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マグノリアの家
2019年1月26日 18:11
なーんの役にも立たない本だ。でも、私は夢中でページをくって読んだ。現れたのは色鮮やかで、明るくて、透明で、軽やかな世界だ。これは、1987年に刊行された澁澤龍彦の数少ない小説だ。澁澤59歳。咽頭癌の治療、療養中にも執筆を続け脱稿。この年頸動脈瘤破裂で亡くなっている。高丘親王は実在した人物だ。平安時代、平城天皇の第三皇子として生まれ、幼年藤原薬子に可愛がられ育つ。政争に敗れ出家、空海の弟子とし
2019年1月3日 21:35
自分が世の中にどう刺さっていくか。それが生きる上でのその人の人生の仕事だとしたら、日本における作家という仕事の価値は、社会的コンセンサスを得ているだろうか。黒船の世紀の著者猪瀬直樹は、作家の仕事の価値を社会に刺そうと、インストールしようとしているように思う。本著は歴史をなぞらえつつ、過去の作家の仕事を発掘する事で、作家の仕事とは、どういう影響を与えうるのかを浮き彫りにする。合わせて「日本人の精