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【レポート】『私たちはこうやって起業した!~建築プロデューサー編~』 -前編-

先日、2023年10月4日に、『私たちはこうやって起業した!~建築プロデューサー編~』と題し、新しい視点で不動産を発見していくサイト「R不動産」を運営するSPEAC共同代表 吉里裕也氏をお招きし、起業や不動産業界に関するあれこれをQ&A形式で回答していただきました。

前編、中編、後編の3部形式でお届けいたします!是非、ご覧ください★


登壇者

●株式会社SPEAC 代表取締役 R不動産株式会社 代表取締役
建築家 吉里 裕也

株式会社 スペースデザインを経て2003年に「東京R不動産」、2004年にSPEAC,inc.を共同で立ち上げるとともに、CIA Inc./The Brand Architect Groupにて都市施設のブランディングを行う。

出展歴
「3.11以降の建築」展(金沢21世紀美術館)
「HOUSE VISION 」展(2013 TOKYO EXHIBITION)

受賞歴
グッドデザイン賞
アーバンデザイン賞特別賞
東京建築士会住宅セレクション

 
共編著書
「東京R不動産」
「全国のR不動産」
「だから、僕らはこの働き方を選んだ」
「toolbox」
「2025年建築『七つの予言』」

●オクシイ株式会社 代表取締役 髙田 麻衣子

1999年大阪市立大学を卒業後、株式会社スペースデザインにて仕入れ、企画開発、販売、リーシングなど現場業務に従事。その後株式会社テイク&ギヴ・ニーズにて新卒・ウェディングプランナーの採用に携わったのち、トーセイ株式会社では、女性初の管理職として広報・IR、経営企画、マーケティング業務を経験。
組織内でのキャリアアップを目指す傍ら2人の育児を両立させることの大変さから「子育てにゆとりと笑顔を生み出す『新しい働きかた』を実現したい」と、2014年にオクシイ株式会社を設立し、保育付きシェアオフィス「マフィス」を立ち上げる。

登壇者のご紹介

高田:
では、登壇者のご紹介ということで、本日は建築プロデューサーの吉里裕也さんをお迎えしております。自己紹介をお願いできますか?

吉里:
吉里と申します。ディベロッパーで約5年勤務した後、SPEAC(スピーク)という会社を立ち上げ建築の設計や不動産の企画をしています。他にも、「東京R不動産」という不動産の仲介をする、不動産メディアの運営を20年ほどやっていたり、下にあるようなグループ会社がいくつもあったりします。

”toolbox” というのが、建材のネットショップ。
“公共R不動産” というのが、公共空間の利活用を考えるメディア。
“ADDress”にはサポートという形で、立ち上げの時から株主としてお手伝いをさせてもらっています。事業内容としては、全国にある空き家を利活用する、通称住まいのサブスクサービスです。

実際に設計を担当させていただいた施設でいうと、例えば、日本橋の兜町にある「K5ホテル」は、築100年以上の元銀行の建物をリノベーションしました。
この音楽ホールの設計も担当させていただきましたね。川崎市と連携して、リノベーションではなく新築設計をしました。

K5ホテル


音楽ホール

設計するだけでなく、実際にオペレーションや運営もやらせてもらっています。

一応建築を軸にしながら、色々なことをやっているチームです。今日はよろしくお願い致します。

トークセッション

起業をしようと思ったきっかけ、起業前に準備したこと

髙田:
よろしくお願い致します。
実は、吉里さんと私は株式会社スペースデザインに新卒で入社した際の同期なんですよね。私たちの在籍時のオーナーで、いつもすぐ傍にいたのがリクルートの創業者の江副浩正氏でしたけども、起業意欲が高いメンバーが自然と集まっていたような気がします。吉里さんも入社5年目に独立されたという記憶がありますが、その時のエピソードを教えてください。

吉里:
僕の場合は、”起業” ではなく、”独立” という感覚でした。
何かのきっかけで独立を決めたというより、最初からいずれかは自分でやると決めていたので、ちょうど30という年齢になったタイミングで会社員を辞めました。

髙田:
独立すること自体は最初から決めていたのですね。独立にあたって準備したことは何かありますか?

吉里:
ん~~~(思考中)
会社員を辞めるときに保険証を返却しちゃうから、その前に歯医者に行って歯の治療をしたのと、クレジットカードを作ったのと、一年間分の生活費の貯金くらい(笑)
あとは、独立がうまくいかなかったら建築デザインを勉強する為にイタリアに留学しようと思っていたので、イタリア語の勉強もしていました(笑)

髙田:
なんだか思ったような回答ではなかったですが、ある意味リアルな起業準備秘話?ですね(笑)ありがとうございます。

独立当初といまの事業規模

髙田:
初年度どれくらいの売り上げだったか聞いてもいいですか?
 
吉里:
15万円です。設計とか請負業って、仕事はあったとしても実際にお金が入ってくるのは半年後とか一年後なんですよ。建物が出来た後に入ってくる。なので、仕事はあってわりと忙しくしていたのに、収入は限りなく0に近いっていう状態が一年くらい続いきました。二年目はたしか、200~300万とかだった気がします。

髙田:
なるほど。それが20年経った今はどれくらいの規模感に?

吉里:
子会社を含むR不動産グループ全体で、20~30億弱くらいです。
正確に言うと、物販サイトの “toolbox” が割と規模がでかいので、toolboxが軌道に乗ったタイミングで売上が増えたっていう感じです。設計や不動産仲介業だけで見ると、本当に年間じりじりと5~10%ずつ積み上げていきました。

独立後、資金がまとまって必要になったタイミング

髙田:
資金がまとまって必要になったタイミングと内容は覚えてる?

吉里:
創業してから1~2年目の時に支払った、宅建業の免許取得にかけたコストですね。宅建主任者の資格は元々持っていたんですけど、会社として宅建業者にならないと仲介業は出来ないので、その資格を取得する費用が大体300万くらいかかりました。でもお金がなかったのでその時に初めてお金を借りたのを覚えています。

髙田:
それは公庫から? 

吉里:
公庫だったかな~。創業支援みたいなやつですね。それが本当にドキドキしました。最初の交渉で、個人事務所入れろとか言われて。 

髙田:
私は最初からハードに投資をしてしまったから、最初からお金が必要だったな。

吉里:
僕らは最初のオフィス、倉庫でしたからね(笑)家賃6万だか8万くらいの場所で二人で創業して、飯が食えればいい!くらいの感じでやっていました。あとはもうパソコンとアイディアがあれば何とかなるみたいな感じだったので、本当その時(免許取得料)が初めてですね、お金がまとめて必要になったタイミングは。


中編に続く・・・


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