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地方在住型ワークの制度ができるまで③

2022年4月に山形県鶴岡市に移住を計画する、入社2年目の平社員:前田が、地方在住型ワークを制度化する話の3話目です。

時が経つのは早いもので、このnoteは既に鶴岡で書いています。。。

<過去の記事>


社内向け提案書を書き終え、フランクに相談させてもらった上司に、フランクにレビューしてもらい、いざ人事への提案。

人事「いいですね、僕もこういった働き方をしてみたい」


おぉ、めっちゃいい感じのリアクション!!
一先ず、人事の好感触に安堵。


最終的には、経営会議での承認を得る必要があるため、次は経営企画部や人事部などを統括するコーポレート本部を管掌する(※当時)の取締役:CFOへの提案。

個人的には、ここが一番の正念場だと感じていました。
なにせ、提案する相手はファイナンスのプロ…

CFO「前田さんが移住するメリットを、数字で表してください」(妄想)


ヤバい、こんなQAは想定していない…


こんな、ザ・定性的主観的なスライドでは太刀打ちできない…


そんな不安を抱えて、いざCFOへの提案。

不安とは裏腹に、しっかり提案を聞いていただき、案ずるより産むがやすしでCFOも承諾。

最終的には、タイトルの通り「地方在住型ワーク」は経営会議で承認され制度化されます。

提案時と制度化された時の相違点について、簡単にご紹介いたしますね。


■「フルリモートワーク社員」の考え方

本人が希望し、会社がフルリモートワークで働くことを許可した社員」が、フルリモートワークをできることになりました。

職種や入社年次など、フルリモートで業務や教育・育成が継続できることが条件に加えられました。
提案資料に抜けていた視点ですが、組織のルールとして必要な考え方だと感じました。

■交通費は出張費として会社負担

提案時は、「月2万円のリモートワーク手当から捻出する」という身を切る提案をしていたのですが、会社からすると「持続可能な制度ではない」ということで、出張費として従業員に支払われることになりました。

これは嬉しい誤算であり、会社に対して感謝しかないです。


その他にも色々と条件の追加はあったものの、提案した地方在住型ワーク(=フルリモートワーク)は無事に制度化されました!!


社外からの反響も大きく、日経新聞でも取り上げていただきました。

都内で子供3人を育てるには家が狭いこと。前田さん自身はコロナ禍でリモートワークになり、もはや東京で暮らす理由はないこと。それならば地方に移住し、3人の子供をのびのび育てたいと思うようになった。
人事に働きかけて、フルリモート勤務を制度化してもらった。22年度からは前田さんに限らず、パートナーの転勤や親の介護で東京を離れる社員も働き続けることが可能になる。「選択肢が広がることで自律的な働き方が可能になり、会社へのエンゲージメント(愛着)も上がった」と前田さんは話す。

日経新聞:パパの育休元年、今度こそ 4月法改正で変わる働き方


最後に:僕にとって「働く」ということ

今回の地方在住型ワークを制度化していく上で、色々と気づきがあったので書いていきます。

■ないものはつくる
ショーケースの代表取締役社長:永田も言っていましたが、「ないものはつくる」という考え方はとても大切だと感じました。

「やるメリット」を訴求すると同時に、「やらないデメリット」も合わせて提示していくことが重要です。
今回の提案だと、「社会の流れ」の部分ですね。

働き方の変化は、求職者の考え方を変え、中長期的な視点に立つと「今から取り掛からないと後発組になってしまう」というリスクがあり、「今から始めておくと、競争優位性につながる」というメリットがあることです。


■主語は小さく
直前の文章と少し矛盾するような気がしますが、今回の提案において「僕が移住する会社のメリット」が主語です。

「社会の流れ」を説明する部分では、僕以外の「みんな」が主語ですが、そこ以外は「困っている人は従業員の僕」で、「解決してくれたら助かるのも従業員である僕」です。

“名前も顔も知らない、どこかの誰か”ではなく、ショーケースで働いている従業員の前田大地が困っているので助けてほしい

これが、提案書で一貫したメッセージです。

たぶん、「社会的に移住が進むだろう」、「今後、地方在住型ワークをしないと採用で勝てないかも」「だから、フルリモートワークしましょう」という曖昧な主語であれば、制度化されていたか微妙だったと思います。


■ワークとライフのバランスをとる土台はライフ
これは、子育て中の家族だからかもしれないし、僕の価値観の話だと思うのですが、ライフが安定していないとワークのパフォーマンスも安定しない気がします。

新型コロナウイルスの影響で在宅勤務になったことで、家族と過ごす距離と時間が身近になりました。

育児で妻がゲッソリしているな、子ども達は今日も怒られていたな、とかオフィスワークをしていた頃よりも敏感になりました。(僕的には…)

そういった環境の中で、会社のルールをベースにライフを設計しようとすると難しいこともでてくるんですよね。

なので、今回は思い切って「どういった生活環境なら、ライフが最高に安定するか?」と考えた結果が山形県鶴岡市への移住でした。

早いもので移住して2ヶ月経ちましたが、妻も子ども達も祖父母とともに暮らして、毎日楽しそうです。


一先ず、鶴岡での地方在住型ワークは快適です!!
本当に移住して良かったと感じています!!

まだまだ、地域との関わりなどは希薄で、今後は生活に慣れてきたら色々と交流してみたいと考えています。(このあたりも、いつかはnoteに…)


これにて、「地方在住型ワークの制度ができるまで」は完結です。
これからは、移住後の生活や仕事、国や自治体の支援制度などについて、また書いていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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