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4名の利用者を1人で介護?シュミレーションした結果・・・?

146本目。介護施設は利用者3名に対し1名より、多くいるように!

とお達しがでていて、違反すると「けしからん施設だ」と取り締まられます。

3:1

単純に計算していくと、90名の利用者さんがいるなら、
職員30名以上は必要ということになります。


人件費、、、

人が資本の事業です。コストの7割~8割は人件費です。

経営視点ではコストカットしたい。
当然のこと。

しかし、人がいないと、充分な介護サービスが提供できません
そりゃそうです。

なので、経営視点で人を少なくして収益だけ上げる。
そんなブラック経営はダメよ!!

ということで、3:1規定があるのです。

先月、ぼくも「介護に生産性をもとめないで
というnoteに書いたので、良かったらそちらもどうぞ♪


では世の介護事業者さんは、
ギリギリを責めて、3:1で経営しているか??

答えはNOです。

善光会さん、という介護ロボットなどを多く入れて、
「生産性を上げる」取り組みを進めている特養があります。

見守りカメラのセンサー、バイタルサインがわかるセンサー
記録はアプリ、物品管理もICTで自動発注、、などなど

善光会さんで、少しばかり仕事したこともありますが、
モニターには、利用者さんの心拍数や呼吸数が表示され、

転倒予防のため、ベッドから起き上がると
職員さんのスマホに通知がきて知らせてくれています。

すげ~~!!ハイテク介護!!

そんな善光会さんでさえ、3:1には至っていません。

職員1人に対して、利用者さん2・8人。

しかし、ここまでやれるんだなあとは思いますが、、、!!


現行ルールの3:1さえできてない


こんな現状ですが、各所から聞こえてくるのは

人手不足!!


そして、今業界を賑わすトピックとして、、、

4:1 にしよう!!

という動きが一部で動いています。



へ??


開いた口がふさがらない、というのが
介護現場のとりわけ、介護職の感想かと思います。


いやいや!!
今でも人手足りませんやん!!

そんな声が多数、、、

怒っている人も多数。。。



しかし、ぼくはあえて冷静に、

4:1が現実的なアイデアなのか!!

検証します!!

4:1をシュミレーション


利用者定員40名フロアの特養とします。

そのフロアには、4つのユニットがある、最近多いユニット型とします。
1ユニットには、10名の利用者さんが暮らしています。


利用者40名なので、職員配置は10名
これで、4:1です。

介護施設は、24時間、利用者さんの暮らしをサポートしますので、

通常、各ユニットに、早番、遅番、夜勤
は最低限必要になります。

実際は、これにお風呂のパートさん、掃除のパートさん
足りないところをフォローする日勤さんなどが配置されたりもします。

まずは、最低限を達成できるのか、検証します。

では4つユニットに 早番1名、遅番1名を配置。
4ユニット × 2名 = 8名

早遅だけで、既に8名を使っている!!

夜勤は、通常2ユニットを1名で観てますので、
4つユニットですから、まずは夜勤(入り)が2名。

お?既に10名使った!!


ここで、、、

10名で回せるやん!
と思った方は、シフトを作ったことのない方かと思われます。

そう!仕事にはお休みの日も必要です。

さらに、多くの施設が16時間夜勤を採用しています。
一回の夜勤で2日分仕事をしたという扱いです。

その場合、入り明けがありまして、

・入り:夕方からくる(1日)
・明け:明け方帰る(1日)
と2日分勤務したよ、ということになります。

なので、夜勤の人員としては、毎日、
入り:2名 明け:2名 計4名をシフトに入れる必要があるのです。


つまり、上記の図の人員配置では、12名の職員が必要になるのです。

最低限の配置さえ、4:1ではできない。。。

参考資料として、
以下は、ぼくが有料の管理職時代に作成していたシフトのデータです。

そもそも、休みも取れないので、
もはや、労働環境として不適格、、、


ちなみに、、、
8時間夜勤の施設もあります。

夜勤の時間が1日勤務程度の時間となり、
21時~7時 とか 22時~8時とか。

この場合、帰る翌日の明けは
公休という、休み扱いになります。

ただし、8時間夜勤を採用したとしても、
入りと明けは必要なので、

やはり4:1ではシフトができない。。。


どうしても4:1を、、、というのなら!

思い切って、夜勤のように、2つのユニット(20名の利用者さん)
を早番1名、遅番1名にしてみると(人員削減)どうか?

これだと、明けのあとの休みの2名を入れて10名!!

いけた!!


が、しかしです。。。


こんなに少ない人員で、現場が回りますか??

無理でしょうね。

介護ロボットは、なんでもできない!


見守りカメラ、脈拍のセンシング、尿意便意のセンシング
眠り状況のモニタリング、、、

人間にはできないけど、とても有用な機能を備えた機器も沢山あります。

ぼくは、それらをうまく活用することには大賛成です!!

とはいえ、なんでもかんでも、できやしない。


上記の削減した配置では、

・食事介助が複数いたらどうする?
・入浴は誰がする?
・落ち着きがない方の話を誰が聞く?
・救急対応の時どうするのか?

などなど、無理なことは誰でもわかる。


シュミレーションしてみたけど、
やはり現実的ではない。。。


4:1は無理ゲー。。。

誰でもわかること。

規制が緩和されたとしても、
実際に運用されていくことはないと思います。

もしかすると悪徳業者が、行う可能性はあります。


でも、間違いなく悪評が立つでしょう。


そうしたら、利用者さんも家族の方も、
介護職も、

そんな事業所は選びません。

自然と淘汰されるでしょう。


介護には、人が必要です。


ただし、人しかできない、
と思考停止するのではなく、

便利なテクノロジーは有効活用する。

目的は、利用者さんの幸せ。


目的さえブレなければ、あとは全て手段。

極論ではなく、バランスよく議論していきたいですね♬


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