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99回箱根駅伝春シーズンチームレビュー「パワフルパワー2022」(5)

ということで今回が最後。パワー。

日本大学

かつての名門も近年は大苦戦している。指導者体制がコロコロと変わってしまう現状では、中々チーム強化も進まないというのが現状だろう。大学内部も大きな不祥事が発生してイメージダウンなどもあるかもしれないが、それでも日大という名門大学が作り上げてきた物は決して変わるわけではない。何とか。

道のりは険しくとも前へと進むのみ

他部門で圧巻の成績を残したためにインカレ優勝を達成したが、ハーフマラソンではエースのドゥングくんの棄権、10000メートル、3000障害とそれぞれが決勝で良い成績を残したとは言い難かった。
だが、5000メートルでは4年生の松岡くんが全体8位に入賞し意地を見せ、ここから上がって行くだけではある。
夏から秋へと向けてチーム強化は不可欠で、予選会に至ってはインカレ成績枠で出場した95回大会を抜くと4大会で敗退、昨年はワースト記録を更新してしまっている。現状厳しい状況なのに間違いはないが、名門の意地に期待だ。

『パワフルプレイヤー』

松岡竜矢
日大の意地を見せてくれた。5000メートル8位という結果はもちろん、他大学と比較してもまだまだといった部分はあるだろうが、それでも箱根復帰を目指す名門にとって追い風となったはずだ。言い方は良くないが、ドゥングくんは決して絶対的な存在ではない。彼もまた、エースになれる可能性を大きく秘めていると、私は睨みつけている。

筑波大学

箱根路復活を目指している国立大学。前回では予選で敗退してしまったこともあるが、いかに箱根へと出るまでが大変になっているのかという一つの証でもある。それ相応の努力とレベルアップが必要となってくるが、春シーズンまでにどれだけチームを強化できたのだろうか。

スピードに課題が残る

ハーフマラソンの経験を得るというのもあり、日本学生ハーフマラソンでは9名がエントリーして一定の手ごたえがあった筑波は、関東インカレでは他大学とやはりスピードに差があることを思い知らされたのではないか。一方で、健闘を見せた主将の福谷くんや3000障害で3位に入賞した松村くんなど明るい話題も多い。予選会に向けてはスタミナ強化、という部分に主眼は置かれるだろうがやはりスピードの強化も不可欠だろう。

『パワフルプレイヤー』

松村匡悟
最終学年ということもあり最後に意地を見せた。スローペースから最後に得意のスパートで差し、表彰台の3位に。3000メートル障害で表彰台に立ったのは、筑波大学では7年ぶりなのだとか。予選会へと向けては福谷くんと共にチームを引っ張る存在になってくれることを期待したい。

城西大学

前回大会では予選敗退も、決して暗い話題だけではなかった。その後12月に行われた記録会で砂岡拓磨選手が日本人学生2位の記録を5000メートルで樹立、近年トラックレースで良い結果を出すことが多い城西大学の実力をしっかりと見せる良い機会となったのではないか。また、今年より留学生も入学し勢いづく城西は決して侮れない。

留学生キムタイくん、躍動

城西大史上初となる留学生ランナー、キムタイくんが関東インカレで活躍を見せた。5000メートルで優勝した日本薬科大学のキプリモくんと僅差での2位となり、心強い新入生が現れたという形だろうか。また、3年生の五十嵐くんは1500メートルで6位入賞と健闘。長い距離はまだまだ夏に向けて改善の余地ありだが、1500と5000ではトラックレースで良い形を残すことが出来たのは収穫といえる。

『パワフルプレイヤー』

ヴィクター・キムタイ
城西大学史上初となる留学生ランナー。早速そのポテンシャルの高さを見せつけて来た。監督である櫛部さんの知り合いからの紹介ということもあるようで、そちらについては櫛部さんのnoteに詳細が乗っかっていた。こうして情報を発信してくれる方は貴重だし、キムタイくん効果が城西大学にどのような影響を与えるのかは密かに注目している。

上武大学

苦しい状況が続いているのが上武大学。かれこれ箱根路から3年間遠ざかっている中で、上武大学もまた留学生を入学させて改革に挑む1年となる。激戦となっている箱根駅伝の予選会で、かつての泥臭いチームスタイルが見られるか注目だ。

泥臭くしぶといチームにスピードをミックスできるか?

留学生ランナーのパトリックくんはさすがの走りで10000メートルで見事に3位入賞と実力を見せつけた一方で、5000メートルと3000メートル障害では決勝へと歩みを進めた選手たちも多く居る。入賞こそならなかったが、現時点では闘うことができるチームであることを証明している。あとは、夏から秋に向けて上武伝統の泥臭く粘れるチームになれるかどうか。近藤監督の手腕にかかっている。

『パワフルプレイヤー』

山林レオ
春シーズンでは記録会で1500メートルの記録を更新したスピードランナー。ナイジェリアと日本のハーフである身体能力をまだ活かしきれていない部分も多々あるが、持っているスピードとポテンシャルの高さはエースの村上くんらに負けてはいないはず。惜しくも決勝には歩を進められなかったが、私学六大学対抗戦では優勝も果たしているだけにそのスピードを存分に活かして活躍してほしい。

大東文化大学

名門復活まであと一歩か。30年前「山の大東」とまで呼ばれた名門も、近年は出場がやっとという状態が続いている。昨年は留学生ランナーを擁しながらも12位で予選敗退。中継先で映された選手たちの振る舞いまで批判されるに至った。昨年まで仙台育英高校を率いていた真名子圭監督を招聘し、チームはどう変わったのか。

自己ベスト更新選手が続出

今月7日と8日に行われた日体大記録会では自己ベスト更新する選手が続出。久保田徹くんは5000メートル13分台の大台を突破するなど、チーム状態は上向きになっている。また、関東インカレでは棄権者が多く出る中で3年生の佐竹くんが3000メートル障害で優勝を果たす。早くも真名子効果は出て来ている。

『パワフルプレイヤー』

佐竹勇樹
彼を挙げないわけにはいかないだろう。自己ベスト更新した上での優勝は自分自身にとってもチームにとっても大きな自信となったはずだ。彼も前回の箱根では悔しい思いをした選手の一人。名門復活には、ワンジルくん頼みでは成し遂げることは出来ない。佐竹くんや久保田くんのような選手がどんどん出てくることが重要だ。

ということで、気になった学校をピックアップして紹介させていただきました。私は今回もやった。
そういうわけでエンディングは十影さんのリミックス版の「俺はやる」。

やった。

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