見出し画像

絶対に資格試験に合格する社会人のための戦略的勉強法(司法試験/TOEFL)

「学ぶって、楽しすぎる。」-弁護士の岩瀬雄飛です。私は学生の頃から勉強が大好きで、司法試験やTOEFLといった仕事で使うものをはじめ、漢検準1級、簿記2級、宅建、証券外務員一種等いろいろな試験を通過してきました。

本noteでは学ぶことの面白さや学習のノウハウ等を発信するとともに、自分が学んだことの記録を発信しています。

今日のテーマは「戦略的勉強法」。


戦略的な学習とは何か

私は司法試験にそこまで苦労することなく合格することができた。一方、TOEFLには大苦戦した。それは、司法試験の際には行えていた「戦略的な学習」ができていなかったことがひとつの要因だと考える。

戦略的な学習とは何か。それは、目標を達成するための最も効率的な学習である。この学習方法は、資格試験等の明確なゴールがある場合は非常に有効である。戦略的に学習することで合格の可能性を高められる。また、時間やお金といった多くのコストを削減できることはいうまでもない。

例えるのであれば、戦略的な学習をしないということは、RPGで物理攻撃が苦手な敵に対してずっと魔法攻撃を仕掛けているのと同じである。敵を倒すのに時間がかかってしまうし、MP(Majic Point)も無駄に消費されてしまう。

この例でピンときた読者もいるかもしれないが、実は戦略的な学習には2種類ある。「自分の分析」と「敵の分析」である。「自分の分析」とは、「自分は物理攻撃が苦手だから物理攻撃を磨こう」といった視点である。「敵の分析」とは、「敵は物理攻撃が苦手だから物理攻撃を磨こう」といった視点である。今回は「相手の分析」に焦点を当てて検討する。

①点数配分


まず試験を受けることを決めたら、その試験の点数配分を確認してほしい。例えば、東京大学の二次試験(文系)、司法試験(論文)、TOEFLは、それぞれ以下の点数配分である。

点数配分の比較

東大以外でも、得点に傾斜がかかっている試験は少なくない。例えば公認会計士の論文試験は財務諸表論が他の科目の2倍の200点であるし、宅建も「権利関係・民法」が約30%・「宅建業法」が約40%を占める。

このように試験の中に傾斜がかかっている科目がある場合は、特にその科目を重点的に学習するのが攻略法となる。その科目で点数をとらなければ合格最低点に達することが著しく難しくなるからである。例えば、東大(文系)の例であれば、仮に数学で8割とったとしても、それは英語の5割強でしかない。

②必要学習量


それでは、点数配分に傾斜がない司法試験やTOEFLについては、満遍なく勉強することが効果的なのであろうか。結論としては、このような試験においても注力すべき科目がある。点数配分の次は問題の難易度・必要学習量について検討することになる。

まずは各科目の必要学習量を考えたい。例えば、司法試験の科目のうち、民法、民事訴訟法、国際私法について比較してみる。

必要学習量の比較

上表はアバウトな比較ではあるが、必要学習量が民法>民事訴訟法>国際私法の順であることは間違いない。

そして、司法試験はすべて各科目100点である。すなわち、学習量が多い民法も100点であるし、学習量が少ない国際私法も100点である。後者に力を注ぎ、得点源とする方がコストパフォーマンスに優れている。

③「絶対的な」試験か「相対的な」試験か


受験する試験が「相対的な」試験であるか、「絶対的な」試験であるかも大事な視点である。司法試験は「相対的な」試験である。受験者数を考慮しつつ毎年合格者が1,500人程度になるように合格最低点が調整されているように見受けられる。

他方で、TOEFLは「絶対的な」試験である。自分が目標点(例えば100点/120点)に届くかどうかが重要であり、周りの受験生の点数はほとんど(※)影響しない。

(※)問題の難易度・同一の問題を受けた受験生の正答率によって調整が起こり得ることやSpeaking・WritingはAIとともに人間により採点が行われているため「ほとんど」としている。

司法試験のような「相対的な」試験では、他の受験生が苦手な科目が重要になる。苦手な科目で点数をとることができれば差をつけられるし、点数をとることができなくてもそれだけでは不合格にならないからである。

他方で他の受験生が得意な科目については、たとえ自分も点数をとれたとしてもそれだけでは合格することは難しい。もちろんここで自分だけ点数がとれなければ合格が難しくなってしまうため、「大きく負けない」ことは重要である。

おわりに


特に社会人は時間がない。また、仕事に体力を奪われてしまい、勉強するエネルギーもない。司法修習時代、社会人出身の方も少なくなかったが、働きはじめて身をもって経験すると、改めて彼らの努力に感心する。

今回の戦略的な学習の視点が、読者の学習の効率性向上につながれば幸いである。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?