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べきこと



誰かから溢れる
べき

耳を塞いでも目から
目を閉じても記憶から

腰の中に
あるいは
肋骨の隙間に
重石を積まれたように
窮屈で仕方がなくて
身をよじらせる


ちがう
あたしには
そんなものは
いらない


若いうちに。
独身のうちに。
元気なうちに。
生きているうちに。

べき
ことなんて
ひとつだって、ない


産声をあげたそのときに
死の香りを

等しく
限りがあることを

匂ってしまった

だから
あたしに
べき
などはない


考えることの有象無象を
血のように沸く好奇心を
真っ白く淑やかな知識を

あたしが
あたしで

選ぶ
ことができる


それは
干からびて死ぬまで
ずっとずっと

できる



21.05.13

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久しぶりでございました。

バタバタとしていた
生活が落ち着きましたので

また、気ままに
書き付けていけたらと思っております。

詩は良いよなあ

渡部有希

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