの音だったんだよね。今思えば」

模話2「続く~」