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SDGsと、ソーシャルベンチャーと、

突然だが、SDGsを名乗る事業をやめた。

もちろんどこかのタイミングで再度復活させることもあるかもしれないけど、今の段階でこの名前を冠して事業をすることが相応しくないと思ったからだ。
SDGsコンサルティングとしてやっていた事業は「地方創生事業」と名前を変え、名前の通り「地方創生」を主軸に、事業創出や支援を継続していく。

そもそもSDGsとはなんだったのか

この1年でSDGsという言葉を知らない人は一気に減っただろう。
事実、2020年の夏の時点では認知度は10%程度のはずだったが、2021年では50%を超え、特に10代では70%を超えている。

メディアでも特集を組まれることが多くなり、呼応するように企業のPRでもSDGsを前面に出すものが増えた。
明らかに今、特にビジネスという観点では、この領域でポジションを獲得することには価値があるだろうと思う。

一方で、ハコモノとしての批判が増えたことも事実だ。
「施策として何かを行うことよりも、ありものを再定義しているだけで、何も解決してはいないではないか」という批判である。

「新たにどう取り組むか」が論点の中で言い換えでブランディングを行うことに批判が集まるのは仕方がないとも言えるが、そもそも各社が「これまでやってきた配慮や取り組み」を前面に押し出して企業としての差別化が出来る機会が少なかったことを思うと、「ダメなこと」として断罪することもないのではと思う。

では、そもそもSDGsとは何か。

SDGsは「MDGs(Millennium Development Goals)」という2000年に国連が採択したものをベースに、先進国だけでなく、全世界的な取り組み・協力が必要だとして2015年に採択されたものである。

その取組が先進国のものだけでなくなったのは、全世界的な課題を少ない国家で解決出来ない点や、2009年の「地球の限界(プラネタリー・バウンダリー)」という概念の提唱、そのための人間活動と環境保護の共存や経済基盤、社会基盤を安全かつ公平に守るための施策として作られたためだ。

「環境、社会、経済、それに多大な影響を与える技術についてどう向き合っていくのか」というのがこの問題の本質であり、一企業だけでなく自治体や市民も含めていかに開かれた形で課題解決に向き合うのかが、今問われている。

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だからこそ、多くの人とプロジェクトを進める土俵に立つために国連の施策の中にある「認知活動」が必須なのだ。それと同時に、それがハコモノにすぎないと批判が噴出している。

この賛否両論の中で、「ソーシャルベンチャーと呼ばれる企業はどうあるべきか」というものが問われているのではないだろうか。

SDGsを事業名に冠しないのはなぜか?

弊社のことに話を戻そう。
個人的には「改めて名を冠するものではなく、もっと当たり前にあるべきもの」だからこそ、事業名に冠することよりも「各事業の中で当たり前のように意識し、取り入れるものにするべきだ」というのが結論だ。

ソーシャルベンチャーの中でも、既に取り組んでいるものをSDGsと呼べるものもあれば、新たに取り組むべき課題をベースに事業を創っている企業も存在する。
ただ、自分たちはそういった「想いのある事業者を支援すること」をミッションとしているため、自分たちが現場のスペシャリストなわけではない。

そうなると、「この事業だけはSDGsの色を出していくものです」というのもおかしなことで、本来はどのような形でも「それを通じて社会課題解決が出来ているか?」を考えなければならない。

とすると、現在取り組んでいる、多くの人と社会に対する問いかけや向き合い方を考えるメディアである「DaiFUKU」や地方創生の事業などを通じて、自分たちなりのアクションが目に見えたときに初めて、本質的な意味で「SDGsという冠との向き合い方」が決まるのだと思う。

既に企業は実行力を問われるフェーズにきている

先にも触れたように、すでに10代ではSDGsという言葉やその中身について知っているということは当たり前になりつつある。
同時にESG投資を含めて、全世界的な投資基準に事業が「社会課題解決的であるか」ということは問われているうえに、広報やブランディング的な差別化は一次策として完了しつつある

つまり、今後、いまの10代が企業を選ぶ段階になり、就職先の基準にも投資と同一の基準で見られることは確実視されているのだ。

実行力のフェーズにおいては「社会課題解決にも関心がある」程度では価値を成さないし、更に言えば「何に取り組んでいるか」ということに焦点があてられていくだろう。

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事実、「SDGsコンサルティング」なんてものは本来は存在しなく、その内容としては「課題解決をするための事業の創出」「PRのためにSDGsを活用する方法指南」のどちらかに落ち着くことがほとんどである。

そう考えたときに自分たちは前者でありたいし、PRのお手伝いをするのはあくまでも「ブランディングとそのクリエイティブを制作すること」であり、あくまでその中でSDGsに関連する要素を探す、というアプローチでありたい。

わたしたちは挑戦者を支援する事業会社である

僕らがやりたいことは「SDGsを浸透させること」でも「企業のPRにSDGsを使うこと」でもなく、「社会課題解決の挑戦者を支援すること」であり、そのために「あきらめないですむ仕組みをつくること」だ。
そのための一歩目として、今は自分たちの出来る支援の軸を増やすこと、つまり武器を増やすことが重要だ。

2021年7月1日にリリースした研修サービス<ASAYAKE>でも、その中身に「SDGsをいかに活用するか」というテーマを1つのコンテンツとして扱うことはあるが、それも「お金」や「あいさつ」と同じように、誰もが基礎的な教養として押さえておくべきものだからということに過ぎない。

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5年前、「AIが仕事を奪う」、「シンギュラリティ」といった言葉がようやく世間的に認知され始めていた頃だったが、今ではそのことを認識していない人はいない。2023年前後には空飛ぶ車の実用化も見込まれている。SDGsだってあと数年後には誰もが聞いたことがある単語へと変化するだろう。

「SDGsというものを知っている」という薄命な優位性に頼るのではなく、当たり前になっている社会を前提として先回りに準備をすることこそが、長期的に多くの人を支援出来る姿勢だと、僕は信じている。

ブランドクリエイティブ事業、マーケティングコンサル事業、研修サービス事業<ASAYAKE>、地方創生事業、そしてメディア事業<DaiFUKU>。
僕たちは、これらの中身を充実させ、時にスピンアウトしながら、事業継続のあるべき形を探していく。

【参考文献】
月間事業構想 事業構想大学院大学出版部 2021年8月1日発行
AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議
SDGs認知率10代は7割超に、全体は54.2% | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議


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