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「ガジラ」商標無効判決から思い出す「ゴーゴーカレー」の看板がゴリラであるワケ

建設機械部品の「GUZZILLA」(ガジラ)という商標登録が無効だという判決が知財高裁で出たみたいです。

判決は特許庁の判断をそのまま支持するもので、何も違和感なく、すんなり受け入れられるものだと思います。

米国で「ゴジラ」といえば、「ガジラ(ガッジーラ?)」と発音されますし、シン・ゴジラでもカヨコ・アン・パタースン特使(演:石原さとみさん)がそんな風に呼んでましたよね。

判決がまだ出ていないのでこれ以上は踏み込むことはできませんが、やっぱり人気のキャラクターにフリーライドしようとする行為は許されないものです。

しかし、このような名称を使用したければ東宝さんなど商標権者なり著作権者なりに交渉して契約をする必要がありますが、虎の子のイメージキャラクターですから、おいそれと許可は出ないようです。

金沢発祥のカレーチェーン店「ゴーゴーカレー」があります。

こちらの店の看板はゴリラになっているんですが、第一印象からインパクトのある看板だったので「なぜゴリラなのか?」など深くは考えませんでした。
そもそも「ゴーゴーカレー」が勢いがある名称なので、たぶん勢いでゴリラなんだろう、ぐらいに思っていました。

しかしその裏には創業者のなみなみならぬ想いがあるようです(よくある話)。

旅行会社の添乗員だった当時、すでにニューヨークヤンキースに所属していた松井秀喜選手の満塁ホームランに感銘を受けて脱サラを決意し企業されたということです。松井選手も同じ石川県出身ということもあり大ファンのようです。「ゴーゴー」の由来も松井選手の背番号55からきているようです。

そのため、看板にはゴジラの画像を使いたかったようですが、「ゴジラだと著作権上の問題があったため、1字違いのゴリラにしました」ということだそうです(以下リンクの記事より)。

そのとき、東宝さんとの交渉があったかどうかは定かではないですが、それほど創業者の想い入れがあったにもかかわらず、問題がありそうだから辞めておこう、という判断が今日のゴーゴーカレーの繁栄につながっていると思います。

前川知的財産事務所
弁理士 砥綿洋佑