見出し画像

旅の醍醐味、上海グルメを満喫

2023年12月に2泊3日で、マゴコロダイニングの代表二瓶氏、ツリーフードパートナーズの竹原社長等と共に、中国の上海へ視察旅行に行ってきました。
上海視察の一番のメインは何と言ってもやっぱり食事。どんな料理に出会えるのかワクワクしながら上海の街を探索しました。中華=辛いというイメージがありますが、上海料理は適度な辛さで日本人の味覚に合う味ばかり。気になるお店に入っては食べての繰り返しで、食欲が刺激されっぱなしの上海街歩きでした。ここでは上海視察で印象に残った料理を紹介していきます。


●絶品の小籠包にご満悦

小籠包を食べるならここがお薦めだよと日本にいる上海通の方に事前に教えてもらっていたお店、南翔饅頭店(なんしゃんまんとうでぃえん)。場所は観光名所である豫園(よえん)の中にあります。

風格のある立派な看板

ランチの時間帯に行きましたが、席はほぼ満席であちこちのテーブルにせいろが置かれていました。さすがの人気店、店内は美味しそうな匂いが立ちこめていて、気持ちが高ぶります。こちらのお店では、蟹やトリュフが入っているものからスイーツ系のものまで様々な具材の小籠包を取り揃えていました。各自食べてみたい小籠包を注文し、期待に胸を膨らませながら運ばれてくるのを今か今かと待ちます。そして待つこと数分で到着。せいろを開けると湯気がふわっと立ち上り、待ちに待った小籠包のお出ましです。

小籠包、いざ実食。

しっとりやわらかな生地をかじると、じゅわっとあふれてくる肉汁。そして餡は肉がたっぷりと詰まっていて、噛むほどに肉を味わう喜びが押し寄せてきます。少し甘みのあるやわらかな生地と肉と肉汁の旨味が一体となり、もうやみつきになる美味しさ。サイズが小ぶりなため、何個でも食べれてしまいそうです。これに中国の定番、青島ビールを合わせればもう至福の時間でした。
口に運んだ瞬間に幸せな気分をもたらしてくる小籠包の数々。我々はたくさん味わい尽くし、小籠包を食べるなら南翔饅頭店は訪れる価値大いにありと満場一致でした。この小籠包が上海で食べた初めての料理。これから始まる上海味めぐり、ますます期待が高まります。

この中には、あふれんばかりの肉汁が。
蟹肉入り小籠包。美味しさにうっとり。

小籠包以外のメニューも充実していて、我々は、チキンカツやスペアリブ、蒸し鶏なども注文し、満足感はもう上昇しっぱなしです。これらにも言うまでもなくビールが抜群に合いますので、飲む量がどんどん増えていきました。

チキンカツ。衣がサクサク。
スペアリブ。ビールとの相性抜群。
濃いめの味付けが多い中華ですが、こちらは上品な味付け。
イチゴのジャムを使ったスイーツ。せいろで蒸されて、ふわふわの食感。
壁には小籠包の包み方がイラストで。

●夜市で味わう中国家庭料理

上海は夜になると賑わいをみせる夜市が各所で開催されています。我々は「新周浦夜市」という夜市へ行きました。

煌びやかに輝くネオンがお出迎え。この日は雨で人はまばら。

「新周浦夜市」にはたくさんのお店があり、どのお店に入ろうかと目移りしてしまいます。我々は、食欲をそそるメニュー写真が入口にたくさん貼ってあるお店へ入ってみることに。早速定番の麻婆豆腐や炒め物などを注文し、テーブルに乗りきらないほどの料理が並んでいきます。
どれも美味しくて、みんなで思い思いの料理を食べてはうまい!を連呼していました。これは口に合わないというような料理は皆無。個人的には、カリフラワーの入った野菜炒めが特にお気に入りで、ほのかな甘さの中にピリッと辛味がきいた味付けに箸がとまりませんでした。
様々な料理をみんなで分けながら食べる、これぞ中華を食べる楽しさの一つとも言えます。一人ではこんなにたくさんの種類の料理は食べられないですからね。みんなで楽しく話をしながら、美味しい料理を食べて飲んでと大満足の上海の夜でした。

味も食感も良くて、レシピが気になりました。下から火で加熱していて常に熱々。
お馴染みの麻婆豆腐。辛いのを予想していたら意外と辛さは抑えめ。
いんげんと唐辛子炒め。いんげんが中華料理にこんなに合うとは。
中まで味が沁みた肉はしっとりで柔らか。

この日は雨ということもあり、我々が入ったお店にはフードデリバリーの配達員が次々にやって来ては料理をピックアップしていました。フードデリバリーの勢いを目の当たりにし、日本でも食を楽しむ場は今後外から内へと、ますますシフトさせていくのかもしれないなと、雨合羽をきた配達員がバイクで走っていく姿を見てそんなことを思いました。

●本場中国の火鍋に舌鼓

中国といったら火鍋はやはり欠かせません。前日に通りを歩いていたらたまたま見つけた火鍋のお店があったので、そのお店に入ってみました。

二瓶氏の嗅覚が反応し、ここは間違いないと。

我々は、トマト入り火鍋を注文。火鍋をコンロの上にセットしてもらい、食べたい具材を注文していきます。肉や魚、ホルモンなどの具材は、中央に置いた網かごの中に、野菜などはその外側にいれてくださいと最初に店員さんに教えてもらいました。野菜は取り放題となっていて、野菜が置かれているエリアから食べたい野菜をかごにいれて持ってくるスタイル。タレの薬味も同様に、にんにく、しょうが、香菜、豆板醤など自分の好みに合わせて調合します。

トマト火鍋。
この薬味をスープで割ってタレに。
野菜コーナー
薬味コーナー

火鍋のスープはトマトの風味がきいて後を引く美味しさ。辛さはじわりと効いてきて、ものの数分で冷えた身体を芯から温めてくれました。この日の上海の夜は冷え込みが強くすごく寒かったので、この火鍋を食べたときのありがたみと言ったらなかったです。
肉は、軟骨部分が一緒にくっついていて、軟骨のコリコリとした食感も同時に楽しめました。日本ではあまりやらない食べ方だなと。ホルモンはセンマイを入れたのですが、臭みもほとんどなくスープをまとったセンマイに薬味をたっぷりと絡めて食べればもう格別でした。

お肉。赤身の肉がスープと好相性。
肉や魚の旨味が染み出し、美味しさ倍増。
炒飯も注文。

我々は身体がポカポカになり、お腹も心も満たされてお店を後にしました。0時近くの遅い時間にも関わらず、地元の人が途切れることなく入店してきたので、このエリアでは人気店の一つなのかもしれません。
この日の前日にこのお店を見つけた時は店の前でコーンなどの野菜からとった出汁を売っていたのですが、飲んでみようかと思って二瓶氏が店員さんに声をかけたところ、「お金はいらないから飲んでいいよ」と言ってくれたのです。その出汁の味が美味しくて、こんな出汁を作るお店なら火鍋の味は確かだなと我々は確信したのです。実際に食べてみてその確信通り、間違いのない味でした。火鍋は是非中国で食べてみたいと思っていたので、このお店で食べることができて良かったです。

店内
前日に店頭に置いてあった出汁。コーンの甘みがきいた薬膳スープのような風味。

●屋台で味わう上海市民の日常の味

上海はものすごいスピードで発展しているとはいえ、歩道やビル前の空きスペースでは、屋台などの小さい個人店もまだまだ健在。活気づき始める朝の時間帯、老若男女問わず、OL、サラリーマン、肉体労働者など屋台で朝ご飯を買っていく風景をよく見かけました。

美味しそうな匂いに誘われて。
薄く焼いた生地に具材を乗せてクルクル巻いて出来上がり。↓が完成品。
甘めのソースにみじん切りの生姜がきいていました。

揚げパンや、饅頭、お弁当、おかゆ、肉まん、スープなどメニューはお店によって様々。お値段は、繁華街にある商店やチェーン店よりも安く食べられるので、出稼ぎなどで地方から来ている人達にとっては大変心強い存在なのではないでしょうか。お店の人は手際よく作って渡してと次々にお客をさばいていました。
支払いについては、小さい屋台でもQRで支払うシステムとなっていて、上海の経済のデジタル化はこんなに隅々まで浸透しているんだなと驚きでした。
偽札が多いといわれている中国では、どうやら現金でのやり取りは敬遠されることもあるようです。そのような貨幣価値に対する不信感も背景にあって、このQR決済での商取引が急速に広まったと言えるかもしれません。一方まだまだ現金主義の日本、デジタル決済が中国のように普及するのは遠い先のような気がします。

揚げパン↓とゆで卵を購入。
揚げパン。
温かいスープに薬味を入れてくれます。
ミニ小籠包のお店。食べ歩きにはちょうど良いサイズでした。
朝食にと肉まんを注文したのですが、アリペイがエラーになり購入できず(涙)
路上の屋台。

中国語が読めない我々は、基本的にメニューなどを指で差しながら注文していました。しかしとある屋台でお粥を注文したところ、鍋からよそってくれるお粥をイメージしていたのですが、市販品のパック商品が出てきたことがあったので、事前にどんなものか確認してから注文したほうがいいかもしれません。
朝に活気づく屋台、いったい上海だけでどれくらいの数があるのでしょうか。中国各地の料理があるそうなので、上海の屋台をめぐってみる旅も面白そうですね。

●中国4000年の歴史は麺とともに

やっぱり中国といったら麺料理も食べないといけません。中国が発祥の地ともいわれる麺ですが、ウィキペディアによると、約4000年前の麺が中国の喇家遺跡(らつかいせき)で発見されたとありました。つまり麺料理は中国4000年の歴史とともに進化してきたと言えます。今や世界中に広まって食されている麺がそんな遥か昔からあったとは。
中国の麺料理は、素材や形状、調理の仕方など地域によって様々ありますが、この日は牛肉麺のお店に入りました。キッチンで料理人と店番の女性が大きな声で何か言い合っているのをBGMに運ばれてくるのを待ちます。最初は喧嘩してるのかなと思いましたが、どうやら単にふざけ合っているだけのようでした。中国人は普通にしゃべっていても大きな声ですし、中国語自体が威圧的な口調なので、日本人の我々にとっては声で感情を判断するのは難しいです。

麺は米麺で柔らかタイプ
副菜は昆布の酢の物を。昆布の食感がやみつき。

さて牛肉麺のお味は、スープはニョクマムの酸味が程よくきいて飲み口はさっぱり。その後を追いかけてくる辣油の辛味とパクチーの爽やかな香りが良いアクセントをつけてくれます。中まで味が沁み込んだ牛すじ肉はトロっとほぐれる柔らかさでした。さらに牛すじ肉を煮込んだタレがスープに溶け合えば、甘みが加わり味の変化も楽しめます。麺は柔らかめで食べやすく、この時は既に一通り食べて飲んだ後だったのですが、一気に完食してしまいました。

のれんに一日三食と。
副菜コーナー
二瓶氏と牛肉麺

●フードコートには色んなメニューが勢揃い

南京東路駅にある大型のショッピングモールの地下にあったフードコートへ。広々としたエリアには麺料理、ご飯もの、鍋や串焼き、スイーツなど色々なジャンルのお店が軒を連ねていました。初めてみる料理も多く、こんな料理があるんだと中国の奥深い料理の一端を知ることができました。
ここでは、葱餅というものを私は初めて食べましたが、香ばしく焼かれていて、葱の風味とともにカリッモチッとした食感がたまりませんでした。私自身葱好きなので、葱をふんだんに使ったこの葱餅というものを上海で食べることができたのは大きな収穫。日本で見つけたらまたぜひ食べてみたい味でした。

葱餅屋。クリスマスが近かったのでサンタ仕様の店員さん。
葱餅屋。分かりやすく葱がどんと。

中国語は分からずとも、だいたい店頭で料理人が作っているのを見ることができたり、メニュー写真が入口に置かれていたりするので、何のお店なのか分からないということはないかと思います。人気のあるお店にはけっこう人が並んでいたので、そうゆうお店に入るのが一番確実かもしれません。

温かいと思ったら冷製麺でした。じわりときいてくる辛さ。
角煮丼。なぜかご飯が別盛でもきました。
通路にテーブルが出ていたりで路地裏感あって雰囲気よし。
デザートもいただきました。寒天で作った身体に優しい味わいでした。
桃の他に、白きくらげ、なつめ、クコの実などが入った薬膳系スイーツ。

●お洒落に上海の夜を満喫@日系レストラン「Sober Company」

マゴコロダイニングの木村氏がぜひ行ってみてくださいということで訪れたレストランバーの「Sober Company」。復興(フーシン)公園内にある煌びやかなビルの中にお店が入っていました。ちなみにこのビル内の他のフロアには様々なジャンルのクラブが入居しているとのことで、上海におけるポップカルチャーの発信地にもなっているそうです。

キラキラした外観はひときわ目立っていました。

「Sober Company」は「日本」をテーマとして、軽食とドリンクを楽しむ場所(喫茶)と食事をするエリア(居酒屋)、そして二階にはこだわりのお酒を取り揃えたバー(酒場)に分かれていて、その時の気分によってエリアを選択する仕組みとなっていました。
我々は、喫茶で軽くお酒を飲んでから、居酒屋のフロアへ。ここではなんと和食のメニューが用意されていたので、みんなで各国の都市をイメージした手巻き寿司を注文してみました。「東京」、「成都」、「ホーチミン」といったそれぞれ異なる都市のお寿司は、どれも創意工夫が凝らされていて、意外性のある組み合わせにも関わらず、素材の味が見事に調和していました。お寿司の概念を超えたまさにニュースタイルのお寿司、大変美味でした。

巻き寿司専用の台に乗せられて提供。ツナ、パクチー、ナンプラーで「ホーチミン」をイメージ。
「上海」は上海蟹、はちみつ生姜、米酢を合わせて。
都市は「サンパウロ」。ウナギ、カカオ、コーヒーの斬新な組み合わせ。
シェフの洗練された手さばきを間近で。
お酒のおつまみに注文した、まぐろのユッケ。

食事を楽しんだ後は、酒場エリアでカクテルを飲みながらくつろぎの時間を過ごしました。カクテルは、北は北海道から南は沖縄まで、ご当地の特産品を使ったオリジナルのカクテルを取り揃えています。私は青森のリンゴのカクテルを注文。グラスのふちに塗られた塩がリンゴの甘みを引き立ててくれて、こんなに飲みやすくて美味しいカクテルがあるなんてと驚き。カクテルに力を入れているようで、本当に素晴らしい味でした。書いている今も思い出して、また飲みたいと思うほどです。

カクテルは宝石のよう。
バーエリア。心地よい音楽と落ち着きのある空間。

スタッフの方への教育もしっかりと行き届いているのでしょう、心のこもった気持ちの良い接客で、おもてなしの精神を上海でも感じることができました。おかげさまで、上海の最後の夜、とても心地の良い時間を過ごさせていただき「Sober Company」の皆様方には大変感謝です。ありがとうございました。

●有意義な経験ができた上海視察

世界三大料理の一つである中華、本場の味を食べることができて、大変勉強となる視察旅行でした。国が変われば料理も変わる、当たり前のことですが、それを舌で感じることができました。日本で馴染みのある料理でもやっぱり中国で食べるからこそ、その美味しさはひとしおですね。あれもこれもと食べ過ぎてお腹がはちきれそうになるたびに、満腹中枢がなければいいのにと思いました。

今回の上海視察では、たくさん食べて飲んでと美味しい時間を過ごすことができましたが、何よりもそれは日々同じ目標に向かって突き進む仲間と一緒だったからこそ。純粋に仲間と笑いあって美味しいものを食べる、それに勝る時間はないのかなと思います。トラブルや失敗も多々ありましたが、この仲間で行ったからこそ、全てひっくるめて五感を刺激されまくった面白い旅になりました。

対中関係はまだ良好とはいえない状況でしたが、上海では日本人だからということで排他的な対応をされることもなく、出会う人は親切な人ばかり。中国といっても、そこに住む人たちの考えは人それぞれですし、中国というだけで一括りにしてはいけないなと、そう強く実感しました。また上海を訪れたいです。上海、本当おすすめ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?