いりえの営業記録(2月7日~2月11日)
振り返り②はこちらから。
2月7日(水)晴れ
お昼過ぎ、Twitter(X)を見たという方がご来店! 友人から「間借りで本屋をやっているお店があるらしい」と教えてもらい、興味を持ってくださったそう。
簡単にお店の成り立ちをお話しして、でもあまりプレッシャーをかけないように私は私で読書などしていたのですが、無言過ぎるのも緊張するだろうか?と思い直し、ちょっとした声かけで距離を詰める。
「ハリ書房さんの本もお買い求めいただけますよ」「こっちの方も、ぜんぜん手にとっていただいて大丈夫ですよ」…
もしかすると、店主の私物=あまり触っちゃいけないという意識にさせている?とも思いそんな風にお伝えしてみたり。
「韓国の本とか興味ありますか? その緑色の冊子はフリーなので、もし良ければ持って行ってください」
あ~~でもさすがにそろそろちょっと声かけすぎか…もっとゆっくりしたいかな~と心の中で自責していると、お客さんが「私は韓国語わからないんですけど、友達が韓国語を勉強しているんですよ」と本棚に近づき、その棚から日本語訳された漫画本を1冊セレクト。ぱらぱらと開いたあと、「なんか素敵だったので」と購入いただきました。
気を遣わせてしまったのだろうか。純粋に(良いな)と思える本を見つけられたならいいけれど。その1冊がどちらだったのかは知り得ませんが、やはり少しの声かけをしながら棚とお客さんの接点を作っていく、関心を合わせていく、合うものを見つけていくことは大事なのかなと感じました。
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このあと、出版社・田畑書店さんがご来店。現在は両国に事務所を構えていますが、7年ほど前はこのビルで仕事をしていたそう。創業からおよそ半世紀となる老舗で、近年は「ポケットアンソロジー」シリーズ(名作短編リフィルを1作品330円で購入し、好みの並びで自分だけのアンソロジーが作れるというもの)が注目されています。
これと連動した文章講座もあるのですが、実は私、この講座の受講生です。本屋をやると決める前に申し込んだので、後になってこうして色々とつながっていくことに(おおお)と興奮しました。
そんなお喋りもしながら1時間ほど。本屋をやるきっかけ、数日間お店を開いてみて感じたこと、現在感じている課題や心配事など…いろいろな話を聞いていただき、自分の頭の中も少し整理されました。なんとなく「本屋は作っていくものなんだな」と実感したり。
2月8日(木)定休日
上で書いた文章講座の第2回開催に先立ち短編小説のプロットを送らねばならず。この日の17時が締切だったのですが、ギリギリ提出できました。
2月9日(金)晴れ
これまたSNSでつながっている方がご来店。お会計時にまごついて少しお待たせしてしまいましたが、この日はいりえの本だけでなく、ハリ書房さんの本も購入いただきました。
2月10日(土)晴れ
友人が来る予定でしたが、お子さんが発熱したとのことで見送りに。午後にSNSを見たという方がいらして、ゆっくり棚を見たあと1冊の文庫本を購入くださいました。
当店は平成初期生まれの店主が大学生くらいまでに読んできた本が棚の大半を占めている本屋なので、なかなかラインナップに興味がわかない方も多いんだろうか…とか、微妙にいまの時代に合わない感じがあるのかもな…などとこの頃は若干思っていたのですが、ちょこちょこ(あ、今それが売れるんだ)という場面に出会えることもあり、改めて愛着を持って本棚を見返しました。
ここに並ぶ1冊1冊に当時の私のわくわくが詰まっているのだから、その価値を自分がおとしめてはいけないですよね。
2月11日(日)定休日
「『アンソロジスト』から生まれた文章講座」(詳細はこちら)の第2回目。この講座に参加し始めてから、物語の種となる断章や発見、プロット、モチーフなどについて考える時間が増え、それがとても楽しくて、久しぶりに充実感がありました。
以前までは、例えばシャワーをしているとき、社会や将来に対する漠然とした(それゆえに終わりのない)不安について思いをめぐらせたり、過去にあった嫌な場面を思い出しては当時のやり取りを脳内で繰り返してみたり、不毛なことに頭を使う(モードに入ってしまう)ことが少なくなかったのですが、そういうことが減りました。
次回の宿題を抱えて帰宅。
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本日はここまで。3月は新刊を仕入れたり、イベントもやっていきたいなと考えています。勢いで呼びかけたタロットイベントに参加表明くださる方もいらしてうれしい限り。
そしてそろそろ招き猫マトリョーシカの色付けもしなければ。完成したらこちらでもまた紹介します。
お店の情報はこちら。ぜひ遊びに来てみてください。
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