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【安倍氏国葬】"張りぼて祭壇"を映したNHKの意図

前田有一┃映画批評家

この記事は「安倍晋三元首相の国葬を映画批評家が分析したら、NHKのホンネがバレた件」の続きです。国葬分析記事3部作の2本目です。

◆前回までのあらすじ

安倍晋三元首相の「国葬中継」という、NHKの未来をかけた「作品」があまりにも異様すぎるという分析を、いくつもの根拠とともに描きました。

前座映像のファーストシーンには「岸信介」を登場させて、安倍晋三が統一教会の継承者であることのメタファーとした。

さらに岸田首相の「国葬擁護論」が滅多打ちにされる野党の論破ショーを見せ場として配置。この国葬の妥当性に疑問符を植え付けた。

きわめつけは、モリカケ桜のトリプルコンボ。古い怒りの記憶を呼び覚ましました。

そのうえで、いよいよ本編の中継を始めるという物凄い構成です。

その序盤戦もすごい。桜を見る会と同じ会社が行ったという、イベント演出面での「段取りの悪さ」を印象付ける数々の「演出」を行い、段取りの鬼というべきパーフェクトなエリザベス女王の国葬との違いを日本国民に見せつけた。

ここまでが前回のあらすじです。

そしてここからがコチラも本番です。

張りぼて祭壇を印象付ける底意地の悪さ

安倍晋三元首相の遺影とともに武道館に設置された祭壇は、奥行き十数メートルはあろうかという巨大なもので、花や記念品に飾られ立派なものでした。

一部報道ではエリザベス女王の物凄い国葬を見た岸田首相が、「安倍さんの国葬も見栄え重視でシクヨロ!」と厳しい指示を出したそうです。つまりこの国葬中継はある意味「岸田プロデュース」。コンセプトは「テレビ映え」です。

映え……させなかったNHKの心意気

これに対するNHKの、プロの目から見ればあまりにあからさまだった回答が武道館内における最初の場面(屋内編ファーストシーン)です。

ここでまずNHKは正面からこの祭壇を映します。そこで得た私の印象が先ほど書いたものです。すごいものだな、立派な祭壇を作ったなと思いました。

ところがその直後のショットで、NHKはなんとこの祭壇を横から映したのです。

するとどうでしょう。奥行きはわずか数メートル。実態は、遠近法による目の錯覚を利用して、正面から見た場合のみゴージャスにみえる「張りぼて祭壇」だったのです。

バエるどころか、いきなりの残酷な「種明かし」

国民の多くは「これで16億円かよ!」「張りぼてのくせに、あのゴージャスなエリザベス女王の国葬より費用が高いってどういうことよ」「すわ中抜きか?!」と怒りマシマシになる仕組みです。

断言してもいいですが、このショットのつなぎ方は意図的だと思います。そうでないとわざわざハリボテをばらす説明がつきません。担当者のしてやったりな表情が見えるようです。

100歩譲ってこの「横位置」のカメラが、会場側からの指示によるものだったとしても、正面映像の直後に横位置ショットをつないだことは、明らかに編集者の意図によるものなので同じことです。

あまりのことに私は「もしや五輪中継のように主催者側から提供された共通映像を、各局とも同時に流しているだけじゃないか?」と疑い、ここでザッピングして見ましたが他局の中継映像はバラバラ。やはり、NHK独自の編集、および映像を使っていることがわかりました。

正面映像にも悪意の予算テロップ

ざんねんなアイドルが、いつも同じ角度と表情で写真に写る(奇跡の一枚ならぬ一枚だけの奇跡)かのように、この祭壇がゴージャスに見える唯一の角度である真正面の映像。これにもNHKは仕掛けをしています。

それは、「国葬の予算の内訳」というヒジョーに生々しいデータのテロップを、祭壇映像の前重ねにしていたというものです。

「今後、国葬の総予算は追加分が発表されてさらに膨れ上がるからよ、そんときは俺らが映した張りぼて祭壇を思い出してくれよな!」との、番組制作者たちのメッセージが見えるようではありませんか。

祭壇と張りぼてと予算を、サブリミナル効果のように脳みそに焼き付ける。まるで『部屋とYシャツと私』。3つをまとめて焼き付け。恐ろしいことをするものです。

さらにこのあと中継は、弔問客として会場にいた「NHKをぶっ壊せ」の立花孝志氏のドアップを挟み込むという、確信的ブラックジョークなショットまで見せつけます。

彼の隣には一応?菅義偉前首相がいましたが、カメラのピントはむしろ立花氏に合っており、カメラマンの意図するメイン被写体がどちらだったかは明らかです。

黙とう後の会場映像にも反骨のテロップを挟むNHK

約1分間の黙とうの後は、会場に安倍晋三元首相の功績なるものをまとめた映像が流れ、それをNHKも中継しました。

ところが彼らは、しつこいくらいにアナウンサーが「会場では政府が制作した映像が映写されています」と繰り返し、映像の横に同じ文言のテロップを表示し続けました。

さらにこの政府制作映像についてNHKは、頑として「会場のモニタを斜めから映す」形で伝えることに徹していました。

テロップの件と合わせて判断すれば、ようするにNHK側は「このプロパガンダ映像と俺たちを一緒にするなよ、俺たちが作ったわけじゃないから誤解しねーでくれよな」と暗に示していると判断するほかありません。

そもそもNHKがその気になれば……というより通常はこの政府映像そのものを、中継映像の代わりに挿入することもできたはずだからです(でもやらなかった)。あえて見づらい現地モニタのナナメ映しに終始しました。

拍手のタイミングを間違えた会場の(一部の)人々

この政府制作映像は、上映の最後にケチがついてしまいました。

この映像のラストは、ピアノを弾き終えたとき少しミスったのか、安倍氏が気恥ずかしそうに「もう一回いきます?」とジョークを飛ばす形になっています。

これは実によくできた幕切れで、彼が亡くなってしまった今みることで、二度とない「もう一度」のセリフがせつない余韻を残す……はずだったのですが、安倍氏が演奏を終えた瞬間に会場の一部が「ブラボー」といわんばかりの大拍手をしてしまったためにセリフがかき消され、編集者がこだわりぬいたであろう静かなラストシーンが台無しになりました。

なにしろウクライナのゼレンスキーが日本の国会でオンライン演説をした際、スタンディングオベーションと大拍手を台本に書いていたという「やらかし」の前科がある「政府制作」です。

今回の不自然な「一斉大拍手」もじつは台本で、しかし間抜けなことに会場の「サクラ」たちがタイミングを間違えて「やらかし」てしまったのかもしれませんね。

政府制作映像の存在を知っていたNHKが序盤に張っていた伏線

さらに言うならば、この政府制作映像は、先述したNHK制作の前座前振りVTRと対になっています。

「えっ?」という方のために解説しましょう。

まず、NHKは政府制作映像の存在を知っていたからこそ、あの前座映像を伏線として張っていました。

それに気付いてほしくて、しつこいくらいに「会場では政府が制作した映像が映写されています」と伝えたとみるべきなのです。

誰が制作したかを、何度も視聴者に意識させようとしています。これ、おかしいですよね。なんでわざわざいう必要があるのですか? 言わなくてもわかるし、というか別に言う必要のないことではないですか。

こういうところに気付くのが映像分析のスキルです。

回答を提示します。

NHKが繰り返していた「会場では政府が制作した映像が映写されています」の意味は「これはプロパガンダ映像です」ということなのです。

さらにその裏には「最初に私たちが制作してお見せしたVTR映像こそが真実です」とのメッセージがあります。それを暗に伝える構成になっているわけです。

映像と映像を対にする。そのうえで「制作したのがだれか」というカギを提示する。

これは映画文法における伏線の張り方、まさに基本のキですので、作り手の意図を正確に受け取れるだけのメディアリテラシーを、ぜひ皆さんも身に着けてほしいと思います。

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※次回は菅義偉の感動のスピーチ? 皇族方へのカメラアングルの秘密 などなど

※いよいよ完結編『確変するNHK/国葬中継に込めた隠されたメッセージ』に続きます。

⇒参考(私が書いた同名の小冊子を、note有料記事にしたものです)
『安倍元首相銃撃事件と国葬報道を映画批評家が本気で分析したら岸田文雄首相による謀略だと判明してしまった件』

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次回開催は10月、埼玉会場、東京会場、横浜会場。そして11月には九州福岡会場、熊本会場と続きます。

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