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「その財源はどこから?」を考えるのも『福祉』


今回はこの記事を見て行きます。

【記事の概要】


・大阪府は介護・福祉・保育などの現場を支える職員に対し、1人あたり2万円のギフトカードを新たに配付する方針。

・その財源を盛り込んだ今年度の補正予算案を今月の府議会へ提出すると、吉村洋文知事が先月末の記者会見で明らかにした。


昨今の著しい物価高騰のほか、介護・福祉・保育などの現場で依然として新型コロナウイルスとの戦いが続いていることを踏まえた措置。

・吉村知事は会見で

「介護・福祉・保育などの仕事に従事されている方々、コロナ禍も残る高い緊張感の中で働いて頂いていることに感謝申し上げます。この物価高の中で十分なものではないかもしれないが、支援策を講じさせて頂く」

と述べた。


・2万円のギフトカードが新たに配られる対象者はおよそ41.4万人。公務員を除いて、大阪府の介護・福祉・保育などの現場でサービスを提供する全ての職員が対象。

・今年の12月から来年の2月頃になると見込んでいる。予算規模は約87億円にのぼる

【利用される介護・福祉分野】



こうした「お金のバラマキ」が行われる時は、得てして「不都合なことを知られたくないとき」であることは、長年政治を見てきている方には馴染みのあることかと思います😔


吉村洋文知事といえば先日の大阪府知事選挙で再当選され、府民の支持の厚い方と言えます。(そうでなければ当選できませんからね😅)

その府知事選で話題となった「IR事業」については当初の予定を遅らせる等の課題が出ているようです😧



こうした「不都合なこと」から視線を逸らされるように「良さげなこと」が行われるのは政治の常套手段であり、またしても「介護・福祉」分野が利用されたことに、そろそろ介護・福祉職は一言持った方が良いかと思います😓



そもそも「コロナ禍も残る高い緊張感の中で働いて頂いている」状況は、2023年5月にコロナウイルスが5類に下げられて尚医療・介護分野においては引き続きマスク着用を推奨すると国から言われていることから生まれたもの。

ただその感染症予防対策に効果が見込めない理由は、こちらにまとめた通りです😨



医療・介護分野ではいまだにコロナ禍が続いている訳ですが、それが誰の、何のためなのか。今一度冷静になって情報を精査する時期なのだと思います。

ちょうど宮崎駿監督の映画「君たちはどう生きるか」が上映されていますし、この映画がなぜ2023年の今に上映されたのかも含めて考えてみると、振り返りには良いかと思います😊

【考えてみれば…】



介護・福祉・保育などのエッセンシャルワーカーへの支援は必要なものですから、「2万円のギフトカードを配布する」こと自体悪いことではない、と思われるかもしれません。


しかしその財源は「府民の税金」から出される訳ですから、同じ大阪府民であるエッセンシャルワーカーも「2万円分のギフトカードをもらう為の税金を支払った」ことになります。

またギフトカードは日本円よりも使用用途が限定され「特定の業界、店舗」でしか使えないものですから、素直に喜べるものではないと言えます😰


「それでも貰えるならいいじゃないか」という方もいらっしゃるでしょうし、府がそう決めた以上もらうより他ないですから、「もらうこと」そのものは受け入れれば良いかと思います。


ただ、2022年の『介護職員等ベースアップ等支援加算』が事実上の増税を招いたように、国や地方自治体などから施されるほど国民は貧しくなることを押さえておかなければなりません😱

【「福祉とは何か」を見つめ直す】



改めて『福祉』の定義を振り返れば「人のしあわせ、ゆたかさ」だとわかります。

福祉(ふくし、英: Welfare)は、「しあわせ」や「ゆたかさ」を意味する言葉であり、すべての市民に最低限の幸福と社会的援助を提供するという理念を表す。

福祉 ーWikipediaー


「すべての市民」には福祉サービス利用者だけでなく介護・福祉従事者も含まれます。

ですから福祉を考える時には「自分だけよければ良い」という発想では成り立ちません。


福祉が成立する前提には『公共の福祉』という視点が欠かせないのです。

第十三条
すべてにおいて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

日本国憲法第13条 ーWikipediaー



つまり介護・福祉従事者においては

それが人のしあわせ、ゆたかさにつながっているか

という視点で現場を、現状を、現象を捉えて『現実』を見ていくことが本来求められる訳ですね👨🏻‍🏫


ただ実際にはこうした「定義から見直す(『ヒト』を見る)」ようなことは介護・福祉の仕事で求められておらず、「介助(あるいは支援)」=『コト』をこなすのが役割だと教えられているのが常です。


ですから、今の社会は『コト〉ヒト』の社会に傾いており、このまま科学的根拠に基づいた「科学的介護」がもたらされれば、より「介助(支援)」に偏重した介護・福祉サービスが提供されるのではないかと懸念しています😔

【まとめ】


今回は「大阪府で介護職等エッセンシャルワーカーに2万円分のギフトカードが配られる」話をしてきました。


こうした動きはその背景から見た方がよくて、その動きが見える人が『福祉の実践者』なのだと僕は考えます。


目の前の方の介助や支援をすることも、もちろん大切です。

ただ、大切にしてきた方々が社会の中でより生きづらくなる可能性を見逃してしまえば、結果的に「大切にできていない」ことにされてしまいます😭


ミクロとマクロの両方の視点から『福祉』を捉えること。良い側面ばかりを見るのではなく、あらゆる面を見ようと努めること。

何より、こうした思いを誰よりも先に自分自身に問うこと。


福祉は1日にしてならず、ですね☺️




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