不動産投資に、インサイダー取引はないの?

証券市場は、
公正性が担保されている場です。


例えば、A銘柄に1,000円の
株価がついている場合。
日本中、どこで買っても、
その時は1,000円です。


初めて株式投資に足を
踏み入れた人であっても、
お亡くなりになって相続が発生しても、
A銘柄を持っている人は、
バックグラウンドに関係なく、
等しく1株1,000円の価値で評価されます。


証券市場は、基本、
一物一価です。


なので、私は、金融資産に関しては、
機械的に、「積立」という方法で、
自分の感情を込めずに、淡々と
お金を投じています。
自分でコントロールできる要素が
少ないからです。


一方、実物資産の代表と言われる、
不動産はどうでしょうか?


不動産に関しては、教科書的には
「一物四価」と言われています。


「時価」
「公示価格」
「路線価」
「固定資産税評価額」です。


ひとつとして同じ不動産はありませんが、
その時の立場によって、同じ不動産でも、
価格に違いがある、ということです。


その違いがあることに対して、
「相場操縦だ」とか「インサイダー取引だ」と、
あなたは思いますか?


思いませんよね。


なぜなら、国などの公的な機関が、
定めている価格だからです。


だからこそ、
相続税の節税に、
不動産が活用されたりします。


むしろ、不動産は、いい意味で、
インサイダー取引でないと成り立たない
市場だと、私は考えています。
そこが、不動産の面白味や人間味にも、
通じるのではないか、と。


不動産情報のポータルサイトを見ると、
玉石混交、様々な物件情報が
掲載されています。


ネットに掲載されている時点で、
証券市場と同じように、日本全国、
ひいては海外からでも、見ることができます。


例えば、ある物件が、2,000万円で
掲載されているとします。


あなたは、その物件を
2,000万円で買いますか?


これには、正解はありません。
その物件についている2,000万円の価格を
安いと感じる人もいれば、
高いと感じる人もいるからです。


また、売りたいと考えている人にとっても、
2,000万円でなければ売りたくない
という人もいれば、
売れるならもう少し下げて売っても良いと
考えている人もいるからです。


つまり、ネットに掲載されていて、
周知されているとしても、
証券市場のように、必ずその価格で、
というのが存在しないのが、
不動産市場です。


さらに言えば、そもそも、ネットなどに
出てこない情報も、たくさんあります。
それこそ、証券市場的に言えば、
インサイダー取引です。


でも、不動産でインサイダー取引をしても、
罰せられることはありません。
なぜでしょうか?


それは、不動産は、相対取引だからです。
売りたい人、買いたい人という2者の
やりとりだけで、完結できるからです。


おおよそ、このくらいの価格であれば、
取引が成立しそうだという目安の相場的な
ものは存在しますが、
それは、あくまでも、個別取引を積み重ねた
過去の平均値でしかありません。


なので、相場的に示されている価格に
関しては、参考程度にとどめて、
あまり大きく気にしなくても良いのでは
ないか?と私は考えています。


さすがに、かけ離れているようなのは
論外ですが、もしかけ離れた価格が
つけられているとしたら、
購入する側が魅力を感じず、
取引が成り立ちません。


なので、需要と供給のバランス、さらに
ひとこと付け加えるとすれば、金利の動向、
受けられる融資の状況なども踏まえて、
双方が納得できる価格であれば、
成り立つのが、不動産取引です。


その時の価格が高いか安いかは、
あくまでも主観によるところが大きく、
高かったのか安かったのか、というのは、
数年後、あとから振り返って見た時に、
「あの時は・・・」みたいに感じるのです。


相対取引の不動産だからこそ、
いい意味でのインサイダー取引情報に
近づけるように努めること。


デジタルの時代とは言われていますが、
まだまだアナログ感、人づての情報などが
大切な不動産取引。


良い情報は待っていて、
自然と届くものではありません。


ご時世的にはばかられると感じる方も
いらっしゃるかもしれませんが、
不動産は、人との出会いこそ大切だと
私は感じております。


良好な人間関係を築ける努力をすること。
インサイダー情報(ネットなどに出てこない、
未公開情報)を受け取れるような人間関係を
作ること。


そんな視点も、
不動産投資、大家業においては、
必要ではないかと私は考えていますが、
あなたは、どう思いますか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?