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卵巣出血で死にかけた話とその教訓

みなさん卵巣出血ってご存知ですか?

症状は名前の通り、卵巣から出血すること。
原因はさまざまですが、排卵や性交で卵巣が裂けて出血する人が多いんだとか…。

「あ、なんか急にお腹痛い…なぜかわからんけど痛い…」
って時、あるじゃないですか?
あの原因が卵巣出血ってこともあるみたいです。
でも大体は体内に血液が自然吸収されて、大事には至らないと聞きました。


ところが私は大胆に子宮が避けてしまい、まさかの死にかける事態に発展した経験があります(笑)

数年前の話にはなりますが、結構危ないなーと思ったので改めてnoteにも残そうと思った次第です。
おおよその時系列ごとに、500文字程度でまとまる内容をあえて5000字かけて伝えます。

皆さん、子宮は大事にしましょう🏥


リアルな画像は全く添付しておりませんが、文章内に血や体の描写があります⚠️
苦手な方は閲覧をお控えください。せっかく見に来てくださったのにすみません…!

1日目

09:45 なんか変

※数年前の話なので、時間はおおよその目安です。

違和感があったのは大学2年の秋ごろ、土曜日の朝でした。
この日は大学で委員会があって、珍しく午後から登校しなければならない日。

いつも通り朝起きて、トイレに行って、食事をしたのですが、なんだかお腹に違和感がある。
しかし生理の時期でも何でもない。

というか私は生理痛が全くと言っていいほどないタイプ。当時はPMSも皆無の健康優良人でした。

腹痛を味わうこと自体がない私が思っていたことといえば、
「なんか前日に悪いもの食べたっけなー…?」くらい。
でも前日は普通に大学に行って帰ってきて、普通に家族と同じご飯を食べただけ。お腹にあたりそうなものも何も食べていません。

とりあえず委員会開始まで時間があったので、パジャマのままゆっくり過ごしました。


11:47 4mが限界

「まだちょっと痛いけど、支度しなくては…」
ベッドから起き上がり、トイレに向かいました。

でも、たかが7~8m先のトイレがめちゃくちゃ霞んで見えたんですね。トイレがめちゃくちゃ遠い。

長時間立っていると倒れそうなので、一旦4m地点の廊下で横たわる。
落ち着いたところでもう3~4m歩いて、ようやく用を足せました。

でも、4mでへばってる女が40km先の大学に行くのは無理すぎる。
洗面所でもう一度横たわってからベッドに戻ったあと、一緒に委員をしていた友達に欠席と謝罪のメッセージを送付しました。


13:52 父、奇跡の帰宅

まさかの父、帰宅。
普段は土曜日も遅いのに、珍しくこの日は早あがり。
仕事のキリがよかったらしく、お昼に帰ってきました。

父「どうしたの?具合悪いの?」
私「歩いたり立ったりするのがしんどい」
父「えー病院行ったほうがいいんじゃない?」
私「いや、腹痛だし大丈夫でしょ。もう少し様子見る」

腹痛に慣れてなさ過ぎて、どの程度で病院に行くべきかわからなかったんですね。あと単純に病院に行きたくなかったんです。病院怖い。

ちなみに、このときは父の早帰りがファインプレーになるなど、予想だにしていませんでした。


15:13 決死のほふく前進

トイレに行こうとベッドから起き上がったとき、もう立っていられないことに気付きました。

トイレに向かってほふく前進で進む娘。
それを横目に見る父。

父「やっぱり病院行こうよ」
私「いや、大丈夫…」

休憩をはさみつつではありますが、このときなんとか約8mのほふく前進に成功しました。
達成感に包まれる私。

しかし、便座に腰を下ろした瞬間、私の意識がどこか遠くの方へ。

多分、ものの数秒だったと思います。

「「大丈夫かーーーっ!!!!」」
という父のどでかい声で目が覚めた私は、脇を掴まれベッドまで引きずられていました。

この時はわからなかったのですが、貧血で座ることもできなくなってたんです。

父「やっぱり救急車呼ぼうよ」
私「いや、腹痛なんかで市民の皆様にご迷惑をかけるわけにはいかない」

このとき父がいなかったらトイレで数時間倒れてたのかなー…と思うと恐ろしい。

でもそんなことより、「私トイレから救出されたときパンツ履いてた?」って聞きたかった。まだお年頃だったので聞けなかった。


18:00 動けん

右だったか左だったか忘れたのですが、もう横たわっても片側しか向けない人間になっていました。

父「病院行こうよ」(何回目?)
私「受付時間終わってるし、明日起きても痛かったら行く」

意地です。


19:56 初めての救急車

母、帰宅。
片側を向いたまま動けない私を見て、すさまじく説得されました。

母「病院行くよ」
私「もう閉まってるから行けないよ」
母「夜間診療は開いてる。タクシーで行こう」
私「私起き上がれないからタクシー呼べないよ」
母「じゃあ救急車だよ」
私「私喋れるし、市民の皆さんに迷惑だよ」

なぜか、「喋れる人=救急車呼んではいけない」の方程式ができていた私。
確か当時、救急車をタクシー代わりに使う人が話題になっていたんですよね。だから自分もそういう迷惑な人になりたくないって思っていました。今思うと超呼ぶべき人だけども。

「救急車ってのはこういうときのためにあるんだからね?!もう呼ぶからね?!」
という母の強行突破で救急車を呼ばれてしまったのでした。


20:08 後悔のTシャツ

人生で初めて救急車を呼んだのですが、到着が早くてびっくりしました。
まじで救急。

救「症状が出たのはいつ頃からですか?」
救「ここ押すと痛いですか?」

とかそんなようなことを聞かれた気がする。

そんなことより、私はパジャマにしていたTシャツが気になって仕方ありません。
UNIQLOで190円で購入した進撃の巨人Tシャツ…。

長年愛用したUT

着替えられる状態じゃなかったけど、パジャマを適当にしていた自分を悔やみました。

今をときめく(?)女子大学生が、進撃の巨人Tシャツってつらい。


20:40 「ありません」

一番近くの病院は断られて、地域では大きめの総合病院に連れていかれました。今思うとこっちに来れてむしろよかった。近所の病院より清潔。

ガラガラガラーッて音がする、医療ドラマでよく見るベッド(※以下:ドラマのベッド)に乗せられて先生を待ちます。

先に看護師さんが来て、色々と質問をされたのですが、
「過去3~4か月以内に性行為はありましたか?」
って聞かれたのが印象的でした。
多分3回くらい聞かれた。

でも見てくれ。
こんな進撃の巨人Tシャツを着ている女に、心当たりがあると思うか…?なかろう…??

看「何回もごめんね。10代の女の子だと隠す子もいるから、念入りに聞かせてもらっているの」

なるほど。でもまじで心当たりはないんだ…。


22:02 ザワつく下着

横たわっていればギリ意識のある私はちょいと待たされ、1時間以上たってからMRIだったかCTだったか、そのような検査を受けました。

とりあえず横たわったものの、ガラス越しにいる先生たちは「むむっ?」という反応。

医「なにかポケットにカギとか入ってますかー?」

え?

私「…入ってませーん」
医「なんか金属反応があるんですよね…ファスナーとかついてる?」
私「いや、ファスナーもついてないです…」

……!

(((パンツや…!)))

私は気づいてしまったのです。その日のパンツの中央に、キラキラがついていたことを。

勝負じゃなくても勝負下着な日ってある

なんか大学生くらいのお年頃って、下着こだわりません?
私は結構可愛い下着を集めるのが好きな時期でした。

私「あ、下着かもしれません…」

ちょっと先生たちがざわついた気がしたけど、気にしないようにしました。
そりゃそうだよね、進撃の巨人Tシャツの中身が勝負パンツって意味わからん。

ノーパンで受けたら普通に検査できたので、やっぱりパンツが原因でした。


22:34 とりあえず

そんなこんながありましたが、無事検査は終了。
先生にはこう言われました。
「お腹の中にモヤがかかってる。水か血か、ちょっと開けてみないとわからないからこのまま手術するね」

「開けてみないと分からない」てパワーワードをサラッといえるお医者さん(笑)

でもここまでくると、私も「あ、そうですか」という感じ。


23:02 そんなことよりバイト

例のドラマのベッドで手術室まで運ばれます。
この時、父と母の顔を久々に見ました。

ちょっと心配そうな表情だった気がしますが、私は意外と冷静。

手術前、母にかけた最後の言葉は
「明日のバイト行けそうにないから店長に伝えといてって○○ちゃんに連絡しといて!!!」
でした。

ちなみにこの友人は一緒にバイトをしていた幼馴染(親も知り合い)で、結局友達自身が代わりにシフトに入ってくれました。大感謝。


2日目

06:22 テレビカード

手術直後のことはうろ覚えですが、確か手術は夜中に終わって、一瞬エレベーターの中で目が覚めました。
でも麻酔が効いててそのまま寝たんですよね。

朝起きたら母がいて、手術の話をされた気がします。
でも私は寝ぼけてて「テレビカードが1枚で2枚なんだよ、なんでわかんないんだよ」とか意味不明な寝言を言っていた気がする。しかも怒ってるのタチ悪すぎる…。


10:56 結局、何だったのか?

この日は車椅子生活で、看護師さんに診察室に連れて行ってもらいました。
先生から手術時の状態を聞くためです。

色々言われたんですが、要約すると以下です。

・卵巣が3cmくらいぱっくり裂けていた
・それが原因で体内に血が2000mLくらい漏れていた
(↑座れないほど貧血になった原因はこれ)
・漏れた血は吸い取った
・800mL輸血した
・原因は不明

2000mLってなかなかのものらしく、救急車呼ばなかったら危なかったようです。

そして私は過去に200mL×2回、400mL×1回の献血経験があるのですが、それをチャラにする輸血量。
「献血が不足してます!」という看板もよく見かけるので、申し訳ない気持ちになりました。貴重な血を恵んでいただき、ありがとうございます…。

3日目

さて、手術前後の24時間が経過したのでここからサクッと。

とりあえず手術翌日には歩く特訓が始まりました。
看護師さんは意外とスパルタです。

いや、全然痛いんですよ。普通にまだ痛い!
でも動かないとからだにも良くないとのことで、廊下で歩く練習をしました。

走ったり、重いものを持ったりはしばらくできなかったんですが、
おかげさまで4日目には歩けるようになりました。

4日目

実はこの日までお腹に管らしきものがつけられていました。
なんだったか忘れたのですが…。お腹の切り込みから管出てたんですよね。

本当はこんなにくびれていない

これを取りますよってことだったんですが、まさかの病室でビビりました。

看「じゃあいきますよー、3・2・1…」

なにが怖いって看護師さんのカウントダウンが超早い。
心の準備をする暇もなく、体内から管が抜かれていきました。

背筋がスゥゥゥっとした…

5日目

確かお風呂に入ったのは5日目の夜。さすがに管抜いた当日ではなかった気がする…どっちだったかな…。

管抜いたところは特に縫わず、自然治癒待ちなんです。
ガーゼを貼っているものの、お腹に水はいるんじゃないかと恐怖!

お腹に水がかからないように、工夫を凝らしながら数日ぶりの風呂を終えました。

6日目

退院です。

初日は心配していた母も
「え、その日仕事だから一人で帰ってこれない?」
と言われました。ひどい(笑)

看護師さんから
「できる限り付き添いをお願いします…」
と言われ、しぶしぶ休みを取ってきてくれました。

いやありがたいけども。
一応10代の娘です、大事にしてください。


卵巣出血で得た10の知見

色々あった卵巣出血事件でしたが、結果としては生きていたし学びもあったかなと思います。(代償もありますが…笑)

そんな経験から学んだことを10個にまとめてみました。


①卵巣出血は前触れなく起こり得る
②腹痛をなめてはいけない
③喋れる状態でも体が限界なら救急車を呼ぶべし
④経験のない痛みは迷わず病院に行くべし
⑤日頃から他人に見られても良いパジャマを着るべし
⑥病院に行くときは地味な下着を選ぶべし
⑦看護師さんは良い意味でスパルタ
⑧輸血経験がある人は二度と献血できない
⑨縫わないでくれると後々傷が目立たない(ただし風呂は怖い)
⑩持つべきものは友達


手術をしてからもう8年ほど経ちますが、当時のお腹の傷はほぼ残っていません。
多分言われたらわかる程度です。私も探さないと見つけられないほどなので(笑)

この時バイトを代わってくれた友人や、遅れた大学の授業をサポートしてくれた友人とは今も仲良くしています。ありがた~~~い🧚‍♀️持つべきものは友達!


私のように何の前触れもなく、しかもここまでの大出血をするケースは稀なようですが、
「お腹がどうにもおかしい!!」
「こんな貧血経験がない!!!」
となったら、迷わず病院へ行きましょう🏥我慢、ダメ絶対です!


振り返っていたらかなり長文になってしまいましたが…
もしここまで読んでくださった方がいるのであれば、心より感謝申し上げます🎉

少しでも笑えた、今後のためになった、と感じていただけたのであれば本望です…!

皆さんも健康には気を付けてお過ごしください🌷


以上、まえだでした🐶🐾

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