なぜ北海道だけラーメンサラダはあるのか?家庭に広まった流れを考えてみた
ラーメンサラダというサラダの概念にケンカを売った食べ物をご存知だろうか?
北海道の料理で、サラダに中華麺を乗せ、ドレッシングであえた食べ物である。
野菜も炭水化物だし、麺も炭水化物なので、炭水化物オン炭水化物。
サラダのヘルシーとは裏腹に、デブ活を推奨するサラダ業界の裏切り者である。
ちなみサラダ嫌いのぼくもラーメンサラダは好きである。デブ活一直線は楽しい。
さて、北海道で生まれたラーメンサラダだが、ぼくは疑問だった。
なぜ北海道の家庭料理にラーメンサラダは広まったのか?と。
ぼくの生まれ育った神奈川県にそんな食べ物はないし、母親の実家の新潟県にもない。父親の実家の鹿児島県にもない。全国津々浦々を探しても北海道だけである。
北海道に移住する前に札幌に住んでいた年上の女性からぼくはこう聞かされていた。
「北海道に行ったらラーメンサラダって食べ物があるんだよ。私は気に入って作ってたんだよね」
彼女はそう言った。
「じゃあ探してみるか」と思ってぼくは札幌のスーパーでラーメンサラダを探したのだが、どこにも売っていないのである。
冷やし中華みたいにセットが売っているのかと思ったらそうではない。
スーパーのどこを探してもラーメンサラダキットが売っていない事実にぼくはびっくりした。
しかし最近、道民のうちの彼女がラーメンサラダを作ってくれて、夕飯に出された時に納得した。
ラーメンサラダは生麺の余りを使って作られていたのだ。
数日前に家で鍋をやり、しめに麺を使って食べたのだが、その1〜2食の麺が余ってしまったのだ。
彼女は冷蔵庫に残った麺の在庫処分としてラーメンサラダを作った。
なるほど、通りでぼくが札幌のスーパーを探しても、ラーメンセットのパッケージなんて売ってなかったのだ。
もしかしたらラーメンサラダを作るために生麺を買ってくる主婦もいるかもしれないが、生麺の余り物としてラーメンサラダを作る人も多いのだろう。
ここで思ったのが、北海道でラーメンサラダが定着した理由の仮説である。
以前記事で書いたが、北海道は家庭でもラーメンを作る。生麺とスープを買ってきて、家で作るそうだ。
その時に生麺が余り、余った麺の処分レシピとして定着したのではないだろうか?
ラーメンサラダは1985年に札幌のグランドホテルに入ってるレストランのシェフが新メニューとして開発した。
そこでグランドホテルまわりの人や居酒屋がマネして、自店でメニュー化したらしい。
そこまではさかのぼれるのだが、北海道の家庭で広まった経緯は、まだわからない。
うちの道民彼女は、料理研究家の星澤幸子先生が北海道のローカルテレビ局を通じて、ラーメンサラダを北海道の主婦に広めたのでは?という説を唱えている。
北海道ローカル局のどさんこワイドという番組で「奥様ここでもう一品」というコーナーがある。
星澤幸子先生という料理研究家がこのコーナーに出演されているのだけれど、北海道版の平野レミさん的なポジションらしい。
ここで星澤先生がラーメンサラダを作り、北海道中の主婦がラーメンサラダを知って、マネした可能性は充分にある。
家庭料理の番組だし、余りものを使って作るメニュー提案もよくやる。
余った生麺の処分先として、ラーメンサラダは北海道のローカル番組を通じ、家庭に広まった。
だから北海道のスーパーにはラーメンサラダのパッケージが売ってないし、北海道の家庭でしか食べられないのではないだろうか?
あくまで仮説なので確かめる必要はある。ちょっと追求してみたいと思った次第である。
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