TATTOOの話 ④TATTOOを入れる事が親不孝なのか

前回から大分日にちが空いてしまいました。梅雨が未だに終わらずハッキリしない毎日が続きますね。

本当少しずつですけど夏らしくはなってきていますが、今年は夏らしい事をしようと言うのは中々難しそうですね。出かけたり誰かに会う事は制御されがちですが、季節は一人でも感じられます。四季の中で五感を一番刺激しやすい時期だと思います。

今日はそんな五感を震わせる曲です。

蚊取り線香の匂いや花火が上がった後の火薬の匂いや篳篥や和太鼓の音は本当粋で好きです。色っぽい時期です。今年は浴衣女子があまり見れないのは悲しい所です。


さてさて、前回Aキラ君にTATTOOスタジオを紹介してくれるという事で、嬉しい反面、モヤモヤした気持ちの中帰宅した僕。

モヤモヤの原因と言うのは前の父親の存在もあってか母親の中で「TATTOO」に対する気持ちと言うのはなんとなく自分なりにわかっていて。聞かなくてもわかっていたので、自分の中でTATTOOを入れる事に賛成か反対かなんて、わかっていた事でした。

反対者がいる状況

と言うのがモヤモヤの原因でした。

年頃の「したいけれどできない、勇気がない」と言う物は本当に辛いもので、何も手につかないんですね。

そんなモヤモヤを抱えた僕は数日大学を休んで部屋に閉じこもってしまいました。

この閉じこもっている間に考えていた事と言うのは「どうしたら親に嫌な顔されずTATTOO入れる許可をもらうか」と言う事でした。

数日考えてみて、答えが出ず結果的にシンプルが一番響くんじゃないかと思い、親に直談判。

「最近身の回りで起きていること」

「こんな人が友達にいて色々学ばせてもらっている」

「自分が幼少期から感じていたTATTOOの魅力」

そんな思いを全て一生懸命話をしました。

結果はもちろん駄目でして。

「もしもTATTOOを入れたら絶縁します。親不幸者です」

とまで言われました。20才そこらのガキんちょに絶縁なんて言葉を使う母親。そそれだけ嫌だったのでしょう。ですが、それでもやはり納得がいかない自分。

心のどこかで「やっぱりな」と思っている自分もいて、わかっていた事なんですよね。ですが当時の僕は若さもあり、行動しかないと思い、もうTATTOOスタジオをAキラ君に紹介してもらおう!と思い、スタジオを紹介してもらいました。

紹介してもらった彫り師さんはAキラ君の彫り師さんではなく、その方と一緒にスタジオを営んでいらっしゃる彫り師さん。その彫り師さんが今現在も付き合いがあり、今もなおTATTOOを入れてくれている方です。

挨拶も終えて、モヤモヤしていた自分も嫌だったし、テンションも上がっていたので親の許可を得ずにその場で「今度彫ってください」と言いました。

「何彫りたいの?」と言われて僕は「太陽と名前」入れてくださいと言いました。

アニメのドクタースランプアラレちゃんの太陽わかります?

これなんですけどね

画像1

この太陽は喋るんですけど、いつも笑顔でいてなんか凄いなって幼少期から感じていて。頭の中にずっといたキャラクターでして。

小さい時から「元気だね、いっつも笑っているね、いつも元気も貰っているよ」と言われてきたので、自分の元気は周りを明るくするんだ、周りをいい空気にするんだ!と思っていたので、その性格を貫きして、この先に辛い事があるだろうけれど、元気で乗り切ってやる!と思い太陽を選びました。

名前は僕はタクミで「匠」と言う漢字なんですが、自分的に凄く名前が気に入っていたので、特に考えず名前もお願いしました。デザイン自体は筆記体でお願いしましたが。さすがに太陽と匠って漢字はね。THE日本男児って感じですけど、自分の中でそれは違うと思い筆記体です。

顔合わせが終わり、実際に針を刺す日を決めてその日は終わりました。


日が過ぎていくにつれ、親は「絶縁する」と言っているから息子がTATTOOを入れてこないだろうと思っているでしょうが、当の本人は入れる気満々なわけですから。この時はもう考えが変わっていて、認めてもらいたいと言う事より、一生隠しきると言う意識が強かったですね。


そんな思いを込めながら針を刺す当日、彫り師さんが書いてくれた彫ってくれるデザイン画を見せてもらいました。本当に綺麗で「これが体に入るのか」と感動したのを今も覚えています。

服を脱ぎ、絵を肌に転写しいざ施術。

まぁぁ痛いのなんの。丁度心臓の上ぐらいに入れてもらったんですけど、経験した事ない痛さでした。

彫り師さんが施術中に「痛みに我慢しながら何かを考えると言うのは貴重な時間だよ」と教えてくれました。

なので痛みを我慢しながら「この行為が本当に親不孝なのかな」と感じました。幼少期からの思い、この先の人生頑張る糧になるこの行為が本当に親不幸なのか。と思いました。

親のいう通りに生きる事が親孝行なのか。

産んでくれたなら目一杯生きる事が親孝行なのか。

この二つを考えていました。

針が皮膚に刺さり、血が出て痛い思いをする。その行為にお金を払う。それだけ聞くと馬鹿げていますよね。

でもね、本当に普段感じないような痛い思いをしながら感じる「想い」というのは本当に格別で。

普段ソファーに座って缶チューハイ片手に物事考えるのとは全然違うものなんです。その痛さに耐えながら、僕は「入れた自分を認めてもらえるようになろう」と思いました。初めて自分の事を一生懸命考えた時間でもあったのではないでしょうか。

彫り終わり、綺麗な太陽と名前が左胸に宿りました。

帰りの電車の中でも傷ですから痛いですし、興奮もしていてドキドキが止まらなくて。それでも親にしっかりと言わないといけない。やましい事じゃないから、胸張れと思い家に帰り、血も止まらないTATTOOを見せました。そして、言いました。

「僕の考える親孝行は僕が一生懸命生きる事です」

母は言いました。

「きつい言葉を言いましたが、それだけ覚悟を持って入れてきたなら文句はありません、この先の人生長いですが頑張ってね。綺麗な絵入れてもらって良かったね」

と言ってくれました。僕は泣き崩れて母親を抱きしめました。

自分の中でのモヤモヤが全てなくなり、認めてもらい、頑張るきっかけができた。これが生きる上でどれだけ活力になる事か。

僕の中で一生懸命生きていく。そう考える事ができた最初の一日でした。


下手くそな文章を最後までお読み頂きありがとうございます。
是非、お気軽にフォローだったりコメントくださいね。
ありがとうございました。
マゴメタクミ






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