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インドネシアの温泉その2【ナグラック湯滝 2023年10月】

バンドンの北8キロほどのところにあるCurug Cipanas Nagrak(ナグラック湯滝)という温泉に行ってきました。Curug:滝、Cipanas:温泉(前回ご説明した通り、Ci:スンダ語で水、Panas:インドネシア語で熱い)。
ちなみにCurugはインドネシア語で滝の意味ですが、スンダ語では指という意味になります。インドネシア語で指はJari(ジャリ)と言います。

写真やインドネシア人ユーチューバーの動画を見ると析出物ができているのと濁り湯なので、さぞかし濃い温泉ではないかと期待し行ってみることにしました。
わたしはどちらかというと濃いめでガツンとくるタイプの温泉が好きです。

バンドンからだと日帰りでちょうどいいです。混んでいないことを祈りつつ、平日金曜の朝一番にでかけてみました。

■ 温泉の概要

バンドンの町から北側に位置しており、Lembang(レンバン)という町にあります。距離は約8kmです。

Grabバイクで行きは約40分、帰りは約30分です。行きはほぼ坂道を上っている感じです。腹筋が鍛えられます。
料金は行きが41,000ルピア(約370円)、帰りが33,000ルピア(約300円)かかりました。帰るのにGrabを呼んだのですが、バイクの運転手はなかなか来ず、温泉への入り口がわからなかったみたいです。太い舗装された道まで出た方がいいかもしれません。

営業時間:24時間営業
料金:一人25,000ルピア(キャンプをする人は35,000ルピア)
インドネシア語がよく分からなかったんですが、追加料金を払うことなくこの料金で常設の小さいテントに泊まれると思います。貧乏湯治にいいですね。夜はかなり冷え込むと思うのでシュラフや毛布の持ち込みは必須です。
住所:Jalan Nagrak Kulon Sukajaya Lembang, Cihideung, Parongpong, West Bandung, West Java, Indonesia, 40391

目指すのは15番の湯滝

■ 温泉の様子 

一番手前にある浴槽は深さ1.5mと書いていました。泳ぐ目的で使うのかもしれません。温度は30度くらいと思います。
奥にも次々と浴槽が現れ、少しずつ温度は高くなっていきますが、依然としてぬるいままで、結局一番上流にある浴槽も38度くらいしかないと思います。

もっと上流があるんじゃないかと考え探そうとしましたが、温泉のスタッフらしき人がないと言っていたのでやめました。湧出口だけ確認しました。
ここもぬるかったです。川の水と混ぜてぬるくしたと思っていたので意外でした。

滝の上にある湧出口。もっと奥から流れ出ている様子。

水着に着替えてさっそく一番上流部の滝の温泉に入ります。着替えはトイレでしろと言われました。

ぬるいとはいえ素晴らしいです。ぬる湯好きにはたまらないんじゃないでしょうか。何時間でも入っていられる温度です。
お湯をなめてみると、うすく酸味がします。わたしの感覚だとPh3くらいと思います。酸性泉ですね。
また、若干ですが鉄分の味もしました。岩肌が赤茶けているのは鉄分のせいかもしれません。ただ、お湯は茶色くありません。
むしろ、乳白色に見えますので、硫化水素臭は感じられないものの、温泉に溶けた硫化水素が冷えて結晶化したように見えます。白い粉が浴槽の壁にこびりついています。硫黄泉の可能性が高いです。

一番奥は典型的な酸性+硫化水素型の硫黄泉の色です。高湯温泉、恐山温泉、万座温泉とか。

あと若干塩気がする感じがしました。間違えているかもしれませんが、寮に戻ったあとも体にベトベト感が残ったので、ナトリウム塩化物泉(いわゆる塩化ナトリウム)の特徴は出ています。

朝8時なのでまだすいており、わたしは広い湯舟を独占できました。深さは90cmくらいあります。深いのがまたいいですね。

この温泉の良いところは、お湯が濃く新鮮なのに加えてやはり景観と思います。
長年時間をかけて析出物が作り上げた造形美は、見るだけで満足できるレベルです。身体だけでなく、目でも温泉の濃さを楽しむ感じでしょうか。
それと、休憩できる竹製のあずまやがたくさんあり、そこで休みながらまた温泉に入るという湯治的な使い方ができるのもいいと思いました。

温泉疲れで小腹がすいたので、わたしも他のインドネシア人たちと同じようにカップラーメンを食べました。一つ10,000ルピアです。
あずまやは小高い場所に立ち並んでいますので、景色もすばらしいです。

この浴槽は上から見るとハートの形をしている。

大量のお湯が湯川となって流れていきます。この川の底の白さを見れば、硫黄泉は確定ですね。
寒の地獄(大分)の湯川のような色でした。比較のためアップします。

湯の花を採取して売ってはどうだろうかと思いました。
寒の地獄温泉の敷地内を流れる湯川。日本の温泉は細部にいたるまで美しいですね。

結局1時間以上は入っていました。かなり濃厚なお湯なので、あまり入りすぎると湯あたりを起こす可能性もあります。もうちょっと楽しめたとは思いつつ、上がることにしました。

寮についたのは午前11:00頃でしたが、温泉疲れでしょう。異常に眠くなり、そのまま昼寝して起きたら14時になっていました。頭も体もすっきりです。
この温泉のパワーはなかなかのものですね。1時間くらいの入浴時間にとどめておいて正解でした。

温泉マニアの寮の監督はこの温泉のことを知らず、別のスタッフは知っていました。知らなかったのがよほど悔しかったのか、「俺ならバイクになんか乗らずに歩いていく。」と変なマウントを取ってきました(笑)。
写真を見せたら本当にうらやましそうな顔をしていました。

近いのでまた来たいと思います。次はテント泊かな。

贅沢をいえば、もう少しゆったり目のスペースでテントを設営して欲しいですね。

それでは、また。

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