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SM進化論2 決戦! サド vs. マゾ

考古学の発掘調査によると、原始時代の人類は、というか原始時代の人類”も”、お互い殺し合いをしまくっていたようです。発掘された頭蓋骨の多くには、左側頭部に陥没痕があるから、そのようなことがわかるのだそうです。

つまり頭に狙いをつけた左側への攻撃を、頻繁に受けていたのです。
陥没するということは、石などの武器を用いたはずで、武器を持って頭だけを狙えるのは同じ人類だけです。おそらく太古の昔から、右利きは多いはずですから、正面を向いた相手の左側へ攻撃が多かったのです。

右手に石を持ち、正面を向き合って、殴り合って、頭蓋骨が陥没するような、ヒリヒリするスリリングな戦いを繰り広げていた。
その果てに、生き残った子孫が我々だということです。
つまり、そんな遺伝子が我々に残されているのです。

前回の最後に、サドは脳内麻薬のドーパミンが過剰に出て、興奮するのだと書きました。(SM進化論1 サドとマゾの違いは脳内麻薬の違い
相手の苦痛に歪む顔や流血を見た時、過剰にドーパミンを出して、興奮状態になれるのがサドと考えました。また進化論的に考察します。

さて仮にS度ゼロ、つまり相手の苦痛を見ても興奮しない人間が戦っているとしましょう。
そのサドゼロの攻撃がたまたまヒットして、相手に傷を負わせます。相手は傷によって苦痛に顔を歪めます。血も出ます。
サドゼロは興奮せずに「ああ、ごめんよお、痛かった?」「うわー血だあ」という”人間的な”感情に一瞬包まれて、ひるんでしまいます。
戦いではひるんだり、怖じ気付いたりすると負けです。相手はその隙を逃さず反撃に出ます。
さてその後、サドゼロは戦いに勝てるでしょうか。勝つ確率は低いでしょう。そういう戦いが何万年も続くと、サドゼロの血統は途絶えてしまうでしょう。

逆にS度マックスの人間だとどうでしょうか。相手の苦痛でみるみる興奮できる人間です。サドマックスの一撃が相手に当たります。相手は苦痛に顔を歪め、血を出します。
サドマックスは、当然その光景を見てドーパミンを出して興奮し、攻撃の手を緩めません。「ウヒョー、オラオラオラー!」という雄叫びを上げ、相手にとどめを与えます。さらにドーパミンは出ます。もっとドーパミンが欲しくなります。助けに来る敵の仲間を、次から次へと倒していきます。
そういう個体は生き残るのはもちろん、仲間から信頼されリーダーとなり、繁殖競争にも有利になるはずです。

苦しんでいる相手に興奮するサドマックスの末裔が、我々なのです。
他人の不幸を蜜の味と思える感覚、ついつい悲惨な事件や事故のニュースを見入ってしまう習性は、自分はああならなくて良かったという安堵感と言われていますが、違うと思います。サドの血が流れているために、ドーパミンが出て、酔いしれているのです。

カーン!

さあゴングが鳴りました! 
始まりました、世紀の一戦、サド対マゾです!

バシッ

おーっと、いきなりサドがパンチを繰り出し、マゾにヒットしましたあ!
しかし、マゾは痛がりません。不敵に笑っているようです。
効いてるはずですが!
グンジさん、これはどういうことでしょう?

あーたぶん、マゾはエンドルフィンを出して、苦痛を和らげているからでしょう。

なるほど!
勝負は一進一退です!
しかし、サドはいつものような迫力がありません。

あーたぶん、相手が痛がらないので、サド得意のドーパミンがあまり出なくて、なかなか興奮できないのでしょう。

なるほど!

バシッ

おーっと、こんどはマゾのパンチがサドに当たりましたあ!

ぐお

サドは苦痛に顔を歪めます!

あーたぶん、このサドはマゾ体質ではないので、エンドルフィンが足りないのでしょう。痛さに耐えられないようですね。

なるほど!
そのせいか、サドの攻撃の手が緩んだようです!

ぬおおおおおおー!

おーっと、マゾは興奮し始めました!
これはどういうことでしょう?

あーたぶん、このマゾはサド体質でもあるのでしょう。苦痛に歪める顔を見て、ドーパミンが出て興奮しているのですね。

なるほど!

どおりゃああああー!

おーっと、マゾが、えーサドでもあるマゾが、どんどん攻めていきます!
サドは、うーマゾではないサドは、防戦一方だあ!・・・
いやー興奮しますねー。

あーたぶん、あなたもサドなのでしょう。
ドーパミンが出ているのですね。

なるほど!
それではまた。

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