[仏蘭西旅]ヨーロッパ文化遺産の日inパリ2024その2
ふだんは非公開のさまざまな施設が見られる「ヨーロッパ文化遺産の日」。2日目の今日は、大好きな本のあるパリの図書館や文化施設を中心に巡ります。
←その1(内務・海外領土省、司法省)
まずはフランス学士院へ
さて昨日の午後3時ごろにはあまりの行列に諦めたフランス学士院(Institut de France)、絶対に見たかったので早起きして朝一に向かいます。9時ごろ到着で15分ほどの行列で入れました。ここが個人的にはいちばん見応えのある施設でした。入場すると、入り口のあたりで大きな模造紙に「ようこそ」みたいな美しい文字のカリグラフィーを披露している紳士が……。さっそく文化の香りに酔いしれます。
とにかく天井まで本棚が並ぶ図書館が圧巻。その中にはガラスケースに入った貴重な資料もたくさん。みなさんやはりその手のことに興味がある方ばかりなので、列がなかなか進みませんが、そのぶん見応えがありました。さまざまな学術会議や講演が行われる場所、学士院の会員のかたの衣装や剣なども展示してあり、「不滅の40人」とかのワードも覚え、「Perpétuer, Soutenir, Éclairer」というスローガンの書かれたグッズなどを思わず買ってしまいました。インスタのアカウントもあるのでよかったらどうぞ。
幅広い年齢向きのフランス銀行
あまりにも見応えがあったのですっかり満足しつつも、ポン・デ・ザールを急いで渡ってルーブルを横目に、フランス銀行(Banque de France)へ。こちらはさくっと予約できただけあって、入るとお子さん向けのゲームやアクティビティ(金塊を持ってみよう! 紙幣をデザインしてみよう! みたいな)がたくさん。中庭のサンルームのようなところでなぜか記念撮影があったり、あれ、ここは……となりましたが、そのあと別の建物へ。ここにすてきな古いタペストリーのお部屋などがありました。ヴェルサイユ宮殿の鏡の間のような豪華絢爛ぷりにはくらくらしました。
小さな宝石、アーセナル図書館へ
ここからは予約不要の図書館へ。まずは、マレの南側にあるアーセナル図書館(Bibliothèque de l'Arsenal)。さいきん改装され映えスポットとしてすっかり有名に(そして写真撮影不可に)なったパレ・ロワイヤルのリシュリュー館と同じフランス国立図書館(BnF)のひとつ。1797年設立のこの場所は、もともとはフランスの兵器廠(武器などの管理を行うところ)の施設の一部で、そのあと百科事典などを蒐集していた貴族のお屋敷になり、その後、貴重な写本などが展示されるようになったとか。
ここは規模がそれほど大きくないのですが、書庫に入る前のお部屋からとにかく美しくて圧倒されました。古い写本などが多いため、修復師による実演などもあったのですがフランス語のリスリング力がないのであまりじっくり理解できなかったのは残念です。ほかにも音楽室など、見どころたくさんの場所でした。
開放的なサント・ジュヌヴィエーヴ図書館
さて川を渡ってカルチェ・ラタンへ。意外としっかりした坂を登って見えてくるはパンテオン。ここはオリンピック関連の展示で賑わっているようでしたが、お目当てはその左側にあるサント・ジュヌヴィエーヴ図書館(Bibliothèque Sainte-Geneviève)です。そのパンテオンのもとになった修道院のコレクションからはじまり、現在はソルボンヌ大学の一部になっている公共図書館です。閲覧室は天井が高く開放的な空間で、天井のドームに凝った細工の鉄のアーチと柱が特徴的。ヨーロッパの古い鉄道駅っぽいなと思いました。
入り口の右側には、古い写本や時計などのコレクションも。とにかくパンテオンから流れてきた人でごった返していました。
最後にリュクサンブール宮も目指したのですがここは大行列だったのであきらめました。後日、近くのラデュレカフェ(ラデュレなのにコーヒー専門店!)でそれっぽいドリンクだけ飲みました。この界隈の雰囲気は本当にすてきですよね。
今日のひとこと
フランスの誇る文化のすごさをこれでもかと見せてもらった2日間でした。これを機に入ってみた施設もたくさんありましたし、大勢の人にさまざまな文化に関心をもってもらったりそれを保存していくためにも大事なイベントだなーと思いました。
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