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なぜSNSのつぶやきはいくらでも読めるのに、本一冊読むのに苦労するのか


Twitterは食べやすいショートケーキで、本はでかいホールケーキだから

「Twitter(X)の書き込みはいくらでも読めるのに、なぜか本は全然読めない」という悩みをもつ人は多い。

なぜそのような現象が起きるのか……結論から書くと、Twitterはひとつひとつの文章が短くて、内容もシンプルで、そのツイートだけで完結しているからだ。

対して本を読む時というのは、ひとつの大きな目的がある場合が多い。

仮にあなたがダイエット本を読んでいるとしたら、それはあなたが「痩せたい!」という目的をもっているからだろう。

「いやいや読んでいるのはただのありふれた恋愛小説です」と思っていたとしても、そこには他人の人間関係を通して、恋愛を疑似体験をすることでドキドキしたいという目的がある。

どんな目的だろうが、目的があるからには前準備というものが必要になる。

例えば「痩せたい」と思うのなら栄養とか、運動とか、人間心理とか……とにかく覚えなくちゃいけない前提知識は多い。

「痩せたいなら糖質をとらなきゃいいんだよ!」と一言で終われば話は早いのだが、なぜそのような結論に至るのか理解していなかったらダイエットはほぼ確実に失敗するだろう。だからその結論に至るまでの過程を学ぶために本を読むわけだ。

それはありふれた恋愛小説を読む時も同じだ。

他人の恋愛でドキドキしたいのなら、まず主人公たちの生まれ育ちから知る必要がある。

その人の見た目と年齢は?
どんな家庭環境だった?
趣味は?
友人は?
今までの恋愛遍歴は?
好きなもの、嫌いなものは?
どんな時に怒るの?
どんな時に泣くの?
どんな時に恋に落ちるの?

主人公やヒロインの人となりを一通り知ることで、ようやく恋愛劇に没入できるわけだ。

もちろんプロの小説家はそれらの前提知識を退屈させないように出すテクニックがある。しかしそのテクニックが通用するかどうかは読者ひとりひとりの感性に委ねられている。

そうして勉強に勉強を重ねたところでようやく本題を楽しめることができるわけだ。

これは僕の悩みだが、「そろそろ最近のジャンプ漫画を履修しないといけないなぁ」と思いながらドラゴンボールの映画を見てしまっている。

まったく知らないものに触れようとすると、1から覚えなくてはいけないことが多すぎてだるい。これに尽きる。

あるいは目的を持ってしまったがゆえの弊害なのかもしれない。

長い文章を読むなら要約癖をつけろ!

「本を読めない」という病には様々な理由があり、それこそそのテーマで本一冊書けるレベルだろう。

今回の「SNSの書き込みはいくらでも読めるんだけどね」というタイプの人の場合だと、要約癖をつけるのがベターだと思われる。

あなたはSNSの短文に慣れすぎていて、しかも自分が理解できる文章しか読んでいない。だから話を整理するという能力が鍛えられていないのだ。あるいはワーキングメモリの問題かもしれない。

本を読む時はいつもメモ帳を用意して、話を分かりやすくまとめながら読んでいこう。最初は面倒だろうが、慣れると理解できる楽しさのほうが上回ってくる。

試しにこの記事を要約するとこんな感じになる。

Twitterは読めるのに本が読めない理由

Twitterは文章が短くてシンプル
本は目的を持って読むことが多い
目的があるなら前準備が必要になる ←前準備=前提知識
1から何かを覚えるのはだるい
話を整理する癖をつけよう

ざっとこんな感じになるだろう。

僕は箇条書きでまとめるのが好きなのだが、絵を描いたり図表を作る人もいる。そういうのを「グラフィックレコード」と呼ぶらしい。

自分専用の辞書を作る

あとは単純に難しい単語が多くて読みづらいパターンもある。

そういう場合もメモ帳を使おう。単語を調べたら全部メモして、すぐに読み返せるようにすれば読書で詰まることが少なくなる。

メモ帳なしで難しい本を読めるのはごく一部の選ばれし者だけだということは肝に銘じよう。

もちろんノートでも良いし、スマホアプリでもいい。
自分のやりやすいスタイルであればなんでもいい。

環境はしっかり整えよう

何事もそうではあるのだが……。
本を読めない最も単純な理由として、「そもそも読書の環境が悪い」というケースがある。

スマホだから読みづらいとか、イスの座り心地が悪いとか、部屋の換気をしてないとか……。そういった類の話であればちょっと環境を変えるだけで驚くくらいに効率が変わる時がある。

他にも「体幹を鍛えると集中力が上がる」という話もあるので、自分の身体能力にも目を向ける必要もあるだろう。

快適な読書ライフを手に入れるためには、とにかく色んなことを調べたり試そう。

悩みをもてるあなたなら、様々な可能性に気づけることだろう。

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