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#14 煉瓦亭@中央区銀座

巨大都市・東京の発展の裏側で、かつての街並みは急速に失われている。
ノスタルジックで心に残る街並み、建築物、飲食店…。
真のレガシーを求めて、今日も裏路地を歩く。
懐かしくて心惹かれる、うるわしの東京アーカイブズ。

今回も2000~2001年に『スタジオ・ボイス』という雑誌で連載していたエッセイよりピックアップしてみた。2000年9月は1ヵ月間とんかつを食べ続けた。お店へは取材許可はとくに取らず、料理の写真を撮影していた。今のブロガーやSNSの感覚だ。銀座の煉瓦亭を訪れた記録が残っている。

9月8日 金曜日
煉瓦亭 銀座
カツレツ大 1900円

そのときのお店の外観がこちらの画像だ。

この日の日記が残っているので、掲載しておこう。

9月8日 金曜日
9時過ぎに起きるもまだ眠い。パラダイステレビより電話で出演依頼。風塵社のK氏より北尾トロの写真が欲しいとのこと。まだ眠いのだが、12時半に風塵社の人間が取りに来ると言うので、画像を準備して、待つもなかなか来ない。眠い。やっと来た男からMOを受け取り、画像をそこに入れる。
倒れるように再び睡眠。夕方、リクルート『あちゃら』編集部のS氏の電話で目覚める。しまった、もう5時をまわっている。銀座、和光の前でS氏と待ち合わせ。煉瓦亭へ行く。ここは有名な洋食屋で、一説にはここがとんかつ発祥の店らしい。というわけで、迷わずカツレツを注文。ふわっとした衣に柔らかい肉。おいしいなぁ。意外なことにしつこくなくいくらでもたべられそうだ。ほかに元祖オムライスというのを注文した。
S氏とともに久しぶりにリクルート本社を訪れる。『PC相談室』『あちゃら』の編集部をのぞく。さらにイサイズの部署へ行ってみたら、Wさんがいた。髪を切って若いかんじ。しかし、Hさんはおらず。そのまま帰宅する。
たまっていた日記を書いてホームページを更新。『ダ・ヴィンチ』、今月のオススメ本の原稿を書く。これがなかなか進まない。原稿の量が少ないので一気に書けるときはすぐなのだが、悩み始めると時間がかかる。
明け方9時にやっと書いて送信。

煉瓦亭にはこの後も何度か訪れた。そして、2018年2月6日、客ではなく、取材する立場で訪れる。それはこの記事を書くためだった。

銀座の歴史はカフェーと洋食の歴史。サンドイッチと洋食のドリーム駅弁を食べる【銀座線ドリーム駅弁】 | 銀座線リニューアル情報サイト

明治28年創業という煉瓦亭。その長い歴史のなかで、2000年から2018年という時の経過はたいしたものではないということが写真を見てもわかるだろう。

椅子やテーブルも同じだ。とてもシンプルで居心地がいい。ただ、値段は大カツレツは2900円になっていた。

あらためて、メニューを見直してみると、まだ食べていないメニューもたくさんあった。また、ちょっと通いたくなったね。

(続く)


【プロフィール】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。

【著書】
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