マガジンのカバー画像

とーます模話 小説作品集

28
自分の中の煙を吐き出し、取り出してみてみる。そして、それがどんなものであるかを確かめたい。いつの日か、何もかもありのままで自分を受け入れる時がくると信じたい。
運営しているクリエイター

記事一覧

【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

楽屋は静かでよかった。 WくんもYくんも性格がよく、ギターを見せてもらったり、ユキオのギタ…

とーます模話
13時間前

【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

桜台という駅近くにあるライブハウスに向かう。 今日は人生初のロックバンドでのステージだ。…

4

【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

「S、じゃあ、最初から4曲通しでもう一度ね」 「コグレさん、またですか?」 「あと、1時間し…

3

【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

バンド内の軋轢とフラストレーションによる緊張でスタジオはひりひりしていた。 Fがいきなり…

3

【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

いよいよ明日がライブの日だ。 今夜、Sの住む街のスタジオでバンド練習がある。 Sが夕刊配達…

2

【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

Sが戻ってきた。 また通しで練習していた1曲目「カモンエブリバディ」だった。 止めるのが嫌…

1

【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立ってみよう⑥【ヒデキ師匠登場②】~」

「ユキオ、コーヒー飲むか?」 ヒデキはネルドリップで出してくれる。 それが喫茶店よりうまい。 ヒデキは喫茶店でも成功するだろうと確信した。 「うまいっすね。何をやってもいいのつくるよね。ヒデキさんは」 「ユキオ、そういうけど、コグレの血筋だからわかると思うがさ…この職人気質というよりは事務員気質がパラノイア的にくるったように入り込むってのか…いやんなるよな。こんな性分が」 わからないこともないが、ヒデキのお父さん、ユキオのおじさんやうちのおやじ、じいさんのコレクター

【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

ユキオにはロックやギターの師匠にあたる人間が何人かいた。 ヒデキはいとこで5歳年上。 元プ…

【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

Fがハイテンションで入ってきた。 1時間以上の遅刻だ。 残り1時間足らず。 「コグレさん、…

1

【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

サマータイムブルースが始まった。 Sは、いちおうサマータイムブルースを覚えてきたような感…

2

【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

「コグレさん、Sがボーカルをやるって言ってます。他のバンドで出るDがコーラスをしてくれるこ…

2

【ロック少年・青年小説集】「25歳からのバンドやろうぜ1~初めてのステージに立って…

ユキオは25歳になっていた。 サラリーマンを辞めて、マンガ編集のアルバイトをしていた。 脱…

5

【ロック少年・青年小説集】「東京にやってきた④~ロックビデオを見に行こう後編~」

店を出たユキオはアートシアター新宿を探した。 靖国通りは初めてだった。 途中に楽器店もあ…

とーます模話
2週間前
3

【少年小説】「ぼうくうごうから」⑧~最終回~

東京から実家に帰ってからしばらくして、ゆきおには〈おまえは死ね〉という声が聞こえるようになっていた。 はっきり聞こえるわけではない。ただそう言われているという自覚が続いた。 それは夕方くらいから強くなり、心拍数が上がり、視界がくらく狭くなる感じがした。 近頃よく聴いている音楽があったが、うとうとしながら聴いていると、うなされることが多かった。 いったいどういうことかわからなかったが、この音楽に、何か原因があるのかもしれないと思い始めていた。 ある夜、髪飾りをした痩せた