わたしのやりたい給食カフェ
わたしは小中と公立の学校に通っていたので、給食を9年間食べ続けていた。
綺麗に日焼けした健康そうな容姿とは裏腹に、わたしは食事をとるのが非常に遅かった。みんなが昼休みになっても、黙々と給食を食べていた日々。辛かった。
そんな記憶も、時が経てば懐かしんでしまうものだ。わたしはもう一度給食が食べたくてたまらなくなってしまった。
そういうカフェがあればいいのに、給食カフェみたいなさ、と思って検索したら普通にあった。やはりわたしごときの凡人が思いつくようなことは、天の才を持つ先人たちが取り組んでいるのだ。
そんなわけだから、わたしがやりたい給食カフェを書いていこうと思う。たぶん一生やらないと思うから、誰かやってくれないかなあという期待を込めて。
まず、店員さんは全員かっぽう着を着てほしい。白い長袖のなんとも言えないシルエットの服、そして口の部分がゴムになっている帽子。もちろん髪の毛は全部入れていただく。マスクも必要だ。不織布のマスクではなくて、長方形のマスク。キャラクターのイラストがついていれば最高。
お客さんは店内に入ったら、まずワゴンから黄色いトレイを取ってもらって、テーブルについてもらう。テーブルはもちろん木の机、椅子は防災ずきんの座布団つきだ。テーブルで店員さんに注文をとってもらうが、給食ができたら自分で取りに行くシステムにしたい。本当は最初に牛乳もとってもらいたいが、牛乳は好き嫌いが分かれるのでドリンクメニューで各自注文。もちろん、ミルメークとのセットタイプもある。
給食を多めにしてもらいたいときは、「先生で」と注文する。「先生だから多めにしておいたよ!」と先生にニコニコ話す同級生、きっとあなたの周りにもいただろう。そういう意味だ。「大盛りで」と注文しても多めにはしてもらえない。「ダメだよそういうの!」と、口が達者な正義に燃える店員さんが注意をしにやってくる。
カレーライスは絶対メニューに入れたい。ウサギに型抜きされたニンジンが入っていたらレア。そのウサギさんを店員さんに見せたら、ウサギさんのシールがもらえる。これはわたしの通っていた小学校にあったシステムだ。カレーの日は、みんなお皿を注意深く見つめながら食べていた思い出がある。それがとても好きだったので、ぜひ給食カフェにも取り入れたい。
店内BGMは、放送委員会がリクエスト曲を流すという設定だ。「こんにちは。放送委員会です。お昼の放送を始めます、、、今日は『ゆず』から5曲お送りします、、、」お客さんは、メモに流してほしい曲を書いて、ポストに投函する。流してもらえるかはわからない。放送委員会はブラックボックスだからだ。
人が多く訪れる時間帯には、デザートじゃんけん大会を開催する。底上げゼリー、シューアイスなど、じゃんけんの賞品は週替わりだ。店内の人たちでじゃんけんをし、じゃんけんに勝利した人がデザートを得られる。漢気じゃんけんの日もある。
帰るときに配られるミニテストに全問正解したら、次回使えるクーポンがもらえる。もちろん本番のテストと同様に、時間制限がある。テストは、店員さんが赤のぐるぐるの鉛筆で採点してくれる。
こんな感じの給食カフェに行きたい。わたしは絶対できないので、誰かやってほしいなあ、わたしが死ぬまでに、というか歩けるうちにお願いしたい。
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