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モロッコ流サウナ「ハマム」に入った

海外にはなかなかお風呂がない。
自宅に必ず湯船があるのはきっと日本くらいなんじゃないかと思う。

モロッコも例に漏れず、自宅にはシャワールームしかない。
だいたいがトイレと同じ空間にシャワーがある感じで、落ち着いて入浴をする環境ではない。

そこで登場するのが、モロッコ式「銭湯」。その名も「ハマム」である。

モロッコ人に愛されて止まない大衆浴場=ハマムの存在は、地球の歩き方に書いてあったので知っていた。
しかし文章だけではその全容は掴めず、どんな感じなのかわからないまま勇気を出して行ってみたが最高だった。

私が行ったのは地元の方が日常的に利用するいわゆる「ローカルハマム」で、観光客向けの豪華なハマムではない。
それでも最高だったので、モロッコ旅行にきた全日本人におすすめしたい。

今回は、エッサウィラのハマムを例に利用方法を含めて細かく紹介しようと思う。

ハマムとは?入湯料など

ハマム=大衆浴場とはいえ、日本の銭湯のように大浴場は存在しないのが一つの特徴だ。砂漠の近くの国だから、きっと水が貴重なんだと思う。

大浴場がない代わりに、浴室全体が蒸気で温められている。
スチームサウナほどではないが、ムワッとしているので蒸し風呂に近い。

男女それぞれ分かれて入口があるタイプ(同時刻に男女ともに営業しているタイプ)と、入口が一つしかなく時間帯によって男女で入浴時間を分けているタイプがある。
シャウエンは後者の時間で分けているタイプだったが、今回紹介するエッサウィラのハマムは男女で入口が分かれているタイプだった。

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私たちが行ったハマムはここ↓
Hammam Ghita
+212 612-244274
https://goo.gl/maps/XFpX88xMbJ7WwoNv6

右側の入口が女性、左が男性である。
男女の入口の真ん中に日本でいう「番台」があり、料金を支払う。

入湯料は、1人につき12DH(150円くらい)だった。
ここのハマムは24時間営業のようだが、現在はコロナで20時閉店での営業をしている。

普通に自分で入る分には入湯料以外はかからないが、
ハマム内であかすりサービスや手桶などを借りるとそれぞれ料金がかかる。

<参考価格>
・あかすりサービス:50DH
・手桶レンタル:1DH
・洗うときに使う椅子などレンタル:2DH

ハマムに持っていくもの

ハマムに入るときに、必要になるもの一式はこちら

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(わかりやすいかなと思ってイラストにしてみた。)

・ビーサン(濡れてもいいサンダル)
・バケツ(大)と手桶
・バスタオル
・ソープ類
・替えの下着

この5つがあればとりあえずなんとかなる。バケツは手で持ち、バスタオルなどはトートバッグなどに入れて出発して欲しい。

ここにもう一つ、女性の場合は浴室の床に座ることに抵抗があれば小さめのビニールシートを用意するといいと思う。(もしくはハマムで椅子を貸してもらう)

持ち物に関してひとつ注意点がある。
「貴重品は持っていかない方が良い」という点だ。
あとで詳しく説明するが、ハマムでは脱衣所で荷物を預けることになる。
自分の目が届かない状態になるので、大金は持っていかないことをおすすめする。
私たちは入湯料+何かあった時のために50DHくらいしか持っていかないようにしている。(スマホは持っていくと思うけど、カバンの奥底にしまうなど、ひと工夫を!)

ハマムの入り方

ハマムの入り方をここでは説明する。
まずは間取り図で全体像を書いてみた(わかるだろうか…)

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下の番台の方が外からの入り口だ。
入ると脱衣スペースと荷物預け場所があり、その先は全て浴場である。
赤いマルのところがお湯と水が出る蛇口があるところだ。

さて、入る準備だ。
番台でお金を払って脱衣スペースにいく。ここでまず服を脱ぐ。

パンツは脱がないので気をつけて欲しい。
パンツ以外の全ての衣服を脱ぐのである。ビーサンは履いたままでOK。

図解するとこうだ

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バケツの大きさもわかりやすいと思う。イラストは男だが、女も同じ要領だ。
このバケツ、普通の旅行では持ってないと思う。持っていなければハマムで貸してくれるので安心して欲しい。

脱衣した服、替えの下着、バスタオル、財布等はトートバックに入れて「荷物預け場所」の人に渡す。

手桶・ソープ類は大きなバケツに入れてパンツを履いたまま浴場にいく。

浴場の中で、空いているスペースに陣取る。
だいたい浴場の中には大きなバケツが散乱しているので、そのバケツも使いつつ、お湯と水が出る蛇口から自分の好きな温度のお湯をバケツにためる。

バケツにお湯をためたら、それを陣取りをしたスペースに持っていき、バケツに汲んだお湯を手桶ですくって頭や体を洗う。

洗いながら時々ぼーっとする。(重要)

日本のシャワーよりものんびり洗った方がいい。
浴槽がないので洗い終わったらお湯に使って温まる、という次のステップがないのである。

ハマムでやることは、
体と頭を洗う・あかすりをする(任意)・ぼーっとする(任意)
この3つが全てだ。

友達と来ておしゃべりとかできたら、もうちょっと楽しいんだろうな。
と周りのモロッコレディたちのおしゃべりを見ながら考える。

体が温まって満足したら、脱衣所に戻り、荷物を受け取る。
もしイスなど借りていれば、ここの時点でレンタル料を支払う。

体を拭いて、服を着たらおしまい!

ハマムのおすすめポイント

行くまでは謎が多すぎるハマム。
試してみるには勇気が必要だと思うが、同性しかいない空間だし、意外とみんな適度な距離感を保ちつつ色々と教えてくれるので、意外と楽しめる。

旅行しているとシャワーばかりで、体が温まる機会も少なく、疲れも溜まりがちになるだろう。
ハマムの魅力は「お風呂入りたい」と言う欲求がかなり満たされるところだ。

ゆっくり座りながら体を洗い、なんならふくらはぎとかマッサージしたり。
こんなにのんびり入浴を楽しめる場所が海外にあるとは思っていなかった。
銭湯好きであればきっと気に入るだろう。

ハマムの魅力をさいごにまとめて終わりにしたいと思う。

・ゆっくり体を温めることができる
・モロッコの皆さん意外とほっといてくれる(のんびりできる)
・安い
・何時間いても嫌な顔されない(地元人は平均2時間くらいいるみたい)
・あかすりサービスもお願いすればしてもらえる

とにかくスッキリするので、ぜひモロッコに滞在する際はチャレンジしてみて欲しい。

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