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その地方創生は、誰のためのものか?

地域創生とは何か

地方創生って言われているけど何なんだろうか。誰の何のためのものなのか。

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社会課題解決の会社を作ろうと思ったとき、分かりやすく社会課題解決をしている人たちは口々に、「地方創生に携わりたい」と言っていた。

特に、都市部出身でない人は地元へのアイデンティティが強く、「自分が行動しなければ」という責任感のようなものがあるようにも感じた。

産業のあらゆる部分で限界を迎え、モノの価値、場所の価値が見直されていくなかで、これまで以上に「地元」をどうにかしたい、もしくはどうにかできるのではないかと考える人は確実に増えている。

確実に、と言い切れる理由は社会的な背景だけでなく、大学の学部に「地域」と冠するものが増えたこと、名を冠せずとも大学の学びの方針として「地域」を掲げるところが増えているからだ。

例)
国立大学:宇都宮大学地域デザイン科学部、高知大学地域協働学部、宮崎大学地域資源創生学部など
私立大学:明治大学政治経済学部地域行政学科、東洋大学国際地域学部など

そして、それに伴って、ミクロ的な視点で学問を学び、その還元先を明確にイメージがついている人が増えたことも、この地域、地方創生に対する意識が向上したことに大きく寄与している。

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さて、神奈川県西部の限界集落一歩手前の田舎町で育った僕自身の話をすると、今では立派な消滅可能性都市に数えられている地元を見ても「どうにかしたい」とか「どうにかなりそう」ともあまり思えない。
湘南と小田原・箱根に挟まれ、海と山があるというと聞こえは良いかも知れないが、それ以外、観光資源として誇れるものもない町で、なにか施策を打ったところで響くとも正直思えないからだ。

一方で、それでいいとも考えている。
同じ県民にすらあまり知られない町。快速アクティーは止まらないし、旅行客数という概念すらない町。あの町は、あのままですべてで、でも、おそらく住んでいるほとんどが、その町を好きでいる。

だからこそ、僕は地方創生を施策で盛り上げていくこと、自治体やコーディネーターによって「地域振興」していくことに違和感を持っていた。
果たして本当にその地の人が望んでいることなのだろうか、と。

地方創生、まちづくり、地域振興においては、ほぼ例外なく、その地域での旗振りを行い、盛り上げている人がいる。だから、そこに関わる人、特に学生は「地域の人が地方創生を望んでいる」というふうに思いがちだ。しかしその実、往々にしてやる気のある人の声が届き、そうでない人は関わってこないため声を拾うことが難しい。
つまり、一部の人以外にとっては「望まない開拓者」になっているケースがあり、これは「平成狸合戦ぽんぽこ」で起きていることにほど近いと考えられる。

その地方創生は、誰のためのものか?

この問いを自問したときに、それが「声を上げている一部のやる気ある市民」のためだとしたときに、サイレントマジョリティにとっては望まない方向なのだろうか?

では、多くの人にとって望まれる地方創生とは何なのか?

当然、声を上げることのない、地域活動に参加されることのない、そういった市民の方々の声を拾うことができるのであればそうすることが望ましい。でも、もしそういったことが難しいのであれば、「まちの形が変わらない地方創生」というものを考えていくことがその一歩なのではないかと考える。

例えば、大規模な施設の誘致や大規模な観光地化など、税金などの徴収ができるようになるという自治体的な思惑があったとしても、市民としては望まない開発であることがほとんどだろう。
税金がなければ住民サービスや、望まれる地方創生もできないという声もあるかもしれないが、やはり税金や助成金に頼るような仕組みではなく、事業として資金が回るような仕組みを考えながら新たな試みをするというのがこれからの地方創生においては重要になっていくのではないだろうか。

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これまでは地方創生というものの実績作りのために様々な施策が猛スピードで行われていた印象があるが、やはりそこには無理もあると言わざるを得ない。
まちが緩やかに変化して今のかたちになっているように、これからのまちの変化もまた、同じだけの時間をかけてかたちを変えていくような、そんな無理のない変化の仕組みというものがこれからの地方創生には求められているような気がしてならないのだ。

僕たちは、事業を通じて社会課題解決を行い、事業者の支援を通じて社会に良い仕組みを増やしていくことを掲げている以上、この「地方創生」というテーマから離れることはできないだろう。

残された地域は、誰かの思い出に、依代になる地域は、未来にその地で育ち、過ごす人たちだ。
そういった見えない、出会っていない人たちに思いを馳せながら、これからの地方創生を多くの人と向き合っていきたい。

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