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とーます模話 小説作品集

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自分の中の煙を吐き出し、取り出してみてみる。そして、それがどんなものであるかを確かめたい。いつの日か、何もかもありのままで自分を受け入れる時がくると信じたい。
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記事一覧

【少年・青年・中年・老年小説集】「小心地滑国内旅行記…〈秩父への旅④〉」

ユキオは待望の旅館の夕食を前にしていた。 まだ午後の5時だった。 広い長方形の部屋の卓袱台…

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【少年・青年・中年・老年小説集】「小心地滑国内旅行記…〈秩父への旅③〉」

ユキオは、Y川という川のそばの Hという鉱泉旅館に泊まることになった。 秩父鉄道秩父線の大…

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【少年・青年・中年・老年小説集】「小心地滑国内旅行記…〈秩父への旅②〉」

校了日の後の…いよいよ旅行に出る。 今回は締め切りが押して、 日曜日が休日出勤になった。 …

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【少年・青年・中年・老年小説集】「小心地滑国内旅行記…〈秩父への旅①〉」

ユキオは32歳になった。 まあまあ名前の知れた出版社で校正社員をしていた。 それまで、マン…

とーます模話
2週間前
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【ロック少年・青年・中年・老年小説集】「中年からのバンドやろうぜ1…〈肥満とブル…

zくんと駅で待ち合わせをした。 彼は時間通りにやってきた。 ベースギターを担いでいて、 手…

とーます模話
4週間前
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【ロック少年・青年・中年・老年小説集】「中年からのバンドやろうぜ1…〈肥満とブル…

バンドの練習テープを持ち帰り、ユキオはうちで聴いてみた。 久しぶりに入った割には音は鳴っ…

とーます模話
1か月前
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【ロック少年・青年・中年・老年小説集】「中年からのバンドやろうぜ1…〈肥満とブルーズ、減量とロック⑬〉~ばんどやろうぜ、再び2~」

タッ〇ポウルのDスタジオに開始15分前についたとき… Fはiくんと一緒にギター持参で待っていた。 待合室で久々の再会をした。 「コグレさん…体形…戻ってる」 Fとは電話は時々していたので、 減量したとは伝えてあったが… しばらく会っていなかったので、 予想以上の衝撃を与えたようだった。 「コグレさん、いい感じになりましたね」 iくんは、まだユキオが痩せていないころ、 ベルベットアンダーグラウンドが好きだということで、 一度セッションをしたことがあって、 会うのは2回目

【ロック少年・青年・中年・老年小説集】「中年からのバンドやろうぜ1…〈肥満とブル…

ハーモニカ教室はたのしかった。 いままで自己流のために、 うまくいかなかったことも、 ずい…

とーます模話
1か月前
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【ロック少年・青年・中年・老年小説集】「中年からのバンドやろうぜ1…〈肥満とブル…

ユキオは、ブルースハープ教室に通いだした。 土曜日午後、渋谷。 ユキオは以前、バンドをや…

とーます模話
1か月前
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【ロック少年・青年・中年・老年小説集】「中年からのバンドやろうぜ1…〈肥満とブル…

ユキオは健康を取り戻した。 むしろ以前より体力も充実していた。 夜昼逆転した生活を昼型に…

とーます模話
1か月前
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【ロック少年・青年・中年・老年小説集】「中年からのバンドやろうぜ1…〈肥満とブル…

修了式で、ユキオは表彰をうけた。 男女両名の優秀成績者… もちろん、体重が減ったということ…

とーます模話
1か月前
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【ロック少年・青年・中年・老年小説集】「中年からのバンドやろうぜ1…〈肥満とブル…

ユキオはその後、気功教室に通いだした。 うさんくささは感じたものの、 先生はおもしろく、…

とーます模話
1か月前
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【ロック少年・青年・中年・老年小説集】「中年からのバンドやろうぜ1…〈肥満とブル…

ユキオは、標準体重に戻っていた。 脳梗塞の疑い…たぶん、本当に「梗塞が起きたが奇跡的に治…

とーます模話
1か月前
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老年期少年小説 14「還暦少年〈2〉 ひとのかなしみがわからない異端者のかなしみ②」

この年になって、過去に自分がしてきたことを鮮明に思い出すことが多いんですよ。 意外ですが…結構忘れていたはずのことが、はっきりと意識に出てくるんです。 不思議ですが…本当のことで…日々、罪悪感、自責の念、落ち込み、自分は決して許されないという思いで…気が狂いそうなんですよ。 みなさんはそんな思いはしてないでしょう? それは当然です。 私の場合は、抑え込んでせき止めていたものが、 今になって抑えきれずに噴出してきているような感じなのです。 まるで、死ぬときに自分の人生