老年期少年小説 「誰もいなくなったのはなんで?〈7〉」【すべてはなくなってしまった①】
還暦を過ぎて、再び上京した。
関西で出版社で校正の仕事をしていたのだが、
切りがいいタイミングで引っ越しをした。
夫婦での移住には親戚一同が反対していたが…
ユキオの一存で決行したのであった。
知人友人の大半も反対。
東京の出版社A社をとは関西時代も取引があった。
ユキオは多少、A社をあてにしていた。
関西で働いていたB社も、編集者とは良好な関係を築いていた…
そう思っていた。
他にも知り合いがいて、なんとか仕事は得ることができると
考えていた。
引っ越しに1か月ほど