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【レポート】『私たちはこうやって起業した!~弁護士編~』 -後編-

前編トークセッションをまずはご覧ください↓



価格設定はどのように行った?

高田:
ちなみに、多分弁護士さんの中にも相場ってあると思うのですが、最初の価格設定ってどのように行ったのですか?

水谷:
前にいた事務所を最初は全部まねっこしました。後から見直しをやっていますけど、最初は全部まねっこです。弁護士のお金って後で計算して後で教えてあげるというやり方をすることもあるのですが、やはりいくらかかるかが最初に分からないと、他の事務所に相談に行かれてしまうので。なので、すぐにいくらだよと言ってあげられるよう、とにかく前の事務所の通りにしていました。

高田:
価格表みたいなものを用意してってことですね。例えば着手金はいくらですよとか。

水谷:
そう、最初からそれを置いて。明朗会計でやるということにしていました。

高田:
それはいわゆる弁護士業界の一般的な相場に近いから、すごく割高でもないし。

水谷:
割安でもなかった。

高田:
自分がまだ駆け出しの頃って、いわゆる水谷先生が元いたような大手の事務所さんで提示している価格と比較して、同じクオリティの仕事ができるかどうかみたいな、小さな事務所だからもう少し信用力という意味でちょっとしゃがんじゃうことってあると思うのですけれど、それはなかったですか?プレッシャーとか。

水谷:
ミニマムなレベルでは多分していたと思われます。ご依頼いただきやすい価格というのを意識して、でも実は価格以上の仕事の範囲をサービスとしてやって、みたいなことを当初はしていました。そういう時期自体は形的に必要だったと思います。

高田:
なるほど。価格設定は相場に合わせているけれども、言っていること以上のサービスをすることによってお客さまの期待値をより上回らせていた、ということですね。

水谷:
そうですね。

家庭生活との両立について

高田:
ここでちょっとプライベートな話しに踏み込ませていただきますが、プライベートもいろいろあったということですけど、仕事が忙しくなりすぎると子どもたちとの距離感とか彼らのことを見失っていないかとか思うことが私はあるのですが、水谷先生も何かそういったことってありましたか?家庭生活との両立で大変だったこととか。

水谷:
そうですね。それで言うと、実は夫婦関係にあった時からワンオペでした。当時はまだ “ワンオペ” という言葉がなかったかもしれないですけど、もうそういうものだと思っていました。なので、保育園も誰よりも先に預けて、一番最後にお迎えに行って、ということをしていたので、子どもたちは夜の空は黒いものだと思っている(笑)でも何だか親子関係が良くてそこは正直子どもに恵まれたなと思います。そんな子どもたちに甘えちゃいけないんですけどね。

あと人手という意味では、うちは結構ベビーシッターさんの力を全面的にお借りしていました。本当に子どもが小さい時は給料と同じくらいの金額が出ていくような月も余裕でありましたし、でもそれが今に繋がっているのかなと思います。手が離れてくると、子どもの世話ではなく子どもとの関係性になってくると思うので、いまは旅行に行ったりしていますね。たくさん一緒にいてあげるというのは難しいので旅行に行ったり、あとは一晩どこかに連れ出す、みたいな。本当にデート形式というか。それで信頼関係を保っているという感じです。

高田:
でもお母さんが一生懸命頑張っている姿を彼らは見ているから、誇りに思っていると思いますよ。

水谷:
だといいですね。

“世田谷” という地盤について

高田:
先ほど、港区だったら多分淘汰(とうた)されていたとか、負けていたと思うということを仰っていたのと、あと「(世田谷は)地盤がいいんですよ、麻衣子さん」って、昔言われたのを私覚えているのですが、やはりいわゆる高級住宅街だったり、よく稼ぐパワーカップルだったり、そういう方たちがたくさん住んでいる世田谷という地盤は水谷先生のビジネスにとって良いのでしょうか?どういう影響を及ぼしているか教えてください。

水谷:
私たち弁護士にとってだけでなく、どの業界でもそうだと思うのですが、クレイジーなお客さまが多いとそれだけで仕事ってパンクしてしまうじゃないですか。でも世田谷は、一言で言うとそういうクレイジーな方が少ないのです。逆にどういう方が多いっていうのもうまく言えないのですが、前に仕事していたところより格段にクレイジーな方は少ないです。それと所得がどう結びついているかは分からないけれど、穏やかな方が多いし、不合理な方とかも少ないので、女一人でお客さんを相手にしやすいというのが世田谷だと思います。

あとはしばらく仕事をしている間に地域で仲間をだいぶ増やしました。増やしたというよりも仲間が自然と一緒にやってくれるようになった。なので、いい仲間ができる地域でもあるなと思っています。

高田:
それは士業仲間という意味でのいい仲間?

水谷:
士業の方もいますけど、必ずしもそうではないです。不動産もいれば、建築もいれば、医療もいれば、いろんな方がいます。

独立して生活レベルは上がった?下がった?

高田:
ありがとうございます。次は少し下世話な話になりますが、生活レベルは上がったか下がったか、雇用時代と起業後を比較しての話しを伺いたいです。最初の1年は赤字続きだったと仰っていましたが結果として今どれくらいたちました?

水谷:
2015年からだから今8年目かな。(生活レベルは)上がったと思います。
逆にそのまま勤める形を取っていたら、上の子って今私立なのですけれども、維持できたかなって逆にちょっとゾッとするときもあります。ここまで勢いでやってきましたけれども、勤めるという形にこだわっていたら今の生活は逆に厳しかったでしょうね。

高田:
いつ頃からすごく楽になった?満足度だけではなく経済的にもゆとりが出てきたなと感じ始めたのは、何年目くらいからですか?

水谷:
3年目かな。

高田:
早いですね!

水谷:
今もシビアではありますけれど、それでも何とかやっていけるだろうなと感じ始めたのは、3年目か4年目からだと思います。

今後について

高田:
ありがとうございます。今後のビジョンについても伺いたいのですが、例えばもう一度誰かに雇用されることだったり、あとは誰かと二人三脚でやってみたいなとか、何かいまとは違う形のワークスタイル、何かぼんやりとでもビジョンがあったりしますか?

水谷:
そうですね。大きなテコ入れということはあまり考えていないのですが、事務所が安定してくると共に、今あるものをとりあえず維持している、みたいな仕事ぶりにここ1、2年はなってしまっていたなと思います。何とかしなければという時こそ強い仲間を増やすことがすごく大事だと最近気がつくことがあって。もちろん今いる仲間がいるからこそここまで来れたわけなのですけれども、それに飽きてしまうのではなくて、強力な仲間を増やし続けるというのがすごく大事なことだと思うので、一緒に仕事ができる人をもう少し増やしていって、その人と新しい世界が見える仕事をしていきたいなと思っています。

弁護士を目指している方にアドバイス、激励、応援など

高田:
では、最後になりますが弁護士を目指している方にアドバイス等お願いできますか。

水谷:
どういう弁護士を目指すかにもよると思いますが、弁護士って基本的にひとり親方みたいなところがあると思っていて。それこそ事務所に勤めていても、個人事業主としてやっていても、何人かのパートナーと組んでいても、結局その人の自主性が全てみたいなお仕事だと思います。なので、自分が思い描くように仕事をして、それを生活とマッチさせていく。それが実は社会のためにもお客さんのためにもなっている仕事が私たち弁護士かなと。なので、何か先を見据えて切り開いていくことがしたい人にはぴったりな仕事だなと思います。

高田:
ありがとうございます。
では、本日のセミナーは以上になります。ご視聴ありがとうございました。

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次回は、なんと番外編・・・!?
馬事公苑時代からのお二人の関係だからこそ聞けたトークをご紹介しちゃいます♪


小形

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