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#18 顔の削れた「かんかん地蔵」と縁結びの「仲良し地蔵」そして「六地蔵」@北千住 安養院

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。
子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。
きょうもお地蔵さまを探しながら歩いています。

顔の削れた「かんかん地蔵」と縁結びの「仲良し地蔵」そして「六地蔵」
今回うかがうのは、北千住にある安養院。
こちらにはユニークなお地蔵さまがいらっしゃる。

まず、かんかん地蔵という変わった名前のお地蔵さま。

なぜ、「かんかん」なのかといえば、小石でお顔をかんかん叩きながら祈ると願いが叶うのだそうだ。
多くの願いのため、お顔がすり減っているのだとか。
たしかに、お顔が真っ白に擦り減っている。

お地蔵さまの前には小石が置かれている。

おそるおそる顔の部分に小石をかんかんとあててみた。
パラパラとかけらが落ちる。
お祈りをした。
お顔だけではなく、全身が削られている。

看板には、元禄一二年(西暦一六九九年)建立と書かれている。
ずいぶん歴史のあるお地蔵さまだ。
それにしても、最初はおそるおそるだったが、やってみると、かんかんと叩くのもなんだか楽しくなってくる。

その隣には二体のお地蔵さまがいらっしゃる。
「仲直し地蔵」という看板があった。

柔和な顔つきのお地蔵さまだ。

看板の「仲直し地蔵尊」にはルビがふられている。
〈なかよしじぞう〉とあった。
「なかなおし」ではなく「なかよし」なのだ。
縁結びなどのご利益があるそうだ。

(右)寛文十年(西暦一六七〇年)建立
(左)寛文四年(西暦一六六四年)建立

かんかん地蔵尊よりも歴史があるようだ。
漢字で仲直しとあるように、縁結びだけではなく、たとえば、喧嘩したりして仲たがいをしてしまった人と仲直りするという願いもかなえてくれそうだ。

これ以外にも境内には六地蔵がいらっしゃった。

六地蔵はお寺や道などでよく見かける。
なぜ6なのかといえば、六道という仏教において、人間が繰り返す輪廻転生する6種類の世界を表している。

六道というのは以下の通り。

天道(てんどう)
人間道(にんげんどう)
修羅道(しゅらどう)
畜生道(ちくしょうどう)
餓鬼道(がきどう)
地獄道(じごくどう)

天道を救う日光、人道を救う除蓋障(じょがいそう)、修羅道を救う持地、畜生道を救う宝印、餓鬼道を救う宝珠、地獄道を救う檀陀(だんだ)の各地蔵の総称。

ただ、これには諸説あって、延命・宝処・宝手・持地・宝印手・堅固意を六地蔵とする説もある。
いずれにせよ、六体でひとつということになっている。

六地蔵は奥が深いようだが、説明板を見てもよくわからないことも多い。
もう少し六地蔵については調べてみたい。

こちらにもお参りをした。

(続く)


【プロフィール】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。

【著書】
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