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【レポート】『私たちはこうやって起業した!~建築プロデューサー編~』 -後編-

ついに後編です!

質疑応答では、起業のタメになるようなアドバイスも聞くことができました。その内容とは・・・!?

前編☟

中編☟

最後までどうぞお楽しみください♪


クライアントのニーズを引き出すポイント

髙田:
ちょっと話が変わりますが、クライアントのニーズを引き出すポイントはありますか?

吉里:
シンプルですけど、お客さんと丹念に会話することです。
例えば個人住宅をつくるとき、旦那さん、奥さん、さらに子どもがいる場合には子どもともちゃんと会話をすることが大事だと思っています。皆がそれぞれに夢というかそこで過ごしたいイメージがあるので。
あとヒアリングしていると、矛盾が出てくるんですよ。例えば、日が差し込んでほしいから吹き抜けが欲しいと言いつつ、冬は寒くない方が良いとか。これってプロ目線からすると矛盾しているというかどっちかを優先しないといけないから、なるべく咀嚼しながら優先順位をつけてあげたり。もうシンプルに、吹き抜けと床暖房だったらどっちがいいですか、みたいな。

髙田:
シンプルだけどこれですね。会話、本当に大切。
あと、プロポーザルの獲得率が9割って聞いたんですけど、この驚異的な数字を叩き出せるのはどうしてですか?

吉里:
僕らって、アイディアとかのオリジナリティがあると思ってるし、体制も整っている。
例えば公共空間をつくるとき、僕らって建物をつくるだけじゃなくてオペレーションの実績もあるので、設計の立場としてだけではない提案ができます。イベントスペースの運営も3年以上やっているし、飲食店をやることもあるし。だから、ここにカフェ作ったらいいですよ、マーケット作ったらいいですよ、とかを経験をもとに提案ができるので説得力があるんじゃないかなって。

今後の展望

髙田:
なるほど。今後は、どのように事業を拡大していきたいないう展望はありますか?

吉里:
拡大とは違うかもしれないけど、請負事業じゃなくて自社事業をやろうと思っています。一つは、ディベロップメント、いわゆる開発事業です。土地買って、建物を建てて、貸すなり売るなり何かするっていうことを一貫してやろうとしています。一方で、それってもう結局不動産業、開発業なので、資本主義ゴリゴリの世界でもある訳ですよ。シンプルな話し、安く作って安く貸しても、お金の利回り良ければそれでオッケーみたいな世界もあって、それって結局長い目で見た時に本当に町のためというか、日本のためになるのか?って考えたりもします。これって結局消費して終わりだよなあって。建物を建てるって少なからず街並みを破壊するし。でもその一方で経済的にはすごく強い。
 
専業で開発業をやっている事業会社はそういう構造からなかなか抜け出すの難しいんですけど、個人のオーナーさんとかだと利益最大じゃなくてもいいっていう方、結構いらっしゃいます。

髙田:
作りたいものを作りたいってことですね。

吉里:
そう。すごいゴリゴリ削ってやれば月1000万利益が出るけど、でも800万でも良いから自分が本当に作りたいものを作りたいっていう方もいます。あとは、この先30年でこれくらい儲かればいいやって長い目で考える方もいたり。で、そういう方と共同事業みたいな形で「ディベロッパー3.0」やりたいよねみたいなことを林と話しています。実はこれって起業した当初から思っていたことで、ようやくそれを実装というか、やろうとしているっていう段階です。

質疑応答

Q1.最初は広告費もかけずに口コミのみで広がったということですが、HP製作には最初から力を入れていましたか?HP制作はお金をかけた方が良いと思いますか?

吉里:
回答としては、HPの製作よりも、“運用” の方にお金をかけた方がいいかなと思います。
我々も、R不動産を始めた当初というのは、週に2物件は絶対に紹介する!っていうことを当時一人しかいなかった営業メンバーに課したりしていたんですけど、どんなに良いHPを作っても作っただけで満足していたら誰も見てくれないし、みんな飽きちゃう。だから、頻繁な更新だけは徹底できように運用費用を確保しておいた方がいいんじゃないかなって思います。
ちなみに僕らが最初にHPを作ろうとしたときは、今でいうワードプレスとかそういう簡単にサイトを作れるサービスがまだなかったこともあって、知り合いのプログラム組める子に20~30万くらいで作ってもらいましたね。

髙田:
あと、HPの製作にお金をかけすぎると、その後のちょっとした改修にもすごいお金がかかったりしますよね。

吉里:
今はもう本当にインスタとかnoteで十分で、だからHPはわりとシンプルにしてもSNSを頻度高く更新できるようにする方が絶対的に重要だと思います。

 Q2.人材採用や育成で気を付けていることはありますか?せっかく採用してもすぐに辞められてしまうことが多々あり、悩んでいます。業界の経験値、年齢、性格、やる気など、採用時に大切にしているポイントがあれば教えていただきたいです。

吉里:
それでいうと、実はうち採用に無茶苦茶力を入れているんですよ。
従業員10人とかしかいない会社だけど、5次面接とかまですることもあります。
面接の流れとしては、まず経営、決裁権を持つ僕とかが一次面接に入ることが多くて、そのうえでうちのこのメンバーに意見聞きたいなとか、若者の意見も聞きたいなとか、女性の意見も聞きたいなとかって、二次面接以降の面接官を僕らがアサインして、ちょっとこういうところが気になるからこういう視点で面接して意見聞かせてほしい、みたいなことを言ったりしていますね。
生理的に無理だっていうのも一つの不採用の理由だと思うので、例えば面接した子が、この応募者まばたきが多くてちょっと嫌だった… とかってなったら、それはもうバツでいい、みたいなこと言ったり。変わってますかね?(笑)

髙田:
面白い。私は最近すごく自分の中で感じるのが、応募者がここの会社に何を期待して入って来たかを会社がきちんと理解してあげることが大切だよねって。その期待値がちゃんと満たされていたら、人ってそんなに辞めない。たとえば、多少お給料が安くても、それが分かった上で応募してきている訳だから。
その点、SPEACさんは、会社の世界観を先に売っているから本当に分かりやすいですよね。ここの会社に入ったらこんなプロジェクトに携われるとか、こんな商品を取り扱えるとか、そこの齟齬がないから離職率が低いんですかね。

吉里:
そう、うちめちくちゃ離職率低いんですよ。あとは、人がすごく欲しい時期でも無理して取らないです。特にR不動産チームの場合。
やっぱり無理して取るとお互い不幸になる。実際toolboxがすごい勢いで注文入っちゃったりして、もう誰でも良いから入って!ていうときに、その人のスキルを優先して目の前の仕事を捌くこと目的に採用したこともあったけど、そういう人は結局長く続かなかったですね。

髙田:
吉里さんは、応募者のやる気ってどうやって測っていますか?業界の経験値とか年齢、性格っていうのは見ればわかるけど、やる気って難しいですよね。

吉里:
難しいね。あと、やる気が空回るっていうパターンもあるしね。

髙田:
うちの話しでいうと、私たちが表にアウトプットしているものをどれだけ吸収してくれているか、記事とかをどれだけ読み込んでくれているか、とか見ますね。例えば紹介会社経由の人って、すごく受け身なことが多いです。それに比べてうちのHPから直接応募してきてくれる子ってやっぱり長く働いてくれる傾向があるし、どんどん上に上がっていく。

吉里:
うちでいうと、toolboxは紹介会社経由の人もいます。業務が細分化されているので、スキルが結構大事なんですよ。でもR不動産は0。大体知り合いの紹介かな。たとえば、うちの研究室の若い子をインターンで見てもらえないかっていう話しがきたりして、アルバイトで来るとか。そんな感じが非常に多い。こんな感じで業種ごとに重要視するポイントって結構ちがうよね。

Q3.来年から社会人一年目です。20代でめちゃめちゃ成長して起業したいので、アドバイスください。

吉里:
業種にもよるかと思いますが、会社員のうちに実務をたくさんやっておくって大切だと思います。
僕の話しでいうと、新卒で入社して半年くらいの時に工事現場に一人で行かされたことがあって、なんで何もわからない自分を一人で行かせるんだろう?っていう思いが当時すごく強かったんですけど、わからないからこそ色々考えるんですよ。これは何のためにやるんだろうとか、僕はどういうことを求められているんだろうとか、そのために何を準備しなくちゃいけないんだろうとか。全部わからなくて考えることしか逆にできなかったから、多分成長スピードはすごい早かった気がします(笑)
それに今だからこそ思うのは、たとえば設計という一つのスキルをで考えても、最低限の基礎知識は必要だけど決まった型って実はあんまりなくて。結局はその時々に直面する課題とかトラブルにどう対処するのかを考えられる力が本当に大切。そういった意味でも、最初の3年、5年くらいはとにかく現場に近い形で実務をたくさんやることが大切だと思います。

髙田:
あとは起業したいのであれば、本当にたくさんの人脈を作るとか、たくさんの人に信頼される人間になるっていうのは、私はすごく大事だと思います。結局私たちも独立した最初の頃って、先に起業している社長さんとか、キャッシュリッチな人たちから助けてもらうことが多かったです。
助けてくれるっていうのは、やっぱりこの人を応援したいっていう気持ちがあって、じゃあ何で応援される人間になれているんだろうと思ったら、多くの約束を守ってきたとか、基本的だけど時間を守るとか、期日を守るとか、期待値をちゃんと超えてくるとか、そういう人に何かを期待されたら、それをちゃんと期待以上の物を返していくっていうことをやり続けるっていうことが本当に地道で地味だけど、この人は信用出来る人間だからって言って、また次の人を紹介してもらえる。人脈って本当に芋づる式にいろんなところに広まっていくので、目の前の人に信頼される人間になるっていうのは、すごく大事なことだと思います。

吉里:
それは本当に大切。
あと、もし、質問者さんが建築や設計、不動産業界を目指しているのだとしたら、正直、設計だけで生き抜くのは本当に大変だから、設計と施工を一緒にやれるってことが大切になってくると思います。自分たちで作れるっていうダブルスキルがないと、多分建築設計だけで食って行こうっていうのは本当におすすめ出来ない。というのも、施工までできるとコスト調整が効くので、そこでうまく収入を得れるようになります。
 
あとは、今は兼業が出来る時代だから最初の3年くらい… いや、3年とは言わないけど最初の1年くらいはしっかり社会勉強することも大切。…でも勉強ってキリがないから、やっぱり起業したいんだったら勢いも大切かなと。こんな感じで答えになっていますかね(笑)


いかがでしたか?

実をいうと、トークセッションや質疑応答は今回レポートに乗せたお話し以外にもたくさんお話しいただいておりました!

泣く泣くカットし、三編にまとめさせていただきました・・・

これだけでも十分なボリュームですよね!

このレポートを読んで気になった方に朗報です!
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ここまでお読みいただきありがとうございました!



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