ニュースをネタに発信するコツ
私がビジネスSNSであるLinkedInで積極的に発信を始めて3年になります。もともとアカウントは随分前に作っていましたが、実の知り合いとつながっているだけで全くの休眠アカウントでした。けれども2019年頃から、会社員として働きながらも「自分」は何ができるのか、どんな人間かということを発信していきたいという目的、すなわちセルフブランディングの一環として積極的に投稿するようになりました。
今では実つながりだけでなくLinkedIn上で知り合ったつながりの数も増え、フォロワー数もほぼ2万人に達しています(2022年5月13日現在)。けれどもフォロワー数が増えたのはあくまで結果であって、今でもそれを目標にはしていませんし、発信の目的も自分の意見や考えの表明ということで変わってはいません。
https://www.linkedin.com/in/magoshi/
ただ、どのようにして投稿を続けているのかといった質問はしばしば受けるようになりました。SNSへの投稿全般については、以前、LinkedIn編集部の取材を受けたことがあり、何をどのように発信しているのかについてお話しています。今は週に2~4記事ほど投稿することが多いですが、そのうちニュースをネタにすることは3割くらいですかね。けれども以前は8割くらいがニュースネタでした。ニュースは私にとっては、とても使い勝手の良い投稿ネタ元でしたので、少しそのあたりを書いてみたいと思います。
私が発信することから得たもの
今の私の職業は、テクノロジーや経営全般についての調査研究です。専門領域としては保険を中心とした金融業界になります。だから、発信したい自分像は私のひとかどの専門性ということになります。あわせて、その活動を通じて同じ興味・関心を持つ人たちとつながっていきたいという気持ちもありました。
実際に発信し続けてみると、当初願っていた自分ブランドの構築やコミュニティ形成ということも勿論ですが、自分自身の成長にも大きくつながりました。発信することが習慣になると、何かのニュースに触れた際、それについての自分なりの考えを巡らせたり、それについて調べたりということがより意識的に行われるようになったのです。良く言われるアウトプットを前提とするとインプットの質があがる、ということだったのかもしれません。
少し話が逸れますが、SNS投稿を続けてきて分かってきたのは、結局、何かを発信しているようでいて実際には良くも悪くも「自分」を発信しているのだということです。そのあたりはテクニックではないと思うものの、私自身の発信のネタとしてはニュース最強でしたので、ニュースを題材にどう発信していたのかということをWhatとHowという観点でまとめてみます。
What:何のニュースを発信するか?
自分の興味関心のあるところについての発信を中心にしていましたので、保険業界や銀行業界などに関わるニュースを取り上げることが多かったです。また、ウェルビーイングの推進ということをライフワークと考えているので働き方の問題や、自分自身が長く働いてきた経験から女性が働くということについてなども時々取り上げました。
私の場合ですが、ただニュースをツイートする的な投稿はしません、キュレーションサイトはたくさんあるから。逆に自分がその記事の内容に対して少しでも付け加えられるような知識がある場合だったり、その記事に触発されて考えたことだったり、時には疑問に思ったことをつぶやきのように書いたりもしました。なので、あくまでニュースをお知らせするというよりは、ニュースを題材に私の考えをまとめて発信するという意識で書いています。多くの場合、自分が普段考えたり思ったりしたことが、その記事に触発されて出てきたということが多かったかもしれませんね。
ニュースに基づいての記事を書く時の難しさの一つは、時事ネタであると内容が古くなりがちということです。相場予想などをしているわけではないので、別に答え合わせが怖いとかいうことではないのですが、情報の新鮮さが失われるとつまらないものになりがちという意味で、時事ネタの記事は流れていくSNS上に書くことが多いです。
一方、割と普遍的なテーマ、働き方とか女性問題とか、そういうネタについてはストック型のブログで書くようにしていました。LinkedInのブログ機能も使いましたし、こちらnoteに書くこともあります。
もう一つ、テーマの選び方でいうと実は一般受けするテーマで書いた方が「イイね」が沢山つくということは経験的には分かっているのですが、私はそれが本当に書きたい事でない限りはそこにとらわれないようにしています。ぶっちゃけてしまうと保険とかに関する記事を扱った投稿って反応がすごく少ないんですよ。でも、そこが私の知見のあるところなのでそれでいいと思って投稿していました。SEO的な観点から受けのいい記事を選ぶ、それについて書くという視点も商業的にはあると思いますが、ブランディングの観点から、それが投稿すべき内容かどうかというのは、それが個人の投稿であればなおさら留意すべき点かと思います。もちろん目的次第ですけれどね。
How:ニュースをどう発信するか?
どのように記事を書くかという点でいうと、もう多くの人が言っていることかもしれないけど、自分のことに引き寄せて書くということが大事だと思います。まずは自分の考えや意見を書くということは大事。そして自分の考えを書く際の根拠やそう考えるにいたった背景を示すうえで自分の体験に引き寄せて書けるといいと思います。自分の考えは正しいとは限らないしそもそも色んな考え方があっていい、だから場合によっては対立する意見が出てくるかもしれない。でも自分の体験は誰も否定のしようがない、だって私のことなんですから。
そして、多分ここが私の強みなんだと思っています。キャリア的には色々と寄り道もしたし、そもそも家庭の事情により働き方をセーブしていた時期もあったりと、自分的にはまだまだやり足りていないし、焦りともまた違ってもっともっとやれることがあるなぁとも感じています。だけど、悲しいかなそういう様々な経験があるので、まあネタにはことかかないんですわ。これは、最近ゲストを迎えてのオンライン配信をやっていてもそうなんだけど、まあ大体の話が自分の過去の経験に結びつくので、コメントに困ることはほぼほぼないです。同じことは投稿についてもいえます。私みたいに長く生きてきた人、是非自分の体験を振り返ってネタを探してみてください(笑)。
一般論を事例なしに語っても、有名人には勝てないです。そういう投稿だったらしなくてもいいくらいに思っています。言っていることはもしかしたら当たり前のことであっても、伝えることのオリジナリティは自分オリジナルの体験(How)とか想い(What)で出せると思うんですよね。それが「伝わる」ってことなのではないかと。
ニュースに限らないけど発信で一番気を遣うこと
ならば苦労はないのですかと問われると、やはり一番苦心するのは、書き言葉であること。それからタイミング的には一方通行であるコミュニケーションという中で、いかに誤解のない表現を心掛けるか・不用意に他人を傷つける書き方をしないかというところになります。
自分のポジション=私はこう思うは、営利組織に所属はしていながらも結構はっきり書くようにしています。でも他の意見を否定はしたくないし、なんならコメントでそういうことも大歓迎というつもりで書いています。実際、とても良いコメントや気づかなかった視点をいただけることも多いし、こちらの姿勢が伝わるのか建設的なコメントはあってもクソリプみたいなものは、あまりついたことはないんですよね。でも、そういっていられるのも、単に私がまだまだ小物だからなのかもしれないですが。
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