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#13 読書感想文 会話を哲学する コミュニケーションとマニピュレーション


読んだ本の紹介


会話をするということはどういうことなのか。私たちが生きていく上で、必要とされている当たり前の「会話」を考えることで、どういう社会に生きていくのかを考えるきっかけになる。

この本を読んだ理由


オーディオブックでおすすめされているので、オーディオブックで聞くことにした。無料で聞き放題というのがうれしい。最近、ちょっと運動しようと散歩しているので、ながらで聞くのは最高。

あらすじ


私たちが普段している会話というのはどんなものなのか。そして、仕事や友達との会話で無意識に相手との約束事や誘導をしているのではないか、という再チェックをすることができる。

様々なマンガや小説の会話を参考に、会話を分析していく。

その中で、ジェンダー関係が多いと感じるのは、筆者の考えによるものだと思う。今の世の中で、ジェンダーを考えないというのはありえないので、その点も学べるのはうれしい。

私と相手では、考えている視点や重要度が異なる、というのも筆者の言葉から伝わってくる。これから自分の目線だけでなく、相手の目線も考えつつ行動することが大切になるだろう。

良かったところ


知っているマンガや小説を異なった目線から捉えると、異なる意味でその世界が見えてくるのが面白い。

そして、「分析哲学」について知ることができた。全くその分野については知らなかったので、早速アマゾンで関連本を購入することにした。今後、その感想文も書きたい。

今している仕事でもこうした「会話」を無意識に使い分けていることを認識した。もちろん、それは悪いことではないが、相手と話がかみ合わないというのはこうした「会話」の約束事などが問題だと意識するに至った。

相手に「想像させる」という手法は非常に役に立つ。特に権力側に立つ人がそうした行為をすることで、下は従わないといけないような雰囲気になるのは、「マニピュレーション」をきっかけとしての考えとして活用していきたい。

気になる箇所


①ジェンダー目線が出てくるので、「会話」だけを期待している読者には、少し偏りを感じるのかもしれない。例として挙げているのも、少し偏っているように思える(個人的にはそうした考えも学べるのでうれしかった)。

②日本語としての「会話」にフォーカスしているので、これを英語や中国語など外国語に応用していくとすると、さらに複雑になってくる。例えば、中国では「そうしたことは聞いていません」とこちらから言っても、相手にとって決まったことのようにされる(そうした例も本文に出てくる)ことがある。

③ハイコンテクストとローコンテクストの違いも捉えつつ、日本語教育においては非常に大事になってくる。「あいまい」な表現は、そうした日本語の「良さ」を前面に押し出したものかもしれない。それが「直接的」になると社会はどうなるのか、気になるところである。

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