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稼げるパート介護士と、問われる介護の本質



今回はこの記事を見ていきます。


【記事の概要】



・厚生労働省によれば、介護職員の必要数は2025年度は243万人、2040年度は約280万人になる。

それに対して、2019年度の介護職員数は約211万人で、このままいけば2025年度は約32万人、2040年度は69万人の不足が予想される。


・労働基準法の改正に伴いパート介護士が給与など福利厚生面でなぜオススメなのか、人手不足解消の鍵を握るのかを現役パート介護士である「さかもとままる」さんに話を聞いた。


[労働条件明示ルールの改正]



・2024年4月より労働条件明示のルールが改正された。


1、就業場所・業務の変更の範囲(すべての労働者)

就業場所が一カ所か複数箇所か今まで明示する必要がなかったが、明示する義務が追加された。


2、更新上限の有無と内容+更新上限を新設・短縮する場合、その理由をあらかじめ説明すること(有期契約労働者)

労働雇用契約更新の有無、その内容、更新上限の新設・短縮する場合、その理由を明示。


3、無期転換申込機会、無期転換後の労働条件+無期転換後の労働条件を決定するにあたり、他の正社員等とのバランスを考慮した事項の説明に努めること

5年間同一場所で勤務している有期雇用者は、労働者側に有期雇用を継続するかまたは無期雇用に変更するかを選択可能になり、使用者側は明示しなければならないと変更。

加えて、今年の4月から労働者側が有期雇用から無期雇用に転換した場合同じ仕事をするのか、プラスアルファで別の仕事があるのか使用者側が明示する必要がある。

[パートをお勧めする4つの理由]



・パートをお勧めする理由は


① 介護業界は正社員の副業を禁止する事業所が多いイメージだが、無期雇用なら自由に副業できる可能性が高い。


②1人が複数の介護施設で働くことが可能になって介護業界の人手不足解消にもつながる。


正社員とほぼ同一で有給休暇や社会保険など福利厚生がある。


④介護業界は一部を除いてポストが少なくキャリアップがしにくく昇給が少ない。

よって正社員でわずかな昇給で施設長するよりパートで自由に働いた方が自由で生産的。


【介護施設を横断する?】



個人的にも「介護職の副業」は解禁すべきだと考えている為、今回の内容は共感するところが多いです😊




一つ異なるのは、副業でやる仕事は「介護・福祉以外」で個人事業主あるいはフリーランスとしての仕事を推奨している点。


なぜ介護・福祉以外の個人事業主・フリーランスとしての仕事を推奨するのかというと


①介護・福祉の知識、技術、経験を深めるだけでは介護職の総合力が高まらず、別業界の仕事を体験することで社会人としての多様性を得られる

② 個人事業主やフリーランスは労働基準法の対象外となり、労働時間等手続き上の煩雑さを雇用主に背負わせない

③「仕事がある有り難さ」「給料がもらえる有り難さ」を知り、仕事に対して『自責思考』となり、本業への帰属意識が高まる

④社会の成り立ちへの理解を深め、社会福祉の実現に向けてより現実的な実践法を思案できるようになる


といった理由が挙げられるからです。


それだけに、介護施設を横断するパート介護士の在り方に関しては


・新たに知識や技術を身につける必要がない分、介護福祉職なら誰にでもできる

介護人材不足に対する解決策の一つとなりうる


という点でメリットはありますが、


・収入源を同じ業界に頼る以上、介護、福祉業界への依存体質から抜け出せない

・国の意向に対して異議を出せず、国が誤った方向へ進んでも現場からは是正できない
(そもそも誤ったとも気付けず国を貧しくする)


といったデメリットもあります。


メリット・デメリットを並べてみると、介護施設を横断する働き方を「自分でやってみよう」と思えるか、一人ひとりが判断しやすくなりますね👨🏻‍🏫


【迫り来る課題と問われる介護の本質】



介護人材不足解消は喫緊の課題であり、2025年問題としても有名です。

また介護離職やヤングケアラーといった社会問題も深刻化していきます😰





この事態をして

「親の介護を無料でやるか、他の親の介護を有料でやるか」

という『一億総介護職時代』に差し掛かっている、とお伝えしています😳


そして介護人材不足を解消する具体的手段として外国人労働者や介護ロボット等テクノロジーが挙げられます。





こうして見ると、「介助の手」をどうにか整えようとする動きがあることがわかります。


地域の介護・福祉サービスの供給が途絶えてしまうと家族が介助に時間を割くことになり、場合によっては仕事を辞めて介助の時間を作らなければならなくなります😔


年代としては40〜50代、組織の中核メンバーが家族の介護の為に要職を降りたり退職を余儀なくされたりすれば、社会全体にとっても大きな損失となる為、介護人材そのものは早急に対応しなければならない問題ではあります。


しかし、「介助さえしてくれればなんでも良い」という話ではなく、被介助者と、人として向き合える介助者が増えないことには、


介護上のストレスから暴言・暴力、果てに虐待まで行き着く

介助者が肉体的・精神的に参ってしまう


といった二択に陥ってしまいます😭





これではいくら介護の担い手が増えようとも、すなわち表面的な介助の課題を解決しようとも、「しあわせ」にも「ゆたか」にもなれていない為、介護の本質である『福祉』の実現からは遠ざかっていきます🥲


それだけに今の「介護・福祉」は、


必要とされる介助(コト)の議論


が盛んになる一方で、


介助する人、される人(ヒト)の議論


が後ろに追いやられているのではないでしょうか?


【まとめ】「正職員介護士」である『意味』はより本質的に



今回は「パート介護士」について見ていきました。


介護職の給料やキャリアアップに限度がある以上、自分の人生の時間をそこへ費やすかは

自分はどう生きたいか

によって決められることでしょう。





実際、一つ処に留まるよりも、様々な施設で「条件の良い所取り」をした方が月の稼ぎが良いことが、今回の記事で明らかになった訳です。

また、それらの経験を情報発信することでYouTubeの広告収入や書籍販売などの横展開もできます。


介護人材不足が言われる中で、介護人材を確保する手法として「副業:介護」も視野に入れられるようになると、人手不足から解放されるかもしれません。


懸念点があるとすれば、そうした人材を受け入れる為には「業務のマニュアル化」が欠かせず、提供される介護(介助)サービスが画一化されること。

この流れが行き過ぎれば、サービス利用者を『ヒト』としてではなく、必要とされる介助『コト』として見るようになっていきます😨


それは「人として扱われない孤独」を生み出し、利用者の心身に陰を落とし、『病』を生むことになるかもしれません😢


そうした『病』に医療や薬を積極的に用いるようになれば医療費の拡大につながり。


社会保障費を圧迫された結果、一部の介護報酬が減算され、生活費を稼ぎたい介護士が「報酬単価の多い業態」へ副業として出稼ぎするようになり。


施設運営がより複雑化し、中小規模の施設の倒産・統合が相次ぎ、大手の寡占状態となり。


画一化された介護サービスは充足するものの「生かされる」介護へと傾倒し、またサービス利用者の心身を蝕んでいく。


こうしたループが国全体をさらに貧しい方へと向かわせる……というのは、どこまでが「考え過ぎ」と言えるでしょうか。





こうなると「正職員として働く意味」もまた、より本質的にならざるを得なくなります。

「お金が必要だから働く」のであれば、無理に正職員になる必要もない時代に変わってきているのですから、

何のために働くのか

といった理念・信念がより際立ち、重要となっていきます。


もちろん、待遇の良い所からわざわざ離れてパート職員になる必要はありません。

「自分が置かれた環境はどうか」を見直し、自分が打てる手段を見直すことで、自分に合った働き方も見えてくるでしょう😊



今回もここまで読んでもらい、ありがとうございます☺️



この他にも介護ブログや読書ブログを運営しています。

今回の記事に共感してもらえたり、興味を持ってもらえたなら、ぜひご覧ください☺️


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