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科学と宗教の関係(水は答えを知っている/江本勝)

水をシャーレに落とし冷凍庫で凍らせると、表面張力によって丸く盛り上がった氷の粒がシャーレの上にできあがる。この直径1ミリほどの小さな粒に光をあてて顕微鏡でのぞくと、氷の結晶が現れる。

凍らせる前にガラス瓶に水を入れ、ワープロで文字を打った紙を瓶に貼って水に言葉を見せると、
「愛・感謝」「ありがとう」を見せれば美しい結晶ができ、
「ばかやろう」「むかつく」を見せれば歪んだ結晶ができる。
外国語に翻訳した紙を見せても結果はそれぞれ同じだった。

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また、クラシックを聞かせれば美しい結晶ができ、
ヘヴィメタルを聞かせれば歪んだ結晶ができた。
水道水では結晶ができないが、世界各国の天然水では美しい結晶ができた。

言霊は必ず存在する。大事なのは愛・感謝の気持ちをもち続けること。
水は全てを知っている云々…

ページの途中にある結晶の写真があまりに美しく作者の話をまるごと信じ込みそうになったが、読み進めると徐々に滲み始める胡散臭さ、そして宗教臭さ。いやいやそんなことがあり得ようか?と思い、詳しそうな知人に聞いてみたところ、この結晶の実験結果に科学的根拠は皆無とのことだった。
音楽に関しては「振動」が作用する可能性があるものの、言葉を印刷した文字や風景写真を見せて変化が起きることはあり得ないらしい。

科学と宗教は本来、対立の関係にあるはずだ。
けれど、科学者(風の人)に「こういう実験をして結果はこうでした」と説明されると、文系の私はあっさり「そうなんですね」と納得してしまう。その危うさに思いがけずハッとさせられた1冊だった。

著者は私設の研究所の研究者であり、宗教関係の人物ではないが、前述の知人曰く「私設の研究所はちょっと怪しい人が多い」とのこと。(もう亡くなっているので真偽は不明)
それにしても、水と宗教はどうしてこうも親和性が高いのだろう。

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