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箱根駅伝コース概要「1区」

さあ、学校紹介だけで終わると思ったかね?

今回からは箱根駅伝が誇る歴代コースについても紹介していくぜ。
ということで、まずは1区から。

■コースの特徴

序盤から高低差が少なく、真っすぐな道が続き選手たちの駆け引きが続く。
一方で、後半に入ると京急蒲田駅の踏切・新八ツ山橋と六郷橋のアップダウンといった変化が生じるためふるい落としも兼ねた各大学の牽制になることが多々ある。
一見すると21.3kmに及ぶ箱根駅伝の1区はどの選手も似たり寄ったりになりがちに思われているが、近年では各チームのレースプランをしっかりと示すうえで極めて重要な区間と言える。
2007年の東海大学、2011年の早稲田大学、2014年の駒澤大学、2016年の青山学院大学がこの区間で区間賞を獲得し、レースを優位に展開した事は記憶に新しい。
そのため、特に近年では力のあるランナーを1区に据えるということも珍しくない。

■97回箱根駅伝では何が起こったか

歴史的なスローペースからレースが始まったことは記憶に新しい。
最初の1kmが3分33秒という稀に見るスローペースに東海大学の塩澤稀夕選手(現・富士通)と國學院大學の藤木宏太くんが仕掛けるも牽制しあう展開は続いていた。
これは1区に起用された順天堂大学の三浦龍司くんのスピードを封じるため、という評もあり実際に三浦くんはその展開通りスピードを封じられて本来の走りとはほど遠い結果に終わっている。
ペースの上げ下げが激しいレースは、14km過ぎで山梨学院大学の新本駿くんと国士舘大学の山本龍神くんが、15km手前で専修大学の高瀬桂くんが集団から遅れ始める。
六郷橋で集団がばらけ始め、最後は塩澤選手と法政大学の鎌田航生くんが競り合い、鎌田くんが残り1kmでスパートを掛けて塩澤選手を引き離し、そのままトップで襷リレー。
レース前に「俺の記録が抜かれるかも」とこぼしていた佐藤悠基選手(現・SGホールディングス)の予想を裏切り、様々な駆け引きが行われたレースは法政大学のエースが制することとなる。

通過順位

1.法政大学
2.東海大学
3.創価大学
4.神奈川大学
5.早稲田大学
6.青山学院大学
7.城西大学
8.日本体育大学
9.東洋大学
10.順天堂大学
11.拓殖大学
12.國學院大學
13.帝京大学
14.東京国際大学
15.駒澤大学
16.明治大学
17.中央大学
18.国士舘大学
19.専修大学
20.山梨学院大学

■97回箱根駅伝区間賞

鎌田航生(法政大学/3年)1時間3分0秒

チーム事情により、96回大会で走った2区ではなく1区にて起用される。
レースの展開に合わせることが出来、タフな法政大学のエースとして当初より期待されていた彼だが、歴史的なスローペースにも見事対応。
ラストは自ら仕掛けて区間賞を獲得する強さも見せつけた。今シーズンは坪田智夫監督も2区での起用を予定している模様で、最終学年に向けて「エース」としての役割を果たすことができるか期待されている。

■区間記録保持者/日本人最高記録保持者

佐藤悠基(東海大学/2007年)1時間1分6秒

スーパールーキーとして入学した1年の時の箱根駅伝ではその驚異的なスピードから3区の区間新記録を樹立、その能力を買われて2年時はスターターとして起用された。
他の大学走者をあっという間に置き去りにして独走態勢に。序盤より4分1秒という記録的なリードを稼いだだけ無く、その驚異的なスピードから天才・佐藤悠基に陸上の未来を託す人は多かったはずだ。
このレースでも見られた痙攣癖が無ければ……。常々それだけが毎回悔やまれてならない。だが、トラックで世界選手権に選ばれ35歳となる今シーズンも現役の第一線で活躍中だ。

2区に続くぜ。

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