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パフォーマンスの寿命


金曜の夜、
部屋の明かりを暗めにしたまま
ノートや空想と
向き合う時間が好きだ。


静寂とふたり。
 
 
 


スマートフォンと意識



昨年実は、
持っていたマジックの
道具の9割を捨てた。

大胆にアイテムを捨てたのは
初めてではない。

元々マジシャンとして
スタートした人間が、
その主要となるものを手放す、
捨てるというタイミングには、
いつも大きなエネルギーがいる。

それはイチローがバットや
グローブを捨てるようなものだし、
山口百恵がきっとマイクを
置くようなものだろう。笑


そんなこともありながら、
先日ふと、
新しいマジックの
アイディアを思いついた!

ストリートなのかレストランなのか、
何かのパーティーやイベントか、
はっきりと見えていないけど、
何かの機会に披露したい。


それで思い出したのだけど、
2010年以降、
人間の意識は大きく変わったと思う。

何かというと、
スマートフォンの普及、
カメラの高画質化、
SNSの発達。

暇さえあればスマホを持ち、
眺め、撮り、アップする。
いいねしたり、しなかったり、
恋の駆け引きみたいなことをする。


何年か前に、
マジックショーの受付のページに、
『スマートフォンでの撮影を
   お断りすることがあります。』
そんなことを添えていた。

(現在パフォーマンスの
   ご依頼は受け付けていません。)

スマホで撮影されることによって、
タネがバレてしまうから、
ではない。

それも全くないとは言わないけれど、
近年マジックを見る観客の態度が
大きく変わったとしたら、
“真剣に” 見なくなったことだと思う。

つまりスマホを片手に
マジックを見られる。

これの何が困るかというと、
皆さんも経験があると思うのだけど、
カフェで写真を、
レストランで動画を撮りながら
食事や飲食をしていると、
飲みにきたのか、
友人と話しに来たのか、
「いいね」を獲得しにきたのか
分からなくなる。

目の前の一瞬一瞬ではなく、
目の前の人との時間でもなく、
インスタ映えと
承認欲求の実現に意識が向かう。

観客はマジックを見て
楽しんでいるのではなく、
「私の私生活は
   こんなに充実していますよ」
という撮影会をしている。

それが不快だった。

と気づいたのは
しばらく経ってからだったが。

(かといっていいね集めのイベントが
   悪いとは思わない。
   僕も映える写真は好きだ。)


マジックというのは
観客が毎瞬目線を向ける位置を、
ある程度逆算して
動作や言葉を構築している。

しかしその観客の手に
スマホがあって、
撮影しようとしていて、
マジシャンの手元を見たり
スマホの画面を確認したり、
と散漫になってくると、
観客の目(意識)の
コントロールは難しくなってくる。

繰り返しになるけど、
それによってタネが
バレることはあまりない、
(観客は “撮影に” 必死なのだから)

それよりも、
「ここは見逃さないで
  (注目して)ほしい」
というモーメントにおいて、
スマホの画面側を見ている、
ということが起こることがつらい。

好きな人にキスしようとしたら、
「ちょっと待って、
   ここ撮っておきたい!」
とスマホを向けられるような間の悪さ。
(経験はないけれど)


10人の観客に
マジックを見せていたとしたら、
そのうちの何人もが、
そうして
おいしい瞬間を見逃してしまう。

それは場全体がさほど盛り上がらず
しらけてしまうということ。

いいね集めに必死で。

わるいネ!

 


パフォーマンスの寿命



マジックというのは、
実は「見せられる人数」に、
寿命のような上限が
あるのではないかと最近思う。

仮に、
リアルの人間延べ
「1万人に見せられるマジック」
があったとする。

リアルの人間を相手にするなら、
1日100人に
マジックを見せられたとして、
100日かけて1万人に達する。


ここで、
流行りの動画マーケティングを行う。

動画を使えば、
ネットで一瞬にして
たくさんの人に届けられる。

数日のうちに1万人に
見せられるかもしれない。


では、
動画マーケティングによって
余った時間や体力で、
さらに1万人に気持ちを込めて、
楽しく見せることができるか、
というと、

実はこれが
できないのではないか、
という自説。

マジックを見せられる
人数の上限=寿命
のようなもの存在説。


だからこれは、
食欲に似ている。

「本当に食べたいもの」
で胃を満たすこともできるし、
「雑多なもの」を食べても
胃は満たされてしまうということ。

別腹という感覚を除けば、
その上限はほぼ決まっている。


となると、

動画マーケティングが
流行だから、効果が高いから…

確かにその通りだとは思う。

けれどそうしてもし、
望まない人に、望まないカタチで
マジックを届けてしまったとしても、

それこそRPGにおける
“マジックポイント”(MP)のように、
無駄にエネルギーを消費してしまう。

エネルギー漏れ。浪費。

本当に見せたい人に、
見せたいシチュエーションで
マジックをしなければ、
不用意に視聴者数を上げてしまえば、

あなたの精神の胃袋は
どうでもいい体験によって
満たされてしまう。

満腹だけど、幸福感はない。
でももう食べられない。

これはだから、
サービスの価格設定
(お客様の数×質)にも言える。

クリスマスにどうでもいい
異性との約束をしてしまったら、
本命の人とは過ごせない。



 

幸せのデザイン



そんなこともあって、
もし次にマジックの
パフォーマンスをするなら、

自分のため
観客のため
パフォーマンス(の寿命)のため

に届け方、見せ方にこだわろう!
と思った。

スマホがなかった時代のように、
神聖な意識の空間でやりたい。

観客と一体になっていた
美しい時代のように。


これはブランディングとして
カッコつけるためとは
全く違って、
誰かと競うためでもない。

僕が楽しく心地よく
マジックをしたいから。

好きなことも、
強制させられたり、
嫌いな人と行ったり、
義務的になったり、
自分のペース・スペースを
キープできなくなったり、
ムードや香りが
悪かったりしたら、
きっと嫌いになってしまう。

大好物と一緒で。

だからこそ。



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けあよ

 
Matty




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