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"曼陀羅東京"の中止がもたらすクリエイターへの影響

以前「(最低6話までやると公言しているため)6話で終わりそう」とnoteに書いていた曼荼羅東京が、予想に反して1話で終わりました。

この終了に関しては話題にすらなっていない感じもするのですが、時流の影響もあり上記のnoteが今年一番の自分のヒット作になっているのもあり、一応ここから自分の思ったことを書いてみようかなぁと思います。

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前回の記事はだいぶ濃い味で結構な熱量で書いてしまいましたが、今回はわりとユルめな内容になりそうなのでサクッとまとめたいと思います。

クリエイターはどこへ行った

5月から毎月一話一曲ずつアップロードし、6話~8話まで作ると言っていたプロジェクトも6月以降更新がなく、いつの間にか本人が曼荼羅東京への解説をしたYoutube動画も削除されていました。

その経緯について以下のようにご本人が語っています。

終了の理由として、「チームとしての制作が続行不可能な状態になった」ことだと言います。その理由としては金銭的なトラブルなどではないとしつつも詳細は語れないといい、具体的な説明もないまま冒頭数分で終わってしまいました。

この動画を見てどうしても個人的に気になったのが、このプロジェクトに関わった人たちへの労いや言及は冒頭に少し述べられただけで、20分以上に渡る長尺の動画での8割くらいは中田さん自身の自分語りのような内容だった点でした。

この公式サイトを見るだけでも、相当設定を作り込んでおり、多くのクリエイター(オンラインサロンメンバー)が稼働していたことが伺えます。設定だけ存在して日の目を見ることがなかったキャラクターもいるようです。

ここでは「クリエイターをもっと労えよ!」という怒りを述べたいわけではなく「プロジェクトオーナーとプロジェクトとクリエイターの関係」を改めて考えさせられました。


プロジェクトに紐づいた制作物は使い回せない

プロジェクトの外観を見るだけでも相当多くのクリエイターが多くの稼働を割いて動いていたことが伺えるこのプロジェクトですが、プロジェクトの終了とともにそこに時間を捧げて制作した制作物は価値を持たなくなってしまいます。

このプロジェクトのためにデザインされたキャラクターや描かれた漫画、主題歌やそのPV、Webサイトから他のクリエイターが作った歌ってみたや踊ってみたなどの二次創作にいたるまで、曼荼羅東京に紐づいた制作物を作った多くのクリエイターに影響が今回の決断によって出てくることでしょう。

クリエイターは自身の作品は自身の作品集としてポートフォリオにまとめて、可能な限り価値あるプロジェクトに参画して自身の実績を大きく打ち出したいと考えますが、外部要因でプロジェクトが早急に終了してしまうことでその機会も絶たれてしまいます。

見方を変えれば、その影響が大きくなる前に即断したことは傷口を最小化させた意味では価値があったとも言えるかもしれませんが、それでもやはり気になるのが、先程挙げた動画でそこに関わった人たちへの言及がほとんどなかった点。

曼荼羅東京に限った話ではないですが、どうしてもプロジェクトの発起人の力が強ければ強いほどクリエイターは道具のようにいざとなったら使い捨てられる存在になるということは考えて置かなければならないと思います。

曼荼羅東京よりもだいぶ激しい例ですが、つい先日ホリエモンはNO TELEPHONEでタッグを組んでいたクリエイターを一瞬で切って楽曲も非公開にしたことで話題になっていました。


自分の作品の他者依存度を考える

とは言え、何か大きなことをやろうとする場合は人とチームになって動くことは必須で、そのためにはある種のプロジェクトへコミットすることはクリエイターとしてのキャリアを積んでいく課程では必要不可欠です。

しかし、今回のようにプロジェクトとは、自分以外の誰か(個人や集団)の決断に自分の創作物の価値を委ねているという点も常に念頭に置いておく必要があるように感じました。

そのような他者依存度の高い創作物だけを頼りにするのではなく、自分ひとりでもきちんと価値を生み出せるくらいの骨格筋を鍛えることが重要に感じました。その割合を上手に調整しながら創作活動は行っていくべきでしょう。

昔もてはやされた"「個」の時代"という言葉はもはや死語だったりしますが、周りと協力してものづくりをするスキルは高めつつも、同時に自分からものづくりをし、価値を高め、届けていくまでのことを一通りできるだけの経験と力を持ち合わせておく必要があるなぁと感じています。

そんなこんなで最近自分はDAOのようにお互いがフラットな関係でプロジェクトを進められるような組織体に興味出始めていることもあり、アイコンもNFTにしてみました。またこのへんのこともnoteにまとめられたらと思います。

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