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日本は歴史をもっと海外へアピールすべきと思った話

最近音声配信のStand FMで自分の考えたことをしゃべるようになったのですが、そこで毎回書いている原稿をちょっと直せばnoteの1記事になるじゃん!ということに気づいて、今後Stand FMでしゃべろうとしている内容をこちらに記事として残してみようかと思います。

奈良県の桜井市のポテンシャル

昨日から奈良に行って、今日は桜井市を散策していました。

奈良県の桜井市ってご存知でしょうか。名前すらピンと来ない方も多いかも知れません。

しかし、この桜井市には日本の様々な歴史的遺産が眠っています。

まず日本最古の神社ってご存知でしょうか?

それは桜井市にある「大神神社」がそうであると言われています。

では邪馬台国ってどこにあったかご存知でしょうか?

諸説あるものの、同じく桜井市にある纒向遺跡が九州の吉野ケ里遺跡と並んで最有力候補として今も論争になっています。ちなみにこの纒向遺跡が今回の旅の目的でした。

この遺跡のある桜井市北部の纒向遺跡付近の地域には今なお古墳が多く点在し、そのどれもが全国の中でもかなり古い時代の古墳であるとされています。

その他にも多くの歴史的な史跡が存在し、さらには国技である相撲の発祥地とされる相撲神社も桜井市にあります。

そんな桜井市ですが、知名度もないことからも分かる通り街としての規模は大きくなく、中心となる桜井駅でさえかなり閑散としています。


歴史のポテンシャルを甘く見積もってないか

今日はJR巻向駅から桜井駅までの4kmあまりを様々寄り道しながら散策していたのですが、歩いているだけで様々な歴史的遺産にポコポコ出会います。

巻向駅と桜井駅の間にある大神神社はもちろん、宮内庁管轄の大型の古墳やかつて都があったとされる千数百年前の史跡まで、宛もなく歩いているだけだったのに様々な歴史的遺産に出くわします。

こんな体験って日本のどこでもできるものでないし、もっというと世界でもここでしかできない希少価値の高い資産だと思います。

そしてやっぱり千数百年とか、大神神社に至っては二千数百年とかの歴史があるわけで、そういうものが眼前に飛び込んできたときに何とも言えない畏怖の念やら興奮やらが入り混じった感情が呼び起こされます。

昨今メタバースがホットワードになっていますが、メタバースが普及した世界でも、いや、もしかしたらメタバースが普及すればするほどこういった物理的な歴史遺産の価値って上がっていくのではないかと考えました。

古墳や神社や、その土地に何千年と多くの人々に支えられながら存在し続けた建造物が放つオーラのようなものへの渇望や揺り戻しのようなものが将来起こる気がしてなりません。


日本は世界へもっと"歴史の価値"を打ち出せよ!

桜井市を散策して改めて思ったのは本当にもったいない、の一言。

数ヶ月前に纒向遺跡と並んで邪馬台国の有力候補とされる吉野ケ里遺跡も行ったのですが、そちらは一応遺跡の周りを整備して公園としてきれいに開放し、観光スポットとしてデザインがなされていました。

とは言えどちらの街も共通して、交通アクセスがあまり良くない上に町自体が閑散としているのは気になりました。

これは自分の勝手な想像ですが、なんとなく桜井市にしても吉野ケ里遺跡にしても、「国内の人にぜひこの史跡の素晴らしさを知ってほしい」という姿勢で望んで失敗しているように感じます。普通観光地には看板やお店のメニューなどで多言語対応されていることが普通ですが、それらの街は日本語だらけ。

大神神社は今日含め2度めでしたが、2回とも結構な人が参拝に訪れていましたが大神神社に来ている人も多くは周辺地域の人のように感じます。近くの飲食店も同様。

だって日本人の大半が「日本最古の神社は大神神社!」なんて知らないし、纒向遺跡が日本で最も価値ある遺跡の一つであることも知らない。
日本人は基本日本の歴史なんてあまり興味ないんだと思います。

でも一方で外国人からしたらこんなに興味深い場所って他にないと思います。

なんせ数千年に渡って同じ民族が守り抜いてきたものなんて、世界中でもなかなかお目にかかれるものではない。

海外からはるばる来た観光客は、滞在時間の間の1日でも1時間でもその土地の文化や歴史に触れたいと考えるはずです。日本人が無理して辺鄙な場所にあるモン・サン・ミッシェルまで行くのと近いと思います。


”歴史を守る"ことが今後の日本の合理的生存戦略

ちょっと無理やり話を大きくしてみますが、日本はもうがむしゃらになってこのような歴史的遺産を守り続けることをひたすらすべきと考えます。

どんなにIT技術が発展しようと歴史は再現もコピーもできません。偶然にも世界的にも稀有な数千年同一民族が守り続けてきたという財産は、ある意味思考停止で守っていくことが求められると思います。

そのためにはもっともっとこのような財産が海外の物好き達に刺さるように周囲をデザインし直すべきと考えます。そういった物好きたちは想像ですが往々にしてお金持ちの暇人なため、その人達をガンガン呼び込んでどんどんお金を落としていってもらって、そこで得た利益をまた史跡の保護と周辺地域の活性化へ投資していくことが必要だと思います。

逆の視点から言えば、今ってまだこの辺の整備がされていない分、うまくデザインできたらすごく面白いことになるような気がします。伸びしろしかない状態。

「日本は産業で負けたけど、アニメなどのコンテンツの力がある!」なんて言っている間に韓国や中国にエンタメでもボロカスにされている日本にとって「歴史」は揺るがぬ超絶資産となることは間違いないよなぁと思います。

こういうことを考えると昨今の「女系天皇論」なんてもはや議論の余地などないものと考えます。実際問題側室のない現代に置いては難しいよね、という議論は不可避ですが、それでも「女系天皇でいいじゃん」と結論づけようとする流れは非合理的と考えざるを得ません。

この議論の詳細な説明はこの場では省きますが、仮に数千年守られてきたとされる男系継承を破った瞬間に、日本民族の中に相当数の「皇族の血統」が出現してしまう事態になるそうです。それだと、言葉を選ばずに言えばその希少性ゆえに世界的にも大きな権威を持っていた日本の皇族という激レアカードの価値を下げてしまうことになります。

ちょっと右翼っぽい発言とも思われるかも知れませんが、自分は日本の歴史をコンテンツとして世界に打ち出していく必要性がある以上、合理的に考えるとある程度は保守的な考えにならざるを得ないような気がした、そんな週末の小旅行でした。


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